中村雲海 |
命取(いのっと)い なろでガブガブ 辛(から)か焼酎(しょちゅ) |
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注文ぬ したのせんので 延びた麺 |
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思(お)め切(き)いの 良(よ)かとが徒(あだ)で また倒産(かや)っ |
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計算(さんにょ)違(ち)げ 渋滞(じゅうた)い嵌(うた)っ また遅刻(ちこっ) |
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ガムを噛(か)ん 締(しま)らん試合(しあ)や きし負(ま)けっ |
有川南北 |
又またかよち 吐息(うい)くつかすい 汚染漏れ |
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百年目 桜島(しま)も目覚(おず)だか 噴(ふ)っどえっ |
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無縁墓 空(から)ん花瓶に 侘(わび)し秋(あっ) |
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大結婚式(うごぜんけ) 沢山(ずんばい)招待(よ)だや 円満(ま)るいかじ |
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草野球 娘(おご)ん代打で 盛(も)い上(あ)がっ |
弓場正己 |
爺(じじ)が愚痴(ぐぜ) 浪花節調(なにわぶしちょ)ん 節(ふし)が付(ち)っ |
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税還付 凄(わ)ぜ儲(も)けた気で 寿司を食(く)っ |
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浪花節 テープが爺(じじ)を 寝(ね)せつけっ |
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嫁が傍(そ)べ 居(お)ろそな語(かた)い 息子(こ)が電話 |
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夏疲(なっだ)れが 止(や)んもせんうち 冬(ふい)が来(き)っ |
堂園三洋 |
飲兵衛(のんべ)じゃが 検査結果は甲(こう)の上(じょう) |
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そこずいが 限度じゃろそな 娘(おご)んミニ |
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良(よ)か出来(でけ)ん 田圃(たん)べ雀が 試食(ししょ)き来(き)っ |
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有力者(つえた)ちな 綺麗所(きれいどころ)が おもてなし |
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ミラーどま 明後日(あさって)を向(み)た 台風(うかぜ)あと |
永徳天真 |
少(ち)す自慢 熱(い)て湯い平然(しれっ) 爺(じ)あ浸(ちか)っ |
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恋(こ)や重症(じゅうしょ) 大食(うぐ)れ息子(むしこ)が 飯(め)す残(の)けっ |
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料理(じゅい)下手ち 直(いっ)き分かった 包丁(ほちょ)ん音 |
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猫舌ん 亭主(とのじょ)い憎(に)くじ 熱(あ)ち味噌汁(おっけ) |
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相手(えて)は誰(だい) 女房(かか)が優(こえら)し 電話口(でんわぐっ) |
樋口一風 |
夫婦(みと)喧嘩 終(しめ)いせえよち 除夜ん鐘 |
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宅配車(たくはい)しぇ 俺家(おいげえ)じゃねか 覗(のぞ)っ見(み)っ |
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美人(シャン)が来(き)っ 背筋(せす)ず伸(の)ばせっ 擦(す)い違(ち)ごっ |
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朝練習(あされん)の 孫と連(つ)れぶし ウォーキング |
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年末(ねんまっ)も また裏切った 宝籤(たからくし) |
天 |
長電話(ながでん)うぇ がらっ焦がれた 鍋ん底 [入来創雲] |
地 |
気安(きや)し仲 鍋が蓋なし 隣(つ)ぎ走(はし)っ [入来院彦六] |
人 |
三日目は 凄(わ)ぜ辛(か)ろなった 独身(チョン)が鍋 [北村虎王] |
五客一席 |
囲炉裏端(ゆるいばた) 鍋にゃ里芋(いも)ん子 爺(じ)は五勺(ごしゃっ) [有馬純秋] |
五客二席 |
美味(うん)めどん 何(ない)か満(み)たらん 一人鍋(ひといなべ) [津留見一徹] |
五客三席 |
雪(ゆっ)ダルめ 穴ほげ鍋を 被(かぶ)らせっ [米元年輪] |
五客四席 |
味噌汁(おっけ)しか 使(つこ)わん惜(たし)ね 万能鍋(ばんのなべ) [有馬湧声] |
五客五席 |
錆(さっ)くれた 大鍋(うなべ)が語(かた)い 大家族(うげね)時代(じで) [白澤黒猫] |
選者吟 |
炎柱(ひばした)を こさげば完成(でく)い 中華鍋 |
横綱(東) |
○ |
利口(じく)な嫁 姑(しゅと)を立て立て 料理(じゅ)ゆ習(な)るっ [諸木小春] |
横綱(西) |
● |
女子会で 亭主(とと)ん操縦(そうじゅ)を 先(さ)き習(な)るっ [上薗佳笑] |
大関(東) |
● |
習(な)るた手 で金星(きんぼ)す取った 弟子(で)す褒(ほ)めっ [山元自在鉤] |
大関(西) |
○ |
もう一度(いっど) 習(な)るけ行(い)た方(ほ)が 良(よ)か運転(まくい) [津留見一徹] |
関脇(東) |
● |
親ん背で 後継(あとち)っ息子 農業(さ)く習(な)るっ [有馬純秋] |
関脇(西) |
○ |
先生が 美人(シャン)でダンスい 爺(じ)も励(はま)っ [樋口一風] |
小結(東) |
● |
習(な)るたとい 喋(しゃべ)いがならん 妙(す)だ英語 [澤津乙名] |
小結(西) |
○ |
音痴じゃろ どしこ習(な)るてん 調子(ちょ)しゃ狂(くる)っ [入来義徳] |
筆頭(東) |
● |
習(な)るわんて 慣れたか嫁ん かごっま語 [西 幸子] |
筆頭(西) |
○ |
危(あっ)ね娑婆 娘(こ)い習(な)るわせた 護身術(ごしんじっ) [福冨野人] |
二枚目(東) |
○ |
茶を習(な)るが 帰(もど)れば足で 障子(しょ)ず開(あ)けっ [入来創雲] |
二枚目(西) |
● |
見合(みえ)ん席(せっ) 習(な)るた作法で 御曹司(ぼん)ぬ釣(つ)っ [米元年輪] |
三枚目(東) |
● |
婚約(きま)ったや 本気で料理(ず)ゆば 習(な)るでけっ [北村虎王] |
三枚目(西) |
○ |
お華(はな)どん 習(な)るが台所(おすえ)あ 油虫(あまめ)ん巣 [石野蟹篭] |
四枚目(東) |
○ |
習(な)る初(はし)め 夢で何度も 九九を言(ゆ)っ [新地十意] |
四枚目(西) |
● |
習(な)る当初(はな)ん 孫と将棋い 爺(じ)あ負(ま)けっ [原田菊男] |
五枚目(東) |
● |
習(な)るっ来(き)た 新(に)か料理(じゅい)作(つく)い 疲(だ)れ倒(と)けっ [日隈英坊] |
五枚目(西) |
○ |
のど自慢 歌を習(な)るたて 一(ひと)っ鐘 [前村泰山] |
六枚目(東) |
● |
習(な)れたてん ダンスい女房(かか)は 腰(こ)す違(た)ごっ [畑山真竹] |
六枚目(西) |
○ |
使(つ)こ方(かた)が 分(わ)からじ孫い 習(な)るスマホ [江口紫朗] |
七枚目(東) |
● |
飲(の)んの子は 何処で習(な)るたか 血筋(ちすっ)じゃろ [樋之口墨矢] |
七枚目(西) |
○ |
金(ぜん)ぬ積(つ)ん 少(ちっ)と習(なる)えば 名取(なと)いなっ [弓場正巳] |
八枚目(東) |
● |
スマホどん 習(な)るっ今流(いまりゅ)ん 家(うっ)の婆(ばば) [西ノ園ひらり] |
八枚目(西) |
○ |
習(な)るた当初(はな) 爺(じ)の浪曲(ろうきょっ)が 風呂(ふ)れ響(ひび)っ [吉岡道場] |
親方吟(東) |
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野菜(やせ)作(づく)ゆ 習(な)るっ所帯繰(しょてぐ)い 亭主(とと)も加勢(かせ) [伊地知 孝] |
親方吟(西) |
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稽古(けこ)はせじ 月謝が勿体(てこ)ね 爺(じ)んピアノ [満留ぐみ] |
山内成泰 |
意地と意地 五期ずい競(せ)ろた 町長選(ちょうちょせん) |
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泣(な)っけ来た 娘(こ)を叱(が)っ戻(も)でっ 胸中(ねしゅ)じゃ泣(ね)っ |
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金(ぜん)ぬ抱(で)っ ころっはっ逝(ち)た 欲(よっ)ごろ爺(じ) |
山内ミキ |
位牌(いへ)ん女房(か)け 泣(ね)っ語(かた)ろそな 晩もあっ |
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昔(むか)しゃ街道(けど) 古道(ふいみ)ち残(のこ)い 一里塚 |
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遺産分け 厄介(やっけ)な嫁で 揉(も)めでけっ |
山路市子 |
老夫婦(おんじょみと) 煤(すす)けた障子(しょし)で 年(と)しゅ越(こ)せっ |
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肩凝(かたこ)いち 言(ゆ)かたで好(す)っな 毛糸編(あ)ん |
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子分限者(こぶげんしゃ) 金(ぜん)な笊(しょけ)かあ 漏(も)いごたっ |
弓場正巳 |
手術台(しゅじゅっだい) 切(き)らん前から ばたぐるっ |
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兜蟹(かぶとがね) 百年苔を 背い負(か)るっ |
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芽が出(で)たや 歩(あゆ)ん方ずい 違(ち)ごっきっ |
吉崎しづか |
鬼火焚(おんびたっ) 済(す)めば春(は)やそけ 音がしっ |
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親いきた 歳暮(せぼ)を嫁(い)た娘(こ)が 貰(も)ろけ来(き)っ |
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弾丸(たま)ん下 くぐったて妻(か)け びびっちょっ |
吉永護謨毬 |
ちぎれ絵付(えぼ) 配達(はいた)つ日半(ひなか) 振(ふ)いまえっ |
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声(こ)へならん 声で挨拶(えさっ)の お通夜ん座 |
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グルメじゃち 議(ぎ)あ言(ゆ)が家(うっ)じゃ 飯(めし)と汁(しゅい) |
吉丸セツ子 |
泣(な)っながら 拳骨(とっこ)が走(はし)っ 女(おなご)世帯(じょて) |
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麦踏(むっふ)んの 腰(こ)し煙草入(とんこっ)が 拍子ひょうしば取(と)っ |
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担売(いねう)いも 値切(ねぎ)い木戸口(きどぐ)ちゃ 避(よけ)っ行(じ)っ |
吉満ささ舟 |
大家族(うげね)世帯(じょて) 不公平(しんそん)ねごっ 注(ち)っ分(わ)けっ |
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藁帽子(わらぼし)の 皿ん無(な)かとで 爺(じ)は我慢(きば)っ |
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鍵(か)ぎょしたち 裏はどこそこ 開(あ)けたない |
渡辺ハルエ |
不合格(ひっちゃ)えっ そいぎい神(かん)と 縁ぬ切(き)っ |
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胸を刺(せ)た 一言(ひとこ)ち好(す)かん 人(ひ)てけなっ |
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退院の 女房(かか)を迎(む)けめん 靴(く)ちゃ軽(か)るし |
有(あ)っ所(と)けな 振込(ふいこ)ん程(しこ)ん 金(ぜん)が有(あ)っ [吉岡道場] |
実(じ)ちゃ漫画 じゃって蔵書ち 吐(か)やし自慢(ぎら) [石塚律子] |
中締めで 直(たっち)き下戸あ ひん帰(もど)っ [原田菊男] |
店員な 似合(にお)言(ちゅ)が止(や)めち 言(ゆ)う鏡(かがん) [萬福平次] |
二次会の 勘定(さんにょ)ん時(と)きな わが一人(ひとい) [日高山伏] |
冷(つん)て手を 息(い)く吹(ふ)っかけっ 股(ま)て挟(はす)ん [入来創雲] |
どしこでん 口(く)ちゃ挟(はす)んどん 出(だ)さん金(ぜん) [津留見一徹] |
け死(し)ん迄(はざ) 身強(みご)え除染ぬ させられっ [桑元行水] |
兄(あにょ)ん方(ほ)が お下(さ)がゆ着(き)ちょい 体格差(たいかっさ) [楠八重渓流] |
老夫婦(おんじょんぼ) 薬(くすい)の為い 飯(め)しゅば食(く)っ [西ノ園ひらり] |
手遅れい 無料(ただ)で新薬(しんや)く 試(ため)されっ [上村牛歩] |
言放題(ゆほで)言(ゆ)っ スカッちしたが 後悔(くけ)もしっ [永徳天真] |