中村雲海 |
我流(わがりゅう)が 通(とお)らん会議 拗(す)ねでけっ |
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ペチャパイち 笑(わる)わるっどん 身軽(みが)りこっ |
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いざ言(つ)時(と)き いっも風邪引(かぜひ)っ 暇な奴(わろ) |
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安月給(やすげっきゅ) くっつくっつで 丸(ま)る暮(く)れっ |
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早(は)よ嫁(い)けち 言(ゆ)どん色気い 縁(えん)が無(の)し |
有川南北 |
晩酌(だいやめ)が 今夜も美味(うん)め 強(つ)え巨人 |
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改憲ち 右(み)ぎ寄(よ)い過ぎた 態(ふ)の総理 |
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化粧(ぬ)っ居(ちょ)らな 真正面(まっぽ)し女房(かか)あ 見(み)やならじ |
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蕎麦殻(そまがら)が 毎朝(めあさ)落(ちゃ)れちょい ボロ枕 |
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昼寝(ひんね)妻(かか) ブラジャは背中(せな)け 瘤(こっ)のごっ |
弓場正己 |
日焼け止め 塗れば顔(つら)どま 斑(まだ)れなっ |
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蒸暑(ほめ)っ晩 縁側(えんが)へ爺(じじ)は 褌(へこ)で寝(ね)っ |
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こん暑(ぬっ)せ 巻付(めち)っ亭主(とのじょ)を 足で蹴(け)っ |
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夏(なっ)の浜(は)め ピチピチを見(み)け 今日(きゅ)も出張(でば)っ |
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胸と尻(し)や 残(の)けっ赤(あ)こ焼(え)た 夏(なっ)の浜 |
堂園三洋 |
勢(いきおい)ち 出世をすそな 名の力士 |
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コンピューて 将棋んプロが さで負(ま)けっ |
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薄(う)し髪(かん)に がっつい心配(せわ)な 紫外線 |
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稀(まれ)けんな 膨(ふく)れた財布(ふぞ)を 持(も)とごたっ |
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短(みし)け足 こいで女性(おなご)い きし持(も)てじ |
永徳天真 |
面倒(めんで)くせ 言(ちゅ)わん日は無(な)か 不精者(ふゆしごろ) |
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叱(が)い飼主(けね)しょ またかち犬(いん)な 見(み)いもせじ |
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毛髪(け)は薄(う)して 爪と鼻毛は やれ伸(の)びっ |
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惜(あった)れち 温(ぬっ)め温(ぬっ)めで 辛(か)れ味噌汁(おっけ) |
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卑(いや)し兄弟(きょで) 皿んケーキを 比(くら)べ方(かた) |
樋口一風 |
揉め事(ごっ)の 種をば提(さ)げっ 里帰(さともど)い |
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予報(よほ)通(どお)い やっぱい歯痒(はが)い 雨いなっ |
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小言(ぐぜご)つば 肴(しお)けしながあ 社長(しゃちょ)と飲(の)ん |
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年金が 出たなあ財布(ふぞ)も 生(い)っ上(きゃ)がっ |
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電池切れ じゃろで八時にゃ 爺(じ)はけ寝(ね)っ |
天 |
レンタルん 袴(はか)めブーツで 娘(こ)は卒業(そっぎょ) [今井夢紫] |
地 |
伸(ぬ)っ盛(ざか)い 靴(く)ちゃ一月(ひとつっ)で 小(こ)むけなっ [山路野菊] |
人 |
良(よ)か靴(くっ)が ボロ靴(ぐ)ち化けた 風呂帰(もど)い [江口紫朗] |
五客一席 |
横(よん)ご亭主(とと) 靴(くっ)も片減(かたべ)い ひんなけっ [おんじょどい] |
五客二席 |
玄関(ふんごん)な 家族中(けねじゅ)ん靴(くっ)が 跳(は)ねかえっ [植村昭子] |
五客三席 |
都会(まっ)の婿 皮靴(かわぐっ)の儘(ない) 農業(さっ)の加勢(かせ) [大西学老] |
五客四席 |
退職(や)む い朝 ご苦労様(くろさあ)ねち 靴(く)ちもご礼(れ) [上池酔人] |
五客五席 |
間違(まっ)ご人(て)も 無(ね)よな靴(く)つ履(ふ)ん 飲(の)み行(い)たっ [石塚律子] |
選者吟 |
毒蛇(ハブ)恐(こわ)せ 雨靴(あまぐ)ち変えた 島ぐらし |
横綱(東) |
● |
小切手を 挟(はす)だ雑誌を 屑(ぼろ)い出(で)っ [入来創雲] |
横綱(西) |
○ |
ラブレター ニッ笑(わ)るてかあ 切手貼(は)い [折田さくら] |
大関(東) |
● |
爺(じ)が舐めた 切手を孫も 舐(な)むち騒動(そど) [北村虎王] |
大関(西) |
○ |
少(ち)す紅(べん)が 端(は)し付(ち)た切手 宝(たか)れしっ [中間紫麓] |
関脇(東) |
○ |
切手をば 逆(さか)しめ貼った 絶交状(みっぎいじょ) [山元自在鉤] |
関脇(西) |
● |
印刷(いんさっ)の ミスん切手が 二億(にお)き成(な)っ [湯田青秋] |
小結(東) |
● |
就活(しゅうかっ)の 願書ん切手 買溜(けだ)めしっ [有馬純秋] |
小結(西) |
○ |
郷句(きょうく)相撲(ずも) 今度(こん)だ載(の)れよち 貼(は)い切手 [萬福平次] |
筆頭(東) |
○ |
切手どが 八十円で 安(やす)か旅(たっ) [西ノ園ひらり] |
筆頭(西) |
● |
下手な文 派手な切手で 気を引(そび)っ [桑元行水] |
二枚目(東) |
● |
綿々と 恋(こ)ゆ手紙(てが)みしっ 貼(は)い切手 [植村昭子] |
二枚目(西) |
○ |
切手ずい 入れたて返信(そ)の無(ね) ラブレター [津留見一徹] |
三枚目(東) |
● |
慌て者(もん) 切手も貼(は)らじ ラブレター [日隈英坊] |
三枚目(西) |
○ |
付け文(ぶん)に 切手を貼(は)らん 返事(へし)が来(き)っ [中囿和風] |
四枚目(東) |
● |
五十円(ごじゅえん)の 切手で当てた 洗濯機(せんたっき) [石塚律子] |
四枚目(西) |
○ |
貼(は)い忘れ ポスて投(な)ん込(く)で 思(お)め出(だ)せっ [楠八重渓流] |
五枚目(東) |
● |
役(や)く終えた 記念切手が また役目(やっめ) [諸木小春] |
五枚目(西) |
○ |
返事(へ)ずくれち 切手も入(い)れっ ラブレター [福冨野人] |
六枚目(東) |
● |
まぼろしの 古(ふる)か切手が 凄(わ)ぜ高値 [おんじょどい] |
六枚目(西) |
○ |
懸賞(けんしょ)好(ず)っ 切手ん代金(こい)も 馬鹿(ば)けならじ [米元年輪] |
七枚目(東) |
● |
念が入(い)っ ベタベタ舐(な)むい 切手貼(は)い [新地十意] |
七枚目(西) |
○ |
呆(ぼや)し女房(かか) 記念切手を 貼(は)っ出(だ)せっ [江口紫朗] |
八枚目(東) |
○ |
消印ぬ 逃(のが)れた切手 剥(へ)っ使(つ)こっ [澤津乙名] |
八枚目(西) |
● |
切手ちゅを 貼(は)っちゃどこそけ 情(じょ)を繋(つ)ねっ [前田 蛍] |
親方吟(東) |
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古(ふ)り切手 送(おく)っちょボラい 精励(はま)い亭主(とと) [満留ぐみ] |
親方吟(西) |
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亭主(とと)ん運(うん) 切手シートも よいなこっ [伊地知 孝] |
次(つっ)の世で 会(お)がち涙(なんだ)で 読(よ)ん弔辞 [おんじょどい] |
眠(ね)せんめち 助手席(じょしゅせ)かまこち 喋(しゃべ)っこっ [工藤天然] |
点滴(てんてっ)の 雫(しず)か焼酎(そつ)どみ 見(み)えっきっ [日隈英坊] |
異議無しち さくらが叫(おら)っ 郷中(ごじゅ)ん集会(よい) [江口紫朗] |
立(た)っ止(ど)まっ 嗅(かず)ん帰(もど)った 土用(どよ)鰻(うなっ) [福冨野人] |
自分(わ)が鼾(いびっ) じゃっとい女房(かか)は 俺(お)よ叱(く)るっ [萬福平次] |
威張(いば)ってん 肩書(かたが)くとれば 只(ただ)ん人 [小野田凡太] |
草野球 犬(いん)ずい球(たま)を 追(う)て走(はし)っ [黒岩正道] |
横(よん)ご爺(じ)も 頭(びんた)ぶんな 丸(ま)る禿(は)げっ [下本地郷二] |
管巻(じじら)亭主(て)し ご似合(にえ)ち食(くゎ)せた 期限切れ [北村虎王] |
二度目かあ 彼女が誘(さそ)た ラブホテル [中村雲海] |
無礼講(ぶれいこ)で 偶(まねけ)ん部下ん ガスを抜(に)っ [樋口一風] |
大根足(でこんあ)す 着物(いしょ)で包めば 品(ひん)が出(で)っ [稲田切株] |
週六日(むいか) 女房(かか)が躾けた 洗(あ)れやんめ [入来院彦六] |