おんじょどいの小屋

薩摩郷句誌「渋柿」

第700号

雑吟     永徳天真選

一番槍 上手(じょし)な女将(ママ) 爺(じ)さんぬ全部(ずるっ) 社長(しゃちょ)いしっ [白澤黒猫]
二番槍 ラジオどん 大(ふ)つ大(ふ)つかけっ 一人(ひとい)住(ず)め [西ノ園ひらり]
三番槍 薮(やぼ)払(ば)れん 鎌い怒(はら)けた 足長蜂(いらさばっ) [津留見一徹]
四番槍 忙(せわ)し女房(かか) 総理を叱(く)るちゃ 亭主(て)しゅ叱(く)るっ [北村虎王]
五番槍 疲(だ)れた友(ど)しゅ 見舞(みめ)いも行(い)けん 歯痒(はが)い五体(ごて) [佐伯山神]
六番槍 祝(ゆえ)焼酎(じょちゅ)が 気持(きも)っ良(ゆ)五体(ごて)を 回(まわ)っ行(じ)っ [上山天洲]
七番槍 宝籤(たからく)し 諭吉(ゆき)つ射止(いと)めっ 今度(こん)だ億(おっ) [二見愚楽満]

渋柿集

中村雲海 達筆(たっぴっ)の 遺伝子子いな 伝(つた)わらじ
言難(ゆに)き事(こ)つ 大将(おしょ)振(ぶ)っ吐(か)やす 背禿爺(せなはげじ)
小(ちん)け肚(はら) 大声(うごえ)を出(だ)せっ 威嚇(いか)くしっ
神(かん)の手が させた手術(しゅじゅっ)で 命(いのっ)拾(び)れ
炊(た)っ立(た)てん 新米(しんめ)ん匂(かざ)い 苦労(くろ)も飛(つ)っ
有川南北 盆の疲(だ)れ 墓掃除(はかこしたえ)も ままならじ
埒(らっ)も無(な)か 与野党(よやと)に募(つの)い 阿呆らしさ
弱腰の 尖閣(せんかっ)騒動(そど)い 腹が立(た)っ
罰金も取(と)らじ 小癪(こしゃっ)な奴(と)を 送還(も)でっ
チビ玉ん 可愛(む)ぜ芸(げ)い婆(ばば)が 包(つつ)だ祝儀(はな)
弓場正己 我(わ)が家(や)いも 活断層(かっだんそう)が 牙を研(て)っ
尖閣(せんかっ)じゃ 足(た)らじ琉球(りゅうきゅ)を 盗(と)ろ言出(ちゅで)っ
病名が 付(ち)たや落(お)て着(ち)っ 飲(の)ん直(な)えっ
札(さ)つ入(い)れっ 釣(つ)ゆばやれ言(ちゅ)た 募金箱
営業を 辞(や)めたや人と 会(お)ごちゃ無(の)し
堂園三洋 新米(にかごめ)は 呆(ぼ)え副食物(おかず)でん ずうず減(へ)っ
登山道(とざんど)い 花が咲(せ)たよな 山ガール
都会(よそ)ん孫 大人(おせ)ん声(こ)へなっ 帰(もど)っ来(き)っ
胃拡張(いかくちょ)が 出番ち励(はま)い バイキング
本棚(ほんだ)ねな 用事(ゆ)じゃ無(ね)が欲(ほ)しか 焼酎(しょちゅ)ん棚
永徳天真 其処ずいち 出たが何処(ど)け行(い)た 鉄砲玉(てっぽだま)
雨も良(よ)か 大接近の 相合傘(あいえがさ)
覚えが無(ね) 言(ちゅ)われっ寂(さび)し 同窓会(どうそかい)
気分良(ゆ)う 晩酌(だいやめ)じゃて 金(ぜん)の事(こっ)
買(こ)た箒(ほっ)で すいすい楽(たの)し 庭掃(にわはわ)っ
樋口一風 夫婦(みと)喧嘩 兵糧攻めで 亭主(て)しゃ陥落(おて)っ
カーナビい 逆(さか)ろっ運転(まく)い へそ曲(まが)い
露天風呂(ぶ)れ 極楽(ごくらっ)言(ちゅ)そな 顔(つら)が浮(う)っ
気いせんち 言(ゆ)どん薬(くす)ゆば 頭(びん)て塗(ぬ)っ
世話人も 七十歳(ななじゅ)を過ぎた 敬老会(けいろかい)

山椒集 題「肌(はだ)」     有川南北選

若(わ)け肌を うっ出(だ)せかぎい 夏(なっ)のギャル [樋口一風]
つるっつる 本当(まこ)っ青年(にせ)かよ 美事(みご)て肌 [諸木小春]
透け透けん 肌着を睨(ねぎ)い 亭主(て)す抓(つま)ん [入来創雲]
五客一席 若(わ)け肌ち 婆(ばば)いビキニを 売(う)いつけっ [中囿和風]
五客二席 温泉(おゆ)上(あ)がい 搗(つ)ったて餅(もっ)の よな素肌 [今井夢紫]
五客三席 餅肌(もっはだ)も 家(やど)ん女房(かか)んた 粟ん餅(もっ) [郷田悠々]
五客四席 餅肌(もっはだ)も 年(と)す重(かさ)ぬれば 梅干し婆(ば) [樋之口墨矢]
五客五席 土石流(どせっりゅ)が 美事(みご)て山肌(やまは)で 傷(き)ず残(の)けっ [米元年輪]
選者吟 脚(あし)の長(な)げ 美事(みご)て若(わ)け肌(は)で グラッきっ

龍虎集 「時事吟」     堂園三洋選

支持率(しじりっ)が 下がれば直(いっ)き 島(し)め上陸(あが)っ [伊地知 孝]
わっざれか 銃口(じゅうこ)ん先(さっ)で 取材中 [前田 蛍]
平和ち良(え) メダルパレーで 五十万人(ごじゅうまん) [佐伯山神]
四天王一席 ひょっすれば 拉致ん夜明けか 大(ふ)て期待 [西ノ園ひらり]
四天王二席 卓球の 小(ちん)けガッツい 目が腫(は)れっ [湯田青秋]
四天王三席 沖縄を ダブル台風(うかぜ)が 揉(も)んたくっ [満留ぐみ]
四天王四席 汚染土い 大隅半島(はんと) 揺(ゆ)れ出(だ)せっ [樋口一風]
選者吟 ムネリンな イチロが逃(に)げっ 寂(さび)しかろ

郷句相撲 題「払(は)る」

横綱(東) 払(は)る終(と)った 頃(こ)れな我(わ)が家(え)あ また造作(ぞさっ) [伊地知 孝]
横綱(西) 此処たいち 草を払(は)るわにゃ 見(み)えん野菜(やせ) [今井夢紫]
大関(東) 蒸暑(ほめ)っ晩 やぜろし亭主(てし)の 手を払(は)るっ [入来創雲]
大関(西) 奢(おご)ったて さいもが払(は)るち 故郷(さと)ん友達(どし) [湯田青秋]
関脇(東) 黄金波(こがねなん) 朝露(あさち)を払(は)るっ 入(い)るい鎌 [郷田悠々]
関脇(西) 払(は)るた程(ひこ) 食(たも)ろち慌(せし)こ バイキング [満吉満秀]
小結(東) 鮨の代金(こい) 払(は)るたや財布(ふぞ)は 硬貨(どろ)一枚(いっめ) [満留ぐみ]
小結(西) 女将(ママ)ん酌(しゃ)く 久(な)ご振(ぶ)い貰(も)ろた 払(は)るた請求(つけ) [津留見一徹]
筆頭(東) 年末(ねんま)ちな 払(は)るで言(ちゅ)た奴(と)が ドロンしっ [山元自在鉤]
筆頭(西) 厄払(やっば)れん 焼酎(しょつ)で掛(うた)った 取締(といしま)い [石野蟹篭]
二枚目(東) 払(は)るわんて 税の使(つ)こ道(み)ち やれ吠(ほ)えっ [おんじょどい]
二枚目(西) 貰(も)れは無(の)し 払(は)るばっかいの 保険料 [桑元行水]
三枚目(東) こいでもか 何度払(は)るてん 繁茂(ほこ)い雑草(くさ) [樋渡草団子]
三枚目(西) 払(は)る終(と)らん ローンの最中(さな)け 事故車(じこ)しぇなっ [福原福多]
四枚目(東) 孫ん守(も)い 按摩ん賃(ちん)ぬ 払(は)るえ言(ちゅ)っ [西ノ園ひらり]
四枚目(西) 食(く)て飲んで 払(は)る時(と)きなれば 居(お)らん奴(わろ) [楠八重渓流]
五枚目(東) 食事代(しょくじだ)ゆ どしこ払(は)るたか 青年(にせ)が見合(みえ) [北村虎王]
五枚目(西) 今月(こんげっ)も 払(は)る事(こっ)が多(う)け 年金日 [折田さくら]
六枚目(東) 払(は)る前は 天引(てんび)きさるい 高齢者(としなもん) [佐伯山神]
六枚目(西) 他人(ひと)ん目も 構(か)めなし触(さわ)い 手を払(は)るっ [上薗佳笑]
七枚目(東) 田の神(かん)も 薮(やぼ)を払(は)るたや ニコッしっ [二見愚楽満]
七枚目(西) 定年(やめ)たなら あっとっ払(ば)れは 駄目(ぼっ)言(ちゅ)女将(ママ) [中囿和風]
八枚目(東) 結婚(といえ)祝(ゆえ) 板敷(いたしっ)払(ば)れで 盛(も)い上(あ)がっ [有馬純秋]
八枚目(西) 蜘蛛(こっ)の巣を 片手で払(は)るっ 石蕗(つわ)を採(と)っ[入来義徳]
親方吟(東) 高(た)け月謝 払(は)るた歌言(ちゅ)が 鐘一(ひと)っ [石塚律子]
親方吟(西) 払(は)る段(だん)に なって惜(てこ)なか 二次会費 [吉岡道場]

薩摩郷句作品集(薩摩狂句集「ほとくい」より抜粋)

堂園三洋 恋敵(こいがた)き 脚の長さで ひん負(ま)けっ
不安(せわ)不安(せわ)で カルテを覗(み)たが 読(よ)まならじ
退職(やめ)たなあ 裸踊(はだかおど)いも すい校長(こうちょ)
徳田白馬 でけた孫 俺(お)い似た素性(すじょ)ち 爺(じ)は吐(か)えっ
ジャンボ籤(く)じ 濡れ手で粟ん 夢を追(う)っ
一目惚(ひとめぼ)れ 一代(いっで)不作(ふさっ)ち 今じゃ後悔(くけ)
泊 光秀 禿ち字を 禿い聞(き)たなあ 叱(く)るわれっ
鯉幟(こいのぼ)や 尻尾(しいぼ)で屋根ん 灰(へ)を払(は)るっ
同窓会(どうそか)い 秘書が秘書が言(ちゅ) 成(な)い上(や)がい
富山竜士 惚れた娘(こ)ん 心を開(あ)くい 鍵(か)ぐ持(も)たじ
教育(きょいっ)ママ 新(に)け先生(せんせ)ゆば 手玉(てだ)め取(と)っ
イベントで すったい疲(だ)れた 村興し
長井春江 寺造作(てらぞさっ) 極楽(ごくら)きやっち 寄付が来(き)っ
牛(べぶ)ん市(いっ) 算盤(かんじょ)が合(お)わじ 引(ひ)て帰(もど)っ
写真撮(と)い そろいとブスん 傍(そば)い立(た)っ
中里飯語 下戸奴(げこわろ)が 隣(つっ)の飲(の)ん平(べ)ん 料理(じゅ)ゆ狙(ね)ろっ
慣(な)れっきっ 姑御(しゅとじょ)ん機嫌(ごっ)も 取(と)い習(な)るっ
当選(あが)ったや 俺(おい)よか上は 居(お)らん顔(つら)

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「素性(すじょ)」 上山天洲選

特選 立振舞(たっふる)め 梨園の素性(すじょ)が 零(こぼ)れでっ [諸木小春]
秀一 血統書 付(つ)っじゃちポチが 反(そ)い返(かえ)っ [上薗佳笑]
秀二 華族(かぞっ)出身(で)ち 威張(いば)いがそげな 顔(つら)じゃ無(の)し [満留ぐみ]
秀三 つん割(が)れた 後(あと)かあ素性(すじょ)を 悔(く)やん壺 [上籠若菜]
秀四 選挙前 素性(すじょ)ん分(わ)からん 焼酎(しょちゅ)が来(き)っ [堂園三洋]
秀五 我(わ)が素性(すじょ)を 貼って並(な)るじょい 肉パック [有馬二天]
軸吟 誰(だい)じゃろが 素性(すじょ)どま言(ゆ)わじ 屋台(やて)じゃ連(つ)れ

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「転婆(いなば)」 石塚律子選

特選 公園な 転婆(いなば)が引張(そび)っ 蛇(へ)び大騒動(うそど) [有馬二天]
秀一 嫁(よ)め行(い)たっ 一皮剥(む)けっ きた転婆(いなば) [上山天洲]
秀二 焼酎(しょちゅ)瓶ぬ 枕(まく)れ転婆(いなば)が 大(ふ)て鼾(いびっ) [澤津乙名]
秀三 転婆娘(いなばご)も 年齢(とし)が薬(くすい)で 温和(な)ちけなっ [西浦大器]
秀四 重(お)び島田 途中(つと)でひっ剥(へ)だ 転婆(いなば)嫁 [上薗佳笑]
秀五 黒帯(くろおっ)が 転婆(いなば)剥(む)き出し 金メダル [上薗佳笑]
軸吟 凄(わ)ぜ転婆(いなば) 障子(しょし)も襖も 足(あ)す使(つ)こっ

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「狡(え)じ」 樋口一風選

特選 狡(え)じ言(ちゅ)たや 余計(じんじ)叱(が)られた ねずん捕(と)い [有馬二天]
秀一 寂(とぜ)んのせ 先(さ)き逝(い)た妻(かか)を 狡(え)じち叱(が)っ [上籠若菜]
秀二 狡(え)じ涙(なんだ) 初(うぶ)な男を 手玉(てだ)め取(と)っ [上籠若菜]
秀三 狡(え)じ奴(わろ)が 友達(どし)のキープも 空(か)れなけっ [前村泰山]
秀四 我(わ)が金(ぜん)じゃ 飲(の)もたきっせん 狡(えじ)か奴(わろ) [前村泰山]
秀五 狡(え)じ事(こっ)で 成(な)上(あ)がったが 友達(どし)が無(の)し [二見愚楽満]
軸吟 す抜(に)っ屁を 他人(ひと)がしたよな 顔(つら)をしっ

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「痛(い)て」 永徳天真選

特選 並(な)るだ遺書 胸が痛(い)とない 特攻館(とっこかん) [吉岡道場]
秀一 痛(い)て痛(い)てち 美人(シャン)のナースを 度々(はいと)呼(よ)っ [稲田切株]
秀二 叩(ど)えた方(ほ)ん 手も胸中(むね)も痛(い)て 子ん躾 [有馬二天]
秀三 翌日(あくひ)どま 何処(どこ)が痛(い)てとん 知(し)れんリレ [津留見一徹]
秀四 リハビリん 痛さも嬉(うれ)し 初歩(はつあゆ)ん [入来創雲]
秀五 痛(い)ても痛(い)て 父親(ちゃん)の拳骨(とっこ)で 今があっ [福原福多]
軸吟 勉強も せんて頭(びんた)が 痛(い)てち言(ゆ)っ

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「合点(がてん)」 堂園三洋選

特選 反対(はんた)ゆば 合点(がてん)に変えた 大(ふ)とか補償(ほしょ) [有馬二天]
秀一 若鷲の 合点(がてん)が可哀相(むい)ね 基地ん遺書 [上籠若菜]
秀二 割勘(わいかん)じゃ 合点(がてん)がいかん 下戸ん内心(ねしゅ) [吉岡道場]
秀三 偏差値が 合点(がてん)ぬさすい 志望校 [澤津乙名]
秀四 胃が悪(わ)いて 家族中(けねじゅ)目出度(めでた)ち 早合点 [諸木小春]
秀五 小休止(こたばこ)も させじ合点(がてん)の いかん給料(はれ) [津留見一徹]
軸吟 下戸ん俺(お)い 合点(がてん)がいかん 焼酎(しょちゅ)ん歳暮(せぼ)

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「都合(つご)」 弓場正巳選

特選 また転校(てんこ) 親ん都合で 辛(つ)れ別れ [米元年輪]
秀一 子の都合(つご)い 文句も言(い)えじ 施設(しせ)ち入(い)っ [上籠若菜]
秀二 総入歯(がんぶい)の 都合(つご)じゃイカ刺(さ)しゃ 鵜呑(ぐの)みしっ [石塚律子]
秀三 都合(つご)ん悪(わ)り 奴(わろ)と向(む)っ合(きょ)た 祝(ゆえ)ん席(せっ) [堂園三洋]
秀四 都合(つご)ん良(よ)か 言訳(ゆわけ)で逃(に)ぐい 苦情係(くじょがかい) [上薗佳笑]
秀五 都合(つご)ん悪(わ)り 事(こ)ちゃ聞(き)っ流(な)げっ 円満(ま)る暮(く)れっ [折田さくら]
軸吟 会費をば 聞(き)てかあ都合(つご)が 悪(わ)りち言(ゆ)っ

第24回西日本薩摩郷句大会 兼題「湯気(ほけ)」 中村雲海選

特選 湯気(ほけ)ん中(な)け 若(わ)けた居(お)らんち 声がしっ [原田菊男]
秀一 お茶室(ちゃし)ちな 鉄瓶(ちょか)ん湯気(ほけ)ずい 畏(かしこ)まっ [上籠若菜]
秀二 客(きゃっ)が来(き)っ 風呂ん湯気(ほけ)ごみ 着物(いしょ)を着(き)っ [市来流星]
秀三 湯気(ほけ)出しち 姉妹(きょで)交互(かたいぐ)ち 実家(さと)帰(もど)い [有馬湧声]
秀四 猫舌が 湯気(ほけ)共(と)め団子(だご)を 吐(は)っ出(だ)せっ [石野蟹篭]
秀五 露天風呂 湯気(ほけ)ん按配(あんべ)じゃ 女房(かか)も美人(シャン) [石塚律子]
軸吟 天皇を 舐(な)めた物言(ものご)ち 湯気(ほけ)が立(た)っ

その他の秀句 (順不同)

永(な)ごも無(ね)て 焼酎(しょちゅ)も煙草も 取(と)い上(あ)げっ [石野蟹篭]
三択(さんたっ)で 家事分担ぬ やらされっ [諸木小春]
親友(どし)じゃいが 女将(ママ)ん店でな 恋敵(こいがたっ) [工藤天然]
若社長(わかしゃちょ)ん 襁褓(おしめ)も替えた 古狸(ふるだぬっ) [津留見一徹]
塗(ぬ)い過(す)ぎっ 背中(せな)け流れた 禿薬(はげぐすい) [堂園三洋]
惚(ぼ)け言(ちゅ)どん 目付(めつ)きゃやっぱい 姑御(しゅとじょ)ん目 [黒岩涙月]
恋占(こいうら)ね 孫(ま)げ毟(むし)られた 大事(でし)な菊(きっ) [永徳天真]
碌(ど)き素性(すじょ)も 知(し)たん鰻(うなっ)で 夏(な)つ越(こ)せっ [石塚律子]
転婆(いなば)かあ まだも叱(が)らるい クラス会 [永徳天真]
郷句(く)を作(つく)っ 合点(がてん)ぬしたた 字数(じかし)だけ [前村泰山]
育(おや)し終(と)っ まだも孫子(まごこ)い 金(ぜん)の都合(つご) [花園ちづ]