鹿児島弁辞典「ね」}
「ね」
ね:無い・~ない(否定) 「天気しか 書(か)っこちゃ無(ね)よな
爺(じ)の日記 [新地十意]」「歯軋(はぎし)いも 寝言(ねごっ)も無(ね)女房(か)け 目が冴(さ)えっ [津留見一徹]」
ねあがい:値上がり 「値上(ねあ)がいで 思案煙草も 気が引(ひ)けっ [三條風雲児]」「値上(ねあ)がいが
効(き)たか煙草を 止(や)めた亭主(てし) [江口紫朗]」
ねい:寝る 「夫婦(みと)喧嘩(いさけ) 寝(ね)い頃(こ)れなれば 仲良(なか)ゆなっ [山下明良]」「黙(だま)っ
飲(の)ん 黙っ食(く)て寝(ね)い 倦怠期 [吉岡道場]」
ねいい:寝入り・寝入る 「敬老(けいろ)席(せ)き 若(わ)け奴(と)が狸(たぬっ) 寝入(ねい)ゆしっ [原田菊男]」
ねいっ:寝息 「結婚(といえ)当初(はな) 可愛(むぞ)か寝息(ねいっ)も 今鼾(いびっ) [菅野美穂子]」
「爺(じ)あ子守(こも)い 懐(つく)れ聞(き)こゆい 可愛(も)ぜ寝息(ねいっ) [大重爆笑]」
ねいぼ:蕎麦団子 「蕎麦団子(そばねいぼ) 燠(おき)い抱かれた 囲炉裏(ゆるい)端(ばた) [盛満椒平]」
ねおい・ねおっ:病気になる・病む 「病気(ねお)ったち 聞(き)かん間(め)急(はた)っ 友達(どし)が逝(い)っ
[東 松子]」「病臥(ねお)い妻(か)け あん関白(かんぱっ)が 優(な)ち介護 [石田霜降]」
ねがえい:寝返り 「寝返(ねがえ)いも 気安(きや)すやいでた 多(う)け政党(せいと) [新地十意]」
なかさるい・ねかさるっ:寝かされる 「お昼寝ん 時間ちさいも 寝(ね)かされっ [藤後一碧]」
ねかすい・ねかすっ:寝かせる
ねぎい・ねぎっ:睨む 「活(い)っ造(づく)い 食(く)なあ食え言(ちゅ)て 睨(ねぎ)い魚(いお) [津曲とっこ]」
「粉ミルク あてご大乳房(うぢち)を 姑(ば)が睨(ねぎ)っ [津留見一徹]」
ねぎい・ねぎっ:値切る 「高価(たっ)かどん 値切(ねぎ)いもならん 介護料 [藤後一碧]」「駄目(だめ)もとち
違反切符を 値切(ねぎ)っみっ [塚田黒柱]」
ねぎいお:睨み合う 「行違(いっす)った 同(ひと)っ柄(がら)をば 睨(ねぎ)い合(お)っ [堂園三洋]」
「美田(びで)ま罪(つん) 先祖ん汗を 睨(ねぎ)い合(よ)っ [岩崎美知代]」
ねぎらるい・ねぎらるっ:睨まれる 「万札(まんさっ)で 買物(けもん)ぬすれば 睨(ねぎ)られっ [福原福多]」
「仁王から 掏摸(す)や睨(ねぎ)られた 六月灯(ろっがっど) [三條風雲児]」
ねくっ・ねくん:寝込む 「寝込(ねく)だ女房(かか) 金(ぜん)の注射で 起(お)っ上(きゃ)がっ [蔵ノ下夢石]」
「後追子(あとえご)ん 泣っ顔(づら)婆(ばば)ん 背中(せ)い寝込(ねく)っ [有馬二刀流]」
ねぐるし・ねぐるしか:寝苦しい 「寝苦(ねぐる)しち 思(おも)たや喉い 妻(かか)ん足 [楠八重渓流]」
「寝苦(ねぐる)しか 晩に限って 纏付(めち)っ亭主(とと) [河原武庫の花]」
ねげ:願い 「受け取った 目が喜(よろ)くじょい 辞職(じしょっ)願(ね)げ
[中囿和風]」「叶(かの)た願(ね)げ 夢から覚めっ 横(よ)けな婆(ばば) [かぼす]」
ねご:願う 「良(よ)か返事(へ)ずば 願(ね)ごっ投函(なん)くだ ラブレター [堂園三洋]」「運(ふ)を願(ね)ごた
鬼火焚(おねっこ)ん餅(も)ちゃ 燠(おき)いなっ [吉岡道場]」
ねこぐいま:作業用の一輪車 「年(と)しゅ取れば 一輪車(ねこぐいま)いも 馬鹿(ば)けされっ [深道好之]」
ねごっ:寝言 「再婚(にどめ)同士(どし) 寝言(ねごっ)も新旧(しんきゅ) 入(い)い交(ま)じっ [福冨野人]」
「返事(へ)ずしたや 女房(かか)はその先(さ)く また寝言(ねごっ) [桑元行水]」
ねごっない・ねごっなっ・ねごっひんない・ねごっひんなっ:失う・なくなる 「故障(こしょ)ん無(な)か
五臓六腑は 無(ね)ごっなっ [三條風雲児]」「安(や)し会費 いっき食(く)わんな 無(ね)ごっなっ [有川南北]」
ねごやし:根こそぎ 「見事(みご)て花 黙(だま)っ根掘起(ねごや)す しっ帰(もど)っ [野間口鈴女]」
ねころん:寝転ぶ 「不合格(おて)た同士(どし) 寝転(ねこ)ろだ土堤(ずべ)い 散(ち)い桜 [織田岳児]」
ねごわるい・ねごわるっ:願われる 「願(ね)ごわれっ 嫁(き)て牛(べぶ)ん如(ご)っ 使(つ)こわれっ
[岩崎美知代]」
ねじふすい・ねじふすっ:ねじ伏せる 「口(くっ)の女房(かか) 拳骨(とっこ)ん亭主(とと)を 捩(ね)じ伏(ふ)せっ
[有川八味]」
ねしゅ:内心・本音・性根 「切(せっ)ね内心(ねしゅ) 義理(ぎい)じゃち言
(ゆ)かた 贈いチョコ [片平桜子]」「顔(つら)あ女房(か)け 性根(ねしゅ)あ俺(お)い似た
可哀相(ぐら)し孫 [大重爆笑]」
ねじゅく・ねじゅくろ・ねじょくっ・ねずくっ・ねずくろ:すねる、駄々をこねる 「まだ早(は)えち 喜寿が
駄々(ね)ずくろ 敬老会(けいろかい) [岩崎美知代]」「カーナビが 深(ふ)け山道(やまみっ)に 駄々(ね)じゅ食(く)ろっ [諸木小春]」
ねじん:にんじん・人参 「採(と)いはなん 人参(ねじん)ち見事(みご)つ 今日(きゅ)ん味噌汁(おっけ)
[前田 蛍]」
ねすい・ねすっ:寝かせる 「愚図(ぐず)い子を 太(ふ)て腕(う)で寝(ね)すい 子煩悩(こぼんのう)」
「九時(く)じ寝(ね)すい 病院の夜を 持(も)て余(あ)めっ [三條風雲児]」
ねずん:ねずみ・鼠 「干上(ひや)がっち 鼠(ねずん)も逃げた 倹(つま)し所帯(しょて) [津留見一徹]」
「ご苦労様(くろさあ) 藪(やぼ)い屈(しゃご)じょい 鼠捕(ねずんと)い [枦山一球] 」
ねずん:抓る・抓む 「隣(つっ)の夫人(か)け 挨拶(えさっ)が長(な)げち 抓(ねず)まれっ [村野兵六]」
ねせつくい・ねせつくっ:寝かしつける 「」「じゃがじゃがち 諄(く)で酔払(よくれぼ)を 寝(ね)せつけっ
[吉永護謨毬]」「膝枕(ひざまく)れ 管巻(じじら)をやっと 寝(ね)せつけっ [森山厚香]」
ねせん:寝せない 「飲(の)ん平(べ)友達(どし) 瓶の寝(ね)せんにゃ 立(た)とたせじ [種子田 寛]」
「昼(ひ)あけ寝(ね)っ 晩な看病(かびょ)をば 寝(ね)せん婆(ばば) [上山天洲]」
ねぞ:寝相 「凄(わ)ぜ寝相(ねぞ)い 監視カメラも 吹(ふ)っ出(だ)せっ
[蔵ノ下夢石]」「寝相(ねぞ)ん悪(わ)り 女房(かか)あベッドで イナバウア [馬場日登巳]」
ねそべい:寝そべる
ねだい・ねだっ:ねだる 「入れ知恵ん 母(かか)をば見(み)い見(み) 父(と)てねだっ [栫 路人]」
ねたいおろだい:泣き叫ぶ
ねたがゆい・ねたがゆっ・ねたごわすい・ねたごわすっ:寝違える
ねたきい・ねたぎい:寝たっきり 「寝(ね)たきいの 女房(かか)ん介護で 表彰(しょ)を貰(も)ろっ [畑山真竹]」
ねたはな:寝入りばな
ねたまがい・ねたまがっ:何かに驚いて急に目が覚める 「ピーポーが 夜中(よな)け走れば 寝(ね)たまがい
[日置傳明琴]」
ねたまし:妬ましい 「躍起(やん)き食(く)う 女房(かか)が妬(ねた)まし 病人(びょにん)たろ [三條風雲児]」
ねだらるい・ねだらるっ:ねだられる 「銀行に 有(あ)いがねち孫(ま)げ 強請(ねだ)られっ [上籠若菜]」
ねたろ:病人 「欲(ほ)し一票(いっぴゅ) 寝(ね)たろ婆(ばば)ずい 握手しっ [北森第九]」「懐(つくら)かい
財布(ふぞ)あ離(はな)さん 寝(ね)たろ婆(ばば) [仮屋一発]」
ねたん:妬み・妬む
ねちっ:寝付く 「寝付(ねち)た嬰児(こ)を 春雷(はいかんなれ)が 目覚(おず)ませっ [有川南北]」
「寝付(ねち)た児(こ)を 泡(ぶ)ち乗(の)すいごっ 柔(や)らす置(お)っ [前田一天]」
ねっ:泣く 「四十九日(しじゅくんち) 泣(ね)たい笑(わ)るたい 爺(じ)を
語(かた)っ [雲城]」「嫁(とつ)っ朝 娘(むしめ)ん挨拶(えさ)ち 家族(けね)で泣(ね)っ [梶田眞一]」
ねっ:寝る 「寝(ね)った真似 親ん本音を 全部(ずるっ)聞(き)っ [今井夢紫]」「倦怠期 女房(かか)ん寝床にゃ
三毛が寝(ね)っ [花園ちづ]」
ねっ:眠る 「金(ぜん)工面 なんだ忘れた 顔(つら)で眠(ね)っ [江平光坊]」「眠(ね)った母親(はほ)
見たこっが無(な)か 子供達(こどんたっ) [江平光坊]」
ねっ:黴が生える 「長(な)げ裁判(さばっ) 決まった頃(こ)れな 黴(こし)が生(ね)っ [有川南北]」
「不精者(ふゆしごろ) 締(け)た褌(へこ)ずいも 黴(こし)が生(ね)っ [三條風雲児]」
ねっ:練る 「無人市(むじんい)ちゃ 目掛け貯金で 夢を練(ね)っ [津留見酎児]」
ねっ:ネギ・葱 「トロ箱い 葱(ねっ)どん植(う)えっ 一人住(ひといず)め [有馬南北]」「野菜(やせ)急騰
(きゅうと) 握った葱(ねっ)も 棚(た)ね戻(も)でっ [今井夢紫]」
ねっ:熱 「知恵熱(ちえねっ)ち 知(し)たじ飲ませた 熱(ねっ)さまし [藤高春風]」「発熱(ねっ)の女房(かか)
台所(おすえ)ん亭主(とと)い 寝(ね)ちゃおれじ [有川南北]」
ねづい・ねづえ:根強い
ねっか:眠い 「春(は)や眠(ねっ)か 講演(はな)す聴(き)っかて 生欠伸(なまあくっ) [折田さくら]」
ねっかい・ねっかあ・ねっから:全部・全て 「親父(おや)じ似(に)っ 兄弟(きょで)は全員(ねっかい)
見事(みご)て禿 [稲田切株]」「成人病(せいじんびょ) 美味(う)めた全部(ねっから) 悪(わ)り食物(くもん) [田原大黒]」
ねつかれん:寝付けない 「お休みち メールが来(こ)んな 寝付(ねつ)かれじ [津留見酎児]」
ねっくれ:へそ曲がり・ひねくれ者 「捻(ねっ)くれを 一日(ひして)守(も)ゆして 寝込(ねく)だ婆(ばば)
[満留ぐみ]」
ねっころっ・ねっころん:寝転ぶ
ねたふい:寝たふり 「官僚が 眠(ね)た素振(ふ)ゆばして 牙を研(て)っ [弓場正巳]」「空ん旅(たっ) 眠(ね)た
振(ふ)いしいし 経(きょ)をば唱(よ)ん [渡 純光]」
ねったぼ:サツマイモで作った餅 「唐芋餅(ねったぼ)が 緩(ゆ)り総入歯(がんぶ)ゆば 引張(そび)っ出(で)っ
[石田霜降]」「ねったぼで 繋(つ)ねだ命(いの)つば大事(で)じ使(つ)こっ [入来院彦六]」
ねつっ:寝付き 「重(お)ぶなかや 寝付(ねつ)っが悪(わい)か 羽毛(うも)蒲団 [弓場正巳]」「鼾(いびっ)
掻(か)き 限(かぎ)っ寝付(ねつっ)の 早(はや)かこっ [慶田乱雲]」
ねっと:根太・腫れ物 「痛(い)て腫物(ねっと) ペンギンの様(よ)な 態(ふ)で歩(さ)るっ [有馬湧声]」
「内股(うっまた)ん 根太(ねっと)を擦(こす)っ 蟹(がね)歩(あゆ)ん [永徳天真]」
ねてんおずでん:寝ても覚めても
ねてんおれてん・ねてんおれでん:泣いても叫んでも 「抜けた毛は 泣(ね)てん叫(お)れてん 戻(もど)っ来(こ)じ
[塚田黒柱]」
ねとぼくい・ねとぼくっ:寝ぼける 「寝(ね)とぼけっ
婆(ばば)ん総入歯(がんぶ)ゆ 爺(じ)が嵌(は)めっ [入来院彦六]」「寝惚(ねとぼ)けっ 夜中(よな)け家内中(けねじゅ)を 爺(じ)が
起(お)けっ [樋口一風]」
ねとぼけ:寝ぼけ 「夢ん中 寝惚(ねとぼ)け孫が 九九を言(ゆ)っ [新地十意]」
ねばい・ねばっ:粘る 「強情(じょご)え人(と)も 粘(ねば)い刑事ん 情(じょ)い落(お)てっ [上山天洲]」
「金バッジ 逮捕されてん まだ粘(ねば)っ [那加野黎子]」
ねばし:真綿 「真綿(ねばし)張(は)い まこて邪魔(ま)ぜない 皸手(あっがれて) [山内ミキ]」「綿入(おなかい)れ
真綿(ねば)しばたぐろ 逆剥(さかむ)け手(で) [村尾山吹]」
ねはな:寝てすぐ 「寝端(ねはな)をば 厄介(やっけ)な友達(どし)が 戸を叩(た)てっ [仮屋一発]」
「寝端(ねはな)じゃっ そろいと歩(さる)け やんちゃ孫 [東 松子]」
ねび・ねぶか:眠い 「共稼(ともかせ)っ 眠(ね)び子を起(お)けっ 遅(お)せ夕飯(ゆめし) [山田竜生]」
「馬ん次(つ)ぎゃ 今度(こん)だ背負(かる)えち 眠(ね)び駄々(やから) [福冨野人]」
ねびっ:値引き 「十五日(じゅうごんち) 値引(ねび)っのチョコを 女房(か)け貰(も)ろっ [工藤天然]」
「値引(ねび)っ言(ちゅ)っ 一匹(いっぴっ)添えた だれ鰯 [田辺長作]」
ねぶいかぶっ:うとうとする 「寒(さん)か朝 ねぶいかぶって 台所(なが)し立(た)っ [尾崎若狭]」
「議員席(ぎいんせ)き 眠(ねぶ)いかぶった 税盗人(ぜいぬすと) [有馬純秋]」
ねぶい・ねぶっ:舐める 「初給料日(はっはれび) 舐(ね)ぶっ数(かん)ずい 新社員(しんしゃいん) [山元自在鉤]」
「卑(いや)し奴(と)が 他人(ひと)ん女房(かか)どみ 指(ゆ)ぶ舐(ねぶ)っ [西浦大器]」
ねぶい・ねぶっ:眠る 「満天の 星(ほ)す天井(つ)し眠(ねぶ)い 山男 [郷田悠々]」「よか説教(せっきょ)
相槌(えは)を打(う)っかた つん眠(ねぶ)っ [中間紫麓]」
ねまい・ねまっ・ねまる:腐る 「頑丈(じょっ)な腹 半端腐(ねま)った 団子(だご)も食(く)っ [福冨野人] 」
「議(ぎ)が多(う)こし 棚(た)ね腐(ねま)ろそな 消費税 [有川南北]」
ねまっ:寝巻き 「五十(ごじゅ)疲(だ)れも 寝巻(ねまっ)の乱れ 二度燃(も)えっ [山元自在鉤]」
「小火(ぼや)騒(さわ)っ 寝巻(ねまっ)の野次(やじ)が 下知(げ)つ吐(か)えっ [有馬凡骨]」
ねまらくい・ねまらくっ・ねまらすい・ねまらすっ:腐らす 「悪(わ)いか心根(ねしゅ) 惜(あった)れ横綱(つな)を
腐(ねま)らせっ [金井一馬]」「名誉職(めいよしょ)く 長座(ながずわ)ゆして 腐(ねま)らけっ [林 夢太郎]」
ねみ:眠い
ねむい・ねむっ:眠る 「効(き)っち買(こ)た 健康器具は 小屋(こ)へ眠(ねむ)っ [井手上政暎]」
ねむたか:眠い
ねむれん:眠れない 「避難所ん 隅(すん)で眠(ねむ)れん 夜が明(あ)けっ [那加野黎子]」「マグマをば
枕(まく)れ眠(ねむ)れん 桜島(しま)ん晩 [堂園三洋]」
ねやならん:眠られない 「ひとい者(もん) 猫ん恋声(おごえ)い 眠(ね)やならじ [有川南北]」
「美人(シャン)ママん 項(うな)ず思(お)め出(で)っ 眠(ね)やならじ [堂園三洋]」
ねれ:猟師 「狩人(ねれ)どんに びっびっしちょい 山仕事(やましごっ) [山田竜生]」
ねれ:狙い
ねろ:狙う 「暦(こよ)み丸 孫も狙(ね)ろちょい 年金日 [前原人力車]」「一億(いちお)くば 狙(ね)ろ衆(し)が
並(な)るだ 宝くし [末原一声]」
ねろわるい・ねろわるっ:狙われる 「尖閣(せんかっ)も 北ん四島(よんと)も 狙(ね)ろわれっ [有川南北]」
ねんいい:念入り 「念入(ねんい)いの 化粧(けしょ)で男を 悩殺(といこ)れっ [永徳天真]」「賽銭箱(ぜんばこ)も
念入(ねんい)い磨(み)げた 年の暮れ [横手五月]」
ねんがいい・ねんがいっ:念が入る・慎重である 「退職(やめ)たなあ ちらしゅ見(み)っとも 念が入(い)っ [尾崎若狭]」「負け犬(いん)ち 陰口(かげぐ)ち化粧(けしょ)も 念が入(い)っ [盛満椒平]」
ねんがらねんじゅ:年がら年中・いつも
ねんしゃ:入念な人・慎重で念入りな人 「念者(ねんしゃ)婆(ばば) 洗(あ)るた褌(へこ)ずい 嗅(かず)ん切(き)っ
[鈴木一泉]」
ねんじゅ・ねんず:いつもいつも・年中 「こげな亭主(て)し 何(な)ゆ血迷
(ちま)よたか 年中(ねんじゅ)後悔(くけ) [楠八重渓流]」「開店が 年中(ねんず)あいよな パチンコ店(や)
[瀬戸口流川] 」
ねんじゅさんじゅ・ねんずさんず:いつもいつも・年中 「顔(つら)土産 年中(ねんじゅ)さんじゅい 来(く)んな
言(ちゅ)っ [石塚律子]」
ねんつ:年頭 「天(てん)な高(た)こ 年頭(ねんつ)ん挨拶(えさ)ち 桜島(しま)は噴(ふ)っ [棈松睦酔]」
「素手で来(き)っ 帰(もど)や背負(か)れ放題(ふで) 娘(こ)ん年頭(ねんつ) [畑山真竹]」
ねんつめい:年始 「飲(の)んつもい 車(くいま)どま置(え)て 年始回(め)い [大迫三ツ葉]」
ねんぬえっ:念を押す 「提げた焼酎(しょちゅ) 新焼酎(しんじょちゅ)じゃっち 念ぬ押(え)っ [川村三生]」
「親同居 覚悟(かっご)は良(え)かち 念ぬ押(え)っ [下栗志乃]」
ねんぶっ:念仏 「念仏(ねんぶっ)ち 思えば楽(だっ)な 女房(かか)ん愚痴(ぐぜ) [片野田小鈴]」
「解散ぬ 念仏(ねんぶっ)のごっ 吐(かや)す野党(やと) [江口紫朗]」