中村雲海 |
知(し)たん衆(し)あ 要人物の 犠牲(ぎせ)いなっ |
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多(う)け買物(けもん) キャッシュカードあ またパンク |
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こら辛(の)さん 鳥獣害が 我家(わが)へ来(き)っ |
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百均(ひゃっきん)で 倹(つま)す繰(く)っちょい 安(や)し給料(きゅうりょ) |
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器用(きよ)貧乏(びんぶ) こん頃(ご)ら木かあ 落(お)て通(ど)えっ |
有川南北 |
辞めたとに 鳩は尖閣(せんか)き 口(く)つ挟(はす)ん |
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コラち言(ゆ)で 睨(にら)ん付(ち)けたや 巡査どん |
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朝帰(あさもど)い 猫撫で声で 戸を開(あ)けっ |
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歯欠(はか)げ婆(ばば) 蛸足(たこあ)す食(く)かて 顎が攣(つ)っ |
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西瓜割(わ)い つがんね方角(ほが)き 振(ふ)いかぶっ |
弓場正己 |
就(ち)た職(しょっ)も 性(しょ)いな合(お)わんち 最早(もへ)辞(や)めっ |
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年金日 機械にご礼(れ)を 言(ゆ)て下(お)れっ |
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時化ん海(う)み 後継(あとつ)ぐ仕込(しこ)ん 鰹船(かつおぶね) |
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疲(だ)れた時(と)か 学会ち名で 休(やす)ん医者 |
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来た手紙(てがん) 癖字い昔(むか)す 思(お)め出(だ)せっ |
堂園三洋 |
音痴いも おまけじゃろそな 鐘(かね)二(ふた)っ |
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継続は 力ち止めた 休肝日 |
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羊羹に そやばったいち 飲兵衛(のんべ)客(きゃっ) |
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女房(かか)も高齢(とし) 優先席(ゆうせんせっ)が 似合(にお)でけっ |
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ケセラセラ どげんかなろち 飲(の)ん歩(さ)れっ |
永徳天真 |
入道雲(たかたろ)い 負(ま)くいもんかち 桜島(しま)が噴(ひ)っ |
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好(す)っ好(す)っち 言(ゆ)どん誰(だい)でん 言(ゆ)ちょったろ |
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あっばっど 毎日(めにっ)ねちねち 叱(が)い課長 |
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ニュース婆(ばば) いしれん話(はな)す 撒(め)っ歩(さ)れっ |
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休(よ)く通(ど)えっ いっこ捌(さば)けん 日曜(にちよ)大工(でっ) |
樋口一風 |
初心な爺(じ)じゃ 美人(シャン)の秋波(いろめ)い 凄(わ)ぜ赤面(せけ)っ |
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浮気(うわっ)亭主(てし) 鶏冠(よぼ)しゃ女房(おかた)が 毟(むし)い切(き)っ |
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言訳(いわけ)しい とろいとろいの 午前様(ごぜんさあ) |
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里ん川(か)へ 鰻(うな)ぐ獲(と)っなち 厳(きび)し公告(ふれ) |
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ギャルせえな 丸(まっ)で応(こた)えん 婆(ば)ん説教(せっきょ) |
天 |
大漁で 港も忙(せわ)しゅ 活気ぢっ [米元年輪] |
地 |
忙(せわ)し言(ちゅ)で 訪(こと)っみったや 本人(ぬ)しゃ昼寝(ひんね) [上山天洲] |
人 |
忙(せわ)しごっ あった縁談(はなし)も 四十歳(しじゅ)で最後(しめ) [石塚律子] |
五客一席 |
祝(ゆえ)弔(とむ)れ 義理張(ぎいは)い忙(せわ)し 諭吉様(ゆきっさあ) [諸木小春] |
五客二席 |
退職(やめ)てかあ かえっちゃ忙(せわ)し 女房(かか)ん下知(げっ) [萬福平次] |
五客三席 |
忙(せわ)し妻(かか) 俺(お)やまだ食(く)とい 洗(あ)りでけっ [楠八重渓流] |
五客四席 |
忙(せわ)しどん 一向(いっこ)溜(た)まらん 呆(ぼ)え通帳(つうちょ) [津留見一徹] |
五客五席 |
忙(せわ)し時(と)き 饒舌家(ぎたれ)が訪(こと)っ 帰(もど)やせじ [日隈英坊] |
選者吟 |
嫁(き)て三月(みつっ) 孫は未(ま)だかち 忙(せわ)し両親(おや) |
横綱(東) |
○ |
娑婆い出(で)っ やっと解った 親愛情(おやぼんの) [新地十意] |
横綱(西) |
● |
初孫(はっまご)が 娑婆ん情けを 独(ひと)い占(じ)め [福冨野人] |
大関(東) |
● |
健(さか)し態(ふ)で 大(ふ)て産声で 娑婆い出(で)っ [入来創雲] |
大関(西) |
○ |
妻(かか)が郷句(く)で 娑婆い広めた 俺(おい)が欠点(あら) [中囿和風] |
関脇(東) |
○ |
出世欲(しゅっせよ)く 消(け)せたや娑婆が 見(み)えっ来(き)っ [おんじょどい] |
関脇(西) |
● |
増(いみ)い税 爺婆(じば)ん暮らしにゃ 厳(いみ)し娑婆 [花園ちづ] |
小結(東) |
● |
辛(つ)れ娑婆も 笑(わ)れでひっ飛(つ)だ 敬老(けいろ)ん日 [西 幸子] |
小結(西) |
○ |
張(は)い切って 職(しょ)きな就(ち)たどん 冷(つん)て娑婆 [弓場正巳] |
筆頭(東) |
● |
湯治(と)じ浸(つか)っ 良(よ)か娑婆じゃっち 目を瞑(つぶ)っ [北村虎王] |
筆頭(西) |
○ |
温室(おんしっ)で 育った子いな 厳(いみ)し娑婆 [上山天洲] |
二枚目(東) |
● |
長(な)げ入院(にゅいん) 娑婆ん空気ん 恋(こい)し事(こっ) [諸木小春] |
二枚目(西) |
○ |
二度と来(こ)ん 娑婆じゃも少(ちっ)と 居(お)ろち婆(ばあ) [萬福平次] |
三枚目(東) |
● |
車(くいま)娑婆 便利ん中(な)けな 隠れ事故 [樋之口墨矢] |
三枚目(西) |
○ |
娑婆ん事(こ)ちゃ 俺(おい)せえ聞けち 万年暦(まんにょん)爺(じ) [原田菊男] |
四枚目(東) |
● |
夫源病(ふげんびょ)ち 妙(す)だ病(びょ)が娑婆い 流行(はや)い出(で)っ [石塚律子] |
四枚目(西) |
○ |
娑婆暮らしゃ 愛より金(ぜん)ち 言出(ゆで)た女房(かか) [津留見一徹] |
五枚目(東) |
○ |
娑婆ん風(か)ぜ 構(か)めなし婆(ばば)は マイペース [樋渡草団子] |
五枚目(西) |
● |
飲めば娑婆 家計簿なんだ 気も掛(か)けじ [石野蟹篭] |
六枚目(東) |
● |
良(よ)か娑婆じゃ 違(ち)ごた御馳走(ごっそ)を 毎日(めにっ)食(く)っ [佐伯山神] |
六枚目(西) |
○ |
年金ぬ 良(よ)か娑婆なあち 拝(おが)ん婆(ばば) [白澤黒猫] |
七枚目(東) |
○ |
軍隊(ぐんた)ゆば 復活すそな 心配(せわ)な娑婆 [澤津乙名] |
七枚目(西) |
● |
少(すっ)のなっ 鰻(うなっ)も気安(きや)す 食(く)えん娑婆 [米元年輪] |
八枚目(東) |
● |
高齢(とし)家族(げね)を 容易(めや)す狙(ね)ろちょい 不況(ふきょ)ん娑婆 [畑山真竹] |
八枚目(西) |
○ |
良(よ)か娑婆ち 湯上(ゆあ)がい一杯(いっぺ) ぐつっ飲(や)っ [桜井吹雪] |
親方吟(東) |
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娑婆ん風 五体(ごて)い受け受け 生(い)きい抜(ぬ)っ [満留ぐみ] |
親方吟(西) |
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戦争(いっさ)どま 無(な)か娑婆(しゃ)べ暮(く)れっ 運(ふ)の良(え)こっ [伊地知 孝] |
又木菖福 |
そいじゃまた 言(ちゅ)てかい語(かた)い 長話 |
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一人娘(ひといご)ん 白無垢(しろむっ)姿(すが)て 夫婦(みと)は泣(ね)っ |
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夏休(なっやす)ん 麦藁(むっがら)帽子(ぼし)が 蜻蛉(ばぶちゃ)捕(と)い |
松下純哉 |
気強(きづ)え女房(かか) 産気(うんい)きしれっ 冗談(わや)く言(ゆ)っ |
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でけた女房(かか) 能(ぬ)の無(ね)亭主(とと)でん 奉(たてまつ)っ |
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育児(こおや)しな 拳骨(とっこ)も食(か)すい 女(おなご)世帯(じょて) |
松田一雄 |
盆栽も 瘤(こっ)の格好(かっこ)が 値を決(き)めっ |
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靡(なび)こそな 匂(かざ)がすっどん 落(お)てんママ |
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赤提灯(あかぢょちん) 素通(すど)やでけん 匂(かざ)がしっ |
丸目苦土 |
歌(う)て回(まわ)し 猿(よも)ん真似どん して逃(に)げっ |
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何(ない)が心配(せわ) 言(つ)てん後継者(あとと)い 嫁(き)てが無(の)し |
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無理(む)ゆしたか させたか女房(かか)ん 歩(あゆ)ん格好(がめ) |
蓑手みの虫 |
粗方(あらかた)ん 造作(ぞさ)か以前(まえ)よか 雨が漏(も)っ |
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借(か)った限(ぎ)い 目顔(めつら)もみせん 横道(おど)な奴(わろ) |
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印鑑(はん)ぐれで 役所(やっしょ)あ半日(ひなか) きしつねっ |
村田子羊 |
月給(げっきゅ)せか やれば亭主(とのじょ)い 用事(ゆ)じゃね言(ちゅ)っ |
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ど暑(ぬ)っさい 刺身(さしん)もぬった ぬったしっ |
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オール婆(ばば) 期待外れん 露天風呂 |
村田 勝 |
紙(かん)一枚(いっめ) 印鑑(はんこ)を押(お)せっ 離婚(わかれ)かた |
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立秋ち 言(ゆ)どん寝苦(ねぐる)し こん暑(ぬっ)さ |
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スーパーで 買(こ)た煮染(にし)めをば やれ褒(ほ)めっ |
村野兵六 |
社長様(しゃちょさあ)も 帰(もど)れば孫ん 馬(うん)めなっ |
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新人な 毎晩(めばん)社訓の 大(ふ)て寝言(ねごっ) |
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安(や)し品も 着手(きて)が良(よ)かれば 高価(た)こ見(み)えっ |
室田珍竹林 |
六月灯(ろっがっど) ガス灯(と)ん匂(かざ)を 思(お)め出(だ)せっ |
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禿は得(とっ) 似たような年令(とし)が 席(せ)く空(あ)けっ |
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包(つつ)ませっ がっつい恥(げん)ね 桁間違(まっげ) |
森豊鹿郎 |
医者(い)しぇ行(い)こち 言(ゆ)えばち治(ゆな)い 子ん病気(やんめ) |
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誤字ん絵馬(え)め 神(かん)も苦笑(にがわ)れ 受け付(つ)けっ |
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地獄(じごっ)耳(みん) ネタを仕入(しい)れちゃ 触(ふ)れまわっ |
番犬も 見知(みし)っ尾を振(ふ)い 散歩道(さんぽみっ) [工藤天然] |
買(こ)どこいか 小(ちん)け難儀も 呉(く)るごちゃっ [石野蟹篭] |
飛車と角(か)く 抱(で)た侭(ない)負けた 涼(すず)ん台 [上薗佳笑] |
忙(せわ)し言(ちゅ)が 忙(せわ)した口(くっ)で 身体(ごて)は暇 [原田菊男] |
忙(せわ)し娑婆 のんびいすれば うっちょかれ [鎌田小町] |
笑(わ)るちょいが 落(お)てたも知(し)たじ 選挙ビラ [上原治男] |
目が肥えた 今ならこげな 亭主(て)しな来(こ)じ [長瀬慶子] |
黄砂奴(わろ) 日本列島(れっと)で 旅(た)ぶ終(お)えっ [上薗佳笑] |
若(わ)け娘(おご)ん 素面にゃ勝(か)てん 厚化粧(あっげしょう) [江口紫朗] |
亭主(とと)が先(さ)き 逝(い)っち決め込(く)だ 将来(さっ)の計画(ぐん) [諸木小春] |
耳(みん)だけは 形(かた)ちゃ変わらん 肥満(だんべ)女房(かか) [工藤天然] |