おんじょどいの小屋

鹿児島弁辞典

白雪姫

作者不詳の鹿児島弁による白雪姫です。
面白いので音声をつけて掲載します。
作者の方、ご免なさい。

鹿児島弁白雪姫  

お妃(きさっ)どんが
「鏡(かがん)よ鏡(かがん)、世界で一番(いっばん)見事(みご)ちとは誰(だい)やろかい」
ち、尋(たんぬ)れば、予(かね)ちゃ
「そあ、貴方(おはん)が一番(いっばん)良(よ)か女性(おごじょ)やっとよ」
言(ちゅ)う魔法の鏡(かがん)に、予(かね)っのっごっ 尋(たんね)たなあ
「そや、白雪姫やらせんどかい」
ち、鏡(かがん)が言(ゆ)たなあ
「何(なん)ちな!?」
お妃っどんが怒(はらけ)っかぎい怒(はらけ)っせえ、森ん中(な)け小人んしと仲良(なかゆ)住んじょらった白雪姫がとこい行(い)っせえ、 毒の入ったリンゴをば持っ行かったげな。
「リンゴは要(い)いやはんどか~い」
ち魔女ん真似をしたお妃(きさっ)どんが歩(さる)っごったなあ、そけ白雪姫宅(げえ)があっせえ、庭の草取いをしごった白雪姫に
「リンゴは噛(か)まんや?」
言(ちゅ)わったげな。
「まこち、どい美味(うんめ)かろそなリンゴやろかい」
ち白雪姫はそんリンゴを貰(もろ)っ噛(か)んだなあ、噛(か)んだ途端(いき) ひっくい返(か)あらった。小人んしが
「がっついこえな事(こっ)つあ無(ね)かった。け死んやったとけ?じゃったれば、今夜が本通夜で明日葬式(そしっ)じゃろなあ。  こげん良か娘(おご)を、本当(ほんのこ)ち惜(あったら)しこつしたなあ」
ち泣喚(ほろめ)っごったなあ、そけ馬(うん)め乗らった王子どんが通(とお)い かからっせえ、
「うんにゃ、んにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃ!本当(まこ)ち可哀相(ぐらし)かこつしたもんじゃ。 貴方(おはん)な何(ない)ごてリンゴを噛(か)んだとお」
言(ちゅ)っせえ起(おこ)そかいちしたなあ、白雪姫ん口っかいリンゴが 飛っ出っ来っせえ、白雪姫が
「助(たひ)かったがこあ!危(あん)ねこっでけ死んとこやったが!」
言(ちゅ)たげなお