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薩摩狂句

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薩摩郷句誌「渋柿」 第663号 10月号

雑吟     永徳天真選

一番槍 秋風(あっかぜ)が 預金通帳(つうちょ)ん 中(な)けも吹(ひ)っ [津留見一徹]
二番槍 尻(し)ゆ向(む)けっ 言(ゆ)こっも聞(き)かん 横道(おど)な犬(いん) [澤津乙名]
三番槍 あん社長(しゃちょ)も こん頃(ご)ら軽(けい)で 街(ま)つ歩(さ)れっ [石塚律子]
四番槍 セールスが 他人(ひと)ん土地(じだ)どみ 不要(い)らん心配(せわ) [西 幸子]
五番槍 昨夜(ゆべ)ん酔漢(とら) 社長(しゃちょ)い掘(ほ)ったも 記憶(きお)か無(の)し [中村雲海]
六番槍 播種(はしゅ)が済(す)ん 台風(かぜ)が来(こ)ん如(ご)っ 合(あ)わすい手 [佐澤汽車道]
七番槍 雀奴(すずめわろ) 多連(うづ)れで稲を 食散(くち)らけっ [満留ぐみ]

渋柿集

栫 路人 妬(や)っ女房(かか)い 愛の断片(かけら)が まだ残(のこ)っ
会社ずい 気の強(つ)え女房(かか)ち 知れ渡(わた)っ
食(く)しこどま 働(はたら)かんなち 爺(じ)は畑
父(ちゃん)の服(ふ)か 汗で塩どか 地図を描(け)っ
サウナしか 汗はかかんち 都会振(ぶ)っ
有川南北 土用(どよ)干(ぼ)しも しうせん梅い 秋(あっ)の風
散歩犬(いん) 俺(お)い家(げ)ん門に 脚(あ)す上(あ)げっ
貶(けな)せてん 褒(ほ)めやきっせん 与野党(よやと)ん議(ぎ)
一点差 九回(きゅうか)い震(ふ)れが きて負(ま)けっ
インタビュー 監督(かんと)か相手(えて)を 先(さ)き褒(ほ)めっ
弓場正己 十五夜(じゅごや)綱(づな) 女房(かか)ん大尻(うじい)が 歯止(はど)めなつ
こん不況(ふきょ)い 有(あ)い筈(はっ)が無(ね) 合(お)た仕事(しごっ)
傍(はた)ん衆(し)は 白(しら)けた顔(つら)ん 孫自慢
金持(ぜんもっ)の 議(ぎ)が先(さ)き通(とお)い 郷中(ごじゅ)ん寄合(よい)
リーゼント 言(ちゅ)われた頃ん 影も無(の)し
堂園三洋 痩せ奴(ごろ)い メタボん腹を 妬(しょの)まれっ
素(す)うどんち 小(こま)んか声で 頼(たの)ん女房(かか)
昼(ひ)や軽(か)るち 言(ゆ)どん晩にも 無(な)か御馳走(ごっそ)
老春(ろうしゅん)ぬ 楽(たの)しもち婆(ば)と 小(ちん)け旅(たっ)
長(な)げ友ち 書(か)っどん髪(かん)な 最早(もへ)抜(ぬ)けっ
永徳天真 酔(よく)れぼい ずるっ吠(ほ)えちょい 郷中(ごじゅ)ん犬(いん)
楽(だっ)じゃっち 外食(がいしょ)き女房(かか)ん 早(は)え支度(したっ)
辞(や)めたなあ 今度(こん)だ肩書(かたが)か 女房(かか)ん秘書
ミスを見(み)っ ことろしゅ美人(シャン)じゃ 無(ね)言(ちゅ)う女房(かか)
飲(の)ん方(かた)ん 途中(つと)で胃薬(いぐす)ゆ 飲(の)ん飲(の)ん平(べ)
植村聴診器 給付金 使(つ)こた後(あと)から 腹が立(た)っ
ヘリコプタ 綱で命(いの)つば 引(ひ)っ上(きゃ)げっ
俺(おい)じゃがち 息子(こ)んからん電話 プツッ切(き)っ
不景気で 垂れた稲穂も 気力(あや)んね態(ふ)
逆箒(さかぼ)くば 握(にぎ)った影が 障子(しょ)じ映(うつ)っ

山椒集 題「人気(にんき)」     有川南北選

野心(したごころ) やっぱいじゃた 人気知事 [盛満椒平]
遼(りょう)人気 ギャラリが周囲(ぐる)ゆ 取(と)い巻(ま)えっ [津留群志]
ちょい悪(わる)が 娘(おご)ん衆(し)からな わぜ人気 [中間紫麓]
五客一席 人気取(と)い 良(え)事(こ)つ並べた マニフェスト [樋口一風]
五客二席 外国(がいこっ)の 力士が背負(かる)た 相撲(すも)人気 [おんじょどい]
五客三席 巻付(めち)かれっ 実習(じっしゅ)先生(せんせ)は わぜ人気 [諸木小春]
五客四席 初孫(はっまご)は 家族(けね)ん人気を 一人(ひとい)占め [西ノ園ひらり]
五客五席 山人気 中高年の 命(いの)つ取(と)っ [石塚律子]
選者吟 人気取(と)い 握手したくっ 辻(つ)じゅ回(まわ)っ

龍虎集 「時事吟」     堂園三洋選

解散で 選挙区向(む)けん 顔(つ)れ戻(もど)っ [吉岡道場]
待(ま)ち待った 皆既日食(かいきにっしょ)か 雲ん上 [桑元行水]
選挙用(せんきょよ)い 見事(みご)つ化粧(なす)った マニフェスト [津留見一徹]
四天王一席 麻生殿(どん) どもこも口(くっ)が 横(よ)け滑(すべ)っ [諸木小春]
四天王二席 若田どん 将来(やが)っの夢を 宇宙(そ)れ造(つく)っ [二見愚楽満]
四天王三席 皇后様(こうごさあ) 世界の子供(こど)み 子守唄(こもいうた) [山路野菊]
四天王四席 八勝で 大関(おおぜっ)の座い 縋(しが)ん付(ち)っ [おんじょどい]
選者吟 茶の香(かざ)も 乗(の)せっ静岡便が着(ち)っ

郷句相撲 題「喉(のど)」

横綱(東) 盗(ぬすと)焼酎(じょちゅ) ひょかっ電灯(ひ)が点(ち)て 喉(の)で詰(つ)まっ [福山吉連]
横綱(西) 達磨(だる)め目を 入(い)る言(つ)ちゃ喉も け潰(つぶ)れっ [津留見一徹]
大関(東) 後(うし)て社長(しゃちょ) 悪口(あっご)は喉い 打(う)っ詰(つ)まっ [盛満椒平]
大関(西) 言(ゆ)えば騒動(そど) 喉ずやきたが じっ耐(た)えっ [鮫島牧峰]
関脇(東) 夏祭(なっまつ)い 喉を嗄(か)らけっ 孫捜し [伊地知 孝]
関脇(西) 飯(め)しゃ喉を 通(とお)らじほろっ 恋病(こいやんめ) [樋口一風]
小結(東) 良(よ)か喉ち 褒(ほ)むれば課長(かちょ)ん 独(ひと)い舞台(ぶて) [堂園三洋]
小結(西) 浮気亭主(てし) 喉元過(す)ぎっ また浮気 [花園ちづ]
筆頭(東) 凄(わ)ぜ暑(あっ)か 喉が欲(ほ)しがい 冷(つん)て西瓜(すか) [山元自在鉤]
筆頭(西) 喉(の)でな悪(わ)り 煙草言(ちゅ)かたで 止(や)めはせじ [上山天洲]
二枚目(東) 子分限者(こぶげんしゃ) 年中(ねんじゅ)嗄(か)れちょい 母(かか)ん喉 [佐伯山神]
二枚目(西) 寝苦(ねぐる)しち 思(おも)たや喉い 妻(かか)ん足 [楠八重渓流]
三枚目(東) テレビ料理(じゅ)い 喉を生唾(なまつ)じゃ 垂れ流し [北村虎王]
三枚目(西) こん蒸暑(ほめ)き ビール電車い 喉が鳴(な)っ [福原福多]
四枚目(東) 喉自慢 ど派手な振(ふ)いで 勝負(しょ)ぶかけっ [諸木小春]
四枚目(西) 女形 やっぱい喉が 気いかかっ [中間紫麓]
五枚目(東) 喉ならし 一曲(いっきょっ)歌(う)とた 人気歌手 [久永時盛]
五枚目(西) 何事(ないご)てか 美人(シャン)が持(も)っちょい 喉仏 [萬福平次]
六枚目(東) 風呂上(あ)がい 喉がビールを 引張(そび)っ込(こ)ん [日隈英坊]
六枚目(西) 喉が痛(い)て 言(ちゅ)ながらマイク 離(はな)させじ [大脇保子]
七枚目(東) バイキング 喉かい出(で)いめ 欲(よっ)が食(く)っ [新地十意]
七枚目(西) 解禁日鮎ん塩焼しおやき喉が鳴(な)っ [前村幸治]
八枚目(東) 喉ん皺 デジタルテレビ 暴(あば)っ出(で)っ [西ノ園ひらり]
八枚目(西) 選挙後(あと) 一時(いっと)か喉ん 養生(よじょ)をしっ [米元年輪]
親方吟(東) 喉ん骨 目をば白黒 飯(め)す鵜呑(ぐの)ん [入来創雲]
親方吟(西) 離任式(りにんし)き 別れ挨拶(えさっ)が 喉(の)で詰(つ)まっ [吉岡道場]

薩摩郷句作品集(薩摩狂句集「くろぢょか」より抜粋)

柿元棕櫚緒 拗(ね)ずくろた 踊(おど)い馬(うんま)が 天ぬ蹴(け)っ
鼻声で 横(よん)ごが舵(かっ)も 取(と)いなるっ
納屋(なや)ん馬場 逃げ場を塞(ふ)せだ 募金箱
筧 三平 飲(の)ん足(た)らん 顔(つら)食傷(しょっしょ)顔(づら) 御用(ごよ)始(はっ)め
裏小路(うらすっ)の 盛夏(うな)ち涼(すず)るし 金魚売(う)い
膝直し もへ姑(しゅと)ん愚痴(ぐっ) 婿ん愚痴(ぐっ)
金井一馬 釣(つ)い自慢(じまん) すい度(た)び手幅(てはば) ひっ違(ち)ごっ
心持(こころも)っ 肉(み)の大(ふ)て皿は 亭主(て)し回(ま)えっ
担任な 女(おなご)ち亭主(とと)あ 喜(よろ)くじょっ
鐘ケ江左利 長病(ながやん)の 明治ん気骨(きこ)ちゃ まだ残(の)けっ
海水着 また一段と 狭(せ)ぼしなっ
母校(ぼこ)ん庭(に)へ 銀杏(いちょ)あ百年 児童(こ)と遊(あす)っ

その他の秀句 (順不同)

粃(しら)ん多(う)け 田圃(たん)べ雀も 素通(すど)いしっ [米元年輪]
里帰(さともど)い 挨拶(えさっ)も優(やさ)し 田舎道(いなかみっ) [吉丸セツ子]
お正月(しょがっ)と 盆が来たよな 回転(まわい)寿司 [津留見一徹]
水(みっ)言(ちゅ)えば 勝手い飲めち 薄情(つれ)ね女房(かか) [吉岡道場]
女房(か)けメール ハート絵文字で 嘘を書(け)っ [瀬戸山刀青]
売れん店(み)せ 招っ猫どま 塵(ごん)くろっ [上山天洲]
痩(や)せ亭主(てし)に 花を持たせた 夫婦(みと)相撲(ずもう) [井手上政暎]
亭主(て)しゃ自民 女房(かか)あ民主で 議(ぎ)も弾(はず)ん [西迫順風]
噛(か)ん殺(こ)れた 欠伸(あく)ばごろいと 鼾(いび)きなっ [新地十意]
助手席(じょしゅせっ)の 飲兵衛(のんべ)は気楽(きだ)き 栓ぬ抜(に)っ [山田竜生]
平素(かね)ちゃ来(こ)じ 半額市(はんがっい)ちな 顔(つら)を出(で)っ [大脇保子]
厚化粧(あっげしょ)ん 何処(どこ)い塗(ぬ)っとか 日焼け止め [伊地知 孝]
看護師い 会(お)とも薬(くすい)ち 爺(じ)は通(かよ)っ [有馬純秋]
人気歌手 死ねば死んだち また人気 [植村聴診器]
今ん娑婆(しゃ)べ 何(ない)が残業(ざんぎょ)か 亭主(てし)の嘘 [上山天洲]
何(なん)言(ちゅ)てん 財布(ふぞ)を握った 妻(かか)ん勝(か)っ [桑元行水]
携帯(ケータ)ゆば 亭主(てし)の首輪(くっわ)ん 代(か)えいしっ [上山天洲]
幼児(ちび)あ箸(は)す 握(にぎ)ったまんま 舟をけっ [上別府印句]
熱(いた)か風呂 股間(またば)ゆ確(じか)っ 握(にぎ)っ入(い)っ [桑元行水]
着払(ちゃっば)れで 夜中(よなか)い届(と)じた 迷(まぐ)れ夫(とと) [入来創雲]
綻(ほこ)れをば 何度繕(ふせ)たろ 子ん寝顔 [楠八重渓流]
汗ん倍 涙(なんだ)を拭(ぬ)ぐた 甲子園 [津留見一徹]

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