中村雲海 |
弱々(よと)し五体(ごて) 手抜(てぬ)っじゃ無(ね)どん 墓(は)け造花 |
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打(う)っ解(と)けっ みたどん此(こ)ん奴(た) 見難(みご)え奴(わろ) |
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本心ぬ 聞(き)たなあそいも 演技じゃっ |
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美人(シャン)振(ぶ)って 思い上(あ)がいが 鼻(は)ね掛(か)けっ |
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温和(な)ち孫が 一人前(ひといま)へなっ 爺(じ)い土産 |
有川南北 |
多(う)か政党(せいと) 俺(おい)が一票(いっぴょ)い 十二人 |
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人数(に)ず減らせ 言(ちゅ)どん沢山(ずんばい) 出馬(で)い選挙 |
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こん師走(しわ)し 選挙事務所ん くそ電話 |
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育(ぬ)っ盛(ざか)い 御節(おせ)ちゃ一度(いっど)で ペラッなっ |
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可哀相(ぐら)し姉 施設(しせっ)で侘(わび)す わらべ唄 |
弓場正己 |
来た嫁は 顔(つら)は良(よ)かどん 棘(とげ)があっ |
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新(に)けトイレ シャワーを婆(ばば)は 顔(つ)れ被(かぶ)っ |
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当選(あが)ったや 先生言(ちゅ)わな 返事(へし)もせじ |
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咬んだガム 入れ歯を全部(ずるっ) 引張(そび)っ出(で)っ |
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爺(じ)が優(やさ)しゅ なれば家族中(けねじゅ)が 心配(せわ)をえっ |
堂園三洋 |
大嫌い 内心(ねしゅ)と逆(ぎゃ)く書(け)た ラブレター |
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親子して 輝(ひか)い競(ぐら)ごん 禿ん血統(すっ) |
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顔(つら)よっか 心根(ねしゅ)で娶(も)ろたで 長(な)ご続(つ)じっ |
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少(ちっ)とどま 威張(いば)れち内気(いめ)な 亭主(とと)を叱(が)っ |
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飲兵衛(のんべ)じゃろ 菓子屋を尋(き)たが 知(し)っちょらじ |
永徳天真 |
山形屋(やまがた)へ 行(い)っとかピシャッ 一張羅(いっちゃびら) |
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朝帰(あさもど)い ばればれん嘘(う)せ あぐっちぇっ |
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句作(くづく)いで 脳(の)あまだ元気 あいごちゃっ |
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叱(が)いたくい 女房(かか)もドラマを 見(み)っ涙(なんだ) |
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ちょっ待てち いっこ進(すす)まん へぼ将棋 |
樋口一風 |
天神も 飽(あ)っがくいしこ 頼(たの)まれっ |
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通(つう)ぶって ワインぬ咽(のど)で 遊(あす)ばせっ |
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邪魔(ま)じないけ 来たよな街(まっ)の 婿ん農業(さっ) |
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仲人(きもい)ゆば 話と違(ち)ごた 言(ちゅ)て責(せ)めっ |
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寒(さ)み晩な 省エネじゃっち 早(は)よけ寝(ね)っ |
天 |
出発(でた)っ孫(ま)げ 婆(ばば)ん愛情(ぼんの)ん 一袋(ひとひねい) [中間紫麓] |
地 |
涙目(なんだめ)ん 母(はほ)は愛情(ぼんの)で 児(こ)を叩(た)てっ [上山天洲] |
人 |
酔(よく)れ亭主(て)し 愛情(ぼんの)も冷めた 倦怠期 [入来創雲] |
五客一席 |
親方ん 愛情(ぼんの)ん竹刀(しな)い 堪(た)えっ横綱(つな) [石塚律子] |
五客二席 |
爺婆(じじばば)ん 愛情(ぼんの)が孫を 肥満(だん)べしっ [楠八重渓流] |
五客三席 |
味噌汁(みそしゅい)の 湯気(ほけ)も愛情(ぼんの)い 見(み)ゆい寒(かん) [津留見一徹] |
五客四席 |
大人(おせ)ん目が 愛情(ぼんの)で守(まも)い 地域(ちいっ)の子 [諸木小春] |
五客五席 |
旬(しゅん)の匂(かざ) 母親(はほ)ん愛情(ぼんの)が また届(と)じっ [市来流星] |
選者吟 |
女房(かか)も老齢(とし) 猫い愛情(ぼんの)が はっ行(ち)たっ |
横綱(東) |
○ |
勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ 野球で食(く)でち 大(ふと)か夢 [西 幸子] |
横綱(西) |
● |
美人(シャン)じゃれば 勉強(べんきょ)した上(う)へ まだ値引(まけ)っ [上薗佳笑] |
大関(東) |
○ |
突(つ)っ張(ぱ)いが やっと目覚(めざ)めっ 行(い)っ夜学(やがっ) [澤津乙名] |
大関(西) |
● |
勉強(べんきょ)をば せえち一時(いっとっ) 間無(まな)し言(ゆ)っ [埀野剣付鶏] |
関脇(東) |
● |
ランドセル 投(な)げちゃ外(そ)て出(で)い 勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ [山元自在鉤] |
関脇(西) |
○ |
父(ちゃん)の如(ご)っ なってん良(よ)かち 勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ [石野蟹篭] |
小結(東) |
○ |
習(なら)いたて 九九ん勉強(べんきょ)で 寝言(ねご)つ言(ゆ)っ [新地十意] |
小結(西) |
● |
勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ 本にな埃(ほこ)ゆ 着(き)せたくっ [上山天洲] |
筆頭(東) |
● |
勉強(べんきょ)せか しちょれば父(ちゃん)の 機嫌(ごっ)が良(ゆ)し [福山吉連] |
筆頭(西) |
○ |
ネオン街(が)い 社会勉強(べんきょ)を しけ出張(でば)っ [福冨野人] |
二枚目(東) |
● |
三才児(みっつご)が 勉強(べんきょ)ち本ぬ 逆(さか)せ見(み)っ [諸木小春] |
二枚目(西) |
○ |
勉強(べんきょ)部屋 何(ない)の勉強(べんきょ)か 鍵(か)ぐかけっ [今井夢紫] |
三枚目(東) |
○ |
郷句(く)ん勉強(べんきょ) 眠(ね)っちょい脳を 覚(おず)ませっ [日隈英坊] |
三枚目(西) |
● |
焼酎(しょちゅ)飲(の)んも 社会勉強(べんきょ)ち 亭主(て)しゃ出張(でば)っ [上山天洲] |
四枚目(東) |
● |
教育(きょいっ)ママ 勉強(べんきょ)勉強(べんきょ)ち 子はのさじ [佐伯山神] |
四枚目(西) |
○ |
仕入れ値あ 言(ゆ)わじ勉強(べんきょ)ち 少(ち)す値引(まけ)っ [石野蟹篭] |
五枚目(東) |
● |
勉強(べんきょ)真似 夜食い隠(か)きた 漫画本 [入来創雲] |
五枚目(西) |
○ |
休講ち 聞(き)たややったち 勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ [有馬湧声] |
六枚目(東) |
● |
句作(くづく)いが 一生(いっで)ん勉強(べんきょ) 今日(きゅ)も精励(はま)っ [満留ぐみ] |
六枚目(西) |
○ |
ふられ青年(にせ) こいも勉強(べんきょ)ち 思(お)め直(な)えっ [今井夢紫] |
七枚目(東) |
● |
経済の 勉強(べんきょ)ち女房(かか)あ 今日(きゅ)もチラシ [西ノ園ひらり] |
七枚目(西) |
○ |
どした事(こっ) 俺(おい)が子にしちゃ 勉強(べんきょ)好(ず)っ [津留見一徹] |
八枚目(東) |
○ |
ゲーム中(ちゅ)ん 孫あ只今(ただいま) 勉強中(べんきょちゅう) [伊地知 孝] |
八枚目(西) |
● |
冷(ひ)やかしが 勉強(べんきょ)をすれば 買(こ)ち吐(か)えっ [上薗佳笑] |
親方吟(東) |
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答弁に 俄(にわ)か勉強(べんきょ)が 打(う)っ詰(づ)まっ [吉岡道場] |
親方吟(西) |
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五割引(ごわいび)く まだも勉強(べんきょ)を せえち婆(ばば) [石塚律子] |
届け出(で)っ 帰(もど)や未練の 厚(あつ)か財布(ふぞ) [工藤天然] |
今更い うっ捨(せ)もならん 亭主(て)し我慢(きば)っ [石塚律子] |
外は雪(ゆっ) テレビと語(かた)い 一日中(ひのひして) [花園ちづ] |
親愛情(おやぼんの) 看(み)い嫁よっか 来(こ)ん我(わ)が娘(こ) [中囿和風] |
泥棒(ぬすと)猫 庭箒(にわぼ)き地面(じだ)を 叩(たた)かせっ [鐘ケ江左利] |
携帯(ケータ)ゆば 持(も)っ亭主(とと)い下知(げ)つ し易(や)すなっ [白澤黒猫] |
婆(ば)の手拭(ちょのげ) 顔(つら)も拭ぐえば 洟(はな)も拭(と)っ [中間紫麓] |
羽振(はぶ)いの良(え) 客(きゃ)きな上擦(うわず)い 女将(ママ)ん声 [津留見一徹] |
少(ちっ)とずっ 素抜(すに)けば発覚(ばれ)ん 女房(かか)ん財布(ふぞ) [石野蟹篭] |
昔(むか)しゃラブ 今は介護で 手を握(にぎ)っ [満吉満秀] |
倦怠期 当てつけい買(こ)た 抱(だ)っ枕 [おんじょどい] |
半分な 触(かか)い賃(ちん)じゃろ バーん請求(つけ) [堂園三洋] |
宴会(のんか)てな 下戸で音痴あ 隅(す)み曲(ま)がっ [樋口一風] |
もう一杯(いっぺ) 飲(の)まんな女房(か)けな 抗(む)こきらじ [吉岡道場] |
目覚(めざま)しゅば 黙(だま)らせてかい 一眠(ひとねぶ)い [澤津乙名] |
服(ふ)か合(お)てん 値段が合(お)わん 試着室(しちゃっしつ) [樋口一風] |
赤(あ)け糸が 長(な)ご経(た)っうちな 鎖(くさ)いなっ [満留ぐみ] |
理想(りそう)とな 違(ち)ごたがこいも 我(わ)が暮らし [福岡放電] |
坊主(ぼし)じゃれば 友人(どし)の見舞(みめ)いも 行(い)っ難(にく)し [福冨野人] |
欲(よ)か言(ゆ)まい 一緒(ひと)ち泣(ね)っ笑(わ)る 亭主(とと)が居(お)っ [樋渡草団子] |