中村雲海 |
生(い)かされっ 居(お)っち知(し)たんじ 多(う)け悪口(あっご) |
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夫婦(みと)暮らし 何(ない)かが足(た)らん 方(ほ)が気楽(きだっ) |
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好(す)っ勝手(がっ)て 振舞(ふいめ)っ敵(てっ)が 多(う)こけなっ |
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熱中症(ねっちゅうしょ) そい託(かこ)つけた 仕事(しごっ)嫌(ぎ)れ |
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金持(ぜんも)っの 醜青年(ぶにせ)女性(おなご)い 苦労(くろ)をしっ |
有川南北 |
女模合(おなごもえ) 遊(あす)っ来(き)やいち 追出(うだ)されっ |
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空腹(すっばら)が 父親(ちゃん)の雷(かんな)い 輪(わ)をかけっ |
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欲(よっ)ごろ婆(ば) 使(つ)こもせんとに 呉(く)れきらじ |
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若(わ)け時(とっ)の 笑凹(えくぼ)今でな クレーター |
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待て言(ちゅ)てん 制止(き)かじ取(と)い食(く)ろ くずれ犬(いん) |
弓場正己 |
立ちションも 周囲(ぐる)ゆ気いせん 山登(のぼ)い |
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先(さ)き嫁が 上(あ)がっ亭主(とのじょ)が 靴(くっ)揃(そろ)え |
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若(わ)け医者は 古参看護師(かんご)し 下知(げ)つされっ |
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嫁ん味(あっ) 褒(ほ)むれば姑(しゅと)ん 顔(つら)が攣(つ)っ |
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大根足(でこんあし) 女房(かか)が我家ん 屋台骨 |
堂園三洋 |
キャッチャ言(ちゅ)う 商売(しょうば)や度々(はいと) 痛(い)て目遭(お)っ |
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腹ん虫(む)しゃ グーグ叫(おら)って 鈍(ぬ)り出前 |
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一度(いっど)二度 買(こ)えば上客(じょうきゃ)き 成(な)い上(あ)がっ |
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宿題(しゅくだ)ゆば 頭(びん)て冠(かん)めっ 浮(う)かん顔(つら) |
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今でしょが 流行(はや)い世の中(な)け 鈍(ぬ)り役所(やっしょ) |
永徳天真 |
悪口(あっご)をば 我(わが)も言(ゆ)うくせ 他人(ひ)てな叱(が)っ |
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昨晩(ゆべ)ん事(こ)ちゃ 覚えちゃおらん 酔漢(よくろんぼ) |
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女房(かか)は旅行(りょこ) 代(で)が有(あ)いカレゆ 準備(しこ)っ出(で)っ |
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迷(まよ)たどん 土産あ大(ふと)か 箱(は)け決(き)めっ |
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ど迷(まぐ)れっ 助手席(じょしゅせっ)の女房(か)け 八つ当(あ)たい |
樋口一風 |
反対ち 言(ゆ)きらじ心(ね)すい 棘(び)が刺(さ)さっ |
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褒(ほ)めかぎい 褒(ほ)めっぼえ子を 調子(ちょ)し乗(の)せっ |
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陣取った テレビん前で 舟を漕(け)っ |
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じゃんけんで チャンネル権な 婆(ば)が握(にぎ)っ |
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菜園の たった三坪(みつぼ)い 擾(こな)されっ |
天 |
部分塗装(とそ) 言(ちゅ)おそな婆(ばば)ん 手抜(てぬ)っ化粧(けしょ) [諸木小春] |
地 |
信用が 一番(いっ)じゃち手抜(てぬ)か せん老舗 [上薗佳笑] |
人 |
大雨(うあめ)なっ 手抜(てぬ)っが露見(ばれ)た 裏ん土堤(ずべ) [入来創雲] |
五客一席 |
点検の 手抜(てぬ)く咎(とが)むい 大惨事 [おんじょどい] |
五客二席 |
手抜(てぬ)くしっ 育(お)えたやんちゃが 親を看(み)っ [入来院彦六] |
五客三席 |
値切(こぎ)ったや 大工(でっ)も手抜(てぬ)っの 家(え)で返報(へんぽ) [江口紫朗] |
五客四席 |
あん時(とっ)の 手抜(てぬ)っが倍の 手間を食(く)っ [佐伯山神] |
五客五席 |
手抜(てぬ)きょしっ 育(お)えた子ん方(ほ)が 為いなっ [中囿和風] |
選者吟 |
日記どま 手抜(てぬ)き遊(あす)じょい 夏休(なっやす)ん |
横綱(東) |
○ |
血が甘(あ)めか 私(あたい)ばっかい 蚊が集(たか)っ [樋渡草団子] |
横綱(西) |
● |
血ん雨が 降(ふ)ろそな勢(いっ)の 犬(いん)と猫 [上山天洲] |
大関(東) |
● |
速(は)え血統(ちすっ) わくわくしちょい 運動会(うんどかい) [西ノ園ひらり] |
大関(西) |
○ |
飲(の)ん奴(ごろ)ん 献血(けんけ)ちゃ焼酎(しょちゅ)ん 臭(かざ)がしっ [弓場正巳] |
関脇(東) |
● |
インターン 手術(き)った血を見(み)っ 卒倒(うっと)けっ [入来創雲] |
関脇(西) |
○ |
通知表(つうちひょ)い 教育(きょういっ)ママあ 血が上(のぼ)っ [吉岡道場] |
小結(東) |
● |
頭(ず)の良(え)爺(じ)ん 良(よ)か血は俺(お)ゆば 飛(と)っ越(こ)えっ [諸木小春] |
小結(西) |
○ |
品(ひん)な無(ね)て 血筋(ちすっ)が良(え)言(ちゅ)て 鼻(は)ね掛(か)けっ [折田さくら] |
筆頭(東) |
○ |
献血車(けんけっ)しぇ 手招(てまね)くされた メタボ娘(おご) [西 幸子] |
筆頭(西) |
● |
役立(やった)たず 女房(かか)ん一言(ひとこ)ち 血が逆上(のぼ)っ [福冨野人] |
二枚目(東) |
○ |
一票に 血の通(か)よ政治 願(ね)ご選挙 [植村昭子] |
二枚目(西) |
● |
どしこ血を 流せば訪(く)いか 平和な世 [上薗佳笑] |
三枚目(東) |
● |
若(わ)け時(とっ)の 友人(どし)の血潮あ 戦争(ゆっ)せ散(ち)っ [畑山真竹] |
三枚目(西) |
○ |
甲子園 母校(ぼこ)ん試合で 血が滾(たぎ)っ [前村泰山] |
四枚目(東) |
● |
祖父(じ)が遺品(かたん) 血染めん日章旗(はた)い 風(か)ぜ通(と)えっ [有馬純秋] |
四枚目(西) |
○ |
指先(ゆっさっ)の 出血(しゅっけ)ち大男(うど)が とんくりっ [桑元行水] |
五枚目(東) |
● |
新焼酎(しんじょちゅ)ち 聞けば飲(の)ん平(べ)ん 血が騒(さわ)っ [おんじょどい] |
五枚目(西) |
○ |
濃(こい)か血じゃ 親父(おやっ)そんまま 息子(こ)は禿(は)げっ [萬福平次] |
六枚目(東) |
● |
血を分けた 親戚(しんじ)集(あつ)むい 出馬前 [日隈英坊] |
六枚目(西) |
○ |
血ん型が 合(お)わじ不倫の 児(こ)ち発覚(ばれ)っ [石野蟹篭] |
七枚目(東) |
● |
採血(さいけっ)の 新(に)か看護師を 婆(ば)は嫌(き)ろっ [佐伯山神] |
七枚目(西) |
○ |
女房(かか)を見(み)っ 直(いっ)き診断(みた)てた 血の病(やんめ) [入来院彦六] |
八枚目(東) |
● |
上戸(じょご)爺(じ)さん 血は争(あらそ)えん 孫も盃(ちょっ) [樋之口墨矢] |
八枚目(西) |
○ |
血を分けた 兄弟(きょで)が欲(よ)くでた 遺産分け [満吉満秀] |
親方吟(東) |
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血が騒(さわ)っ 汗と涙(なんだ)ん 甲子園 [伊地知 孝] |
親方吟(西) |
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大(ふ)て手術(しゅじゅ)ち 新米(しんめ)看護師(ナース)は うっ倒(と)けっ [満留ぐみ] |
森山敦子 |
気力(きこん)疲(だ)れ 砂糖(さと)んごろたで 活(か)つ入(い)れっ |
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修繕(こそくい)も 喧(せから)し音ん トタン屋根 |
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囲炉裏(ゆるい)縁(ぶ)ち ふくれっ転(こ)ろだ 焙(あぶ)い餅(もっ) |
安庭四郎兵 |
議会どま 空転(からまわ)ゆしちゃ 税(ぜ)ゆ食(く)ろっ |
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店屋物(てんやもん) 別々(べっべ)ち食(たも)い 倦怠期 |
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早(は)よ食(く)えち 湯気(ほけ)とめ配(くば)い 半夏生(はげ)ん団子(だご) |
柳田素浪人 |
大肚(ふとはら)ち 持(も)っちゃげられっ 財布(ふぞ)は空(から) |
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迷(まぐ)れ猫 血統(けっと)んシャムを 孕(はら)ませっ |
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曽我どんの 傘あ美濃かい 加勢(かせ)が来(き)っ |
可愛(むぞ)かった 八重歯が嫁(き)たや 牙(き)べ変(か)わっ [上薗佳笑] |
庭上(にわあ)がい コップが出(で)たや 冷(つん)て水(みっ) [中囿和風] |
安倍どんに 毒矢(どっや)じゃ無(ね)かち 聞(き)こごたっ [入来院彦六] |
偉(え)ろなれば 出費(だしめ)あ秘書が 始末(しま)つしっ [下本地郷二] |
湯煙(ゆけむい)が 晴(は)れっ驚(たま)げた 周囲(ぐる)や婆(ばば) [津留見一徹] |
服(ふ)か合(お)てん 値段が合(お)わん 試着室(しちゃっしつ) [樋口一風] |
坊主(ぼし)じゃれば 友人(どし)の見舞(みめ)いも 行(い)っ難(にく)し [福冨野人] |
もう一杯(いっぺ) 飲(の)まんな女房(か)けな 抗(む)こきらじ [吉岡道場] |
可哀相(むい)ねこっ 逝(い)た婆(ば)を始終(はいと) 爺(じ)あ探(さ)げっ [下栗志乃] |
玄関(ふんごん)に 着(ち)たや鬘(かつら)を スパッ取(と)っ [中村雲海] |
勘食(かんく)ろた 亭主(て)す騙(だま)けかて 切(せっ)ね看病(かびょ) [吉岡道場] |
開(あ)けたなあ 馬鹿ち書(け)ちょった 拾(ふ)るた財布(ふぞ) [米元年輪] |