中村雲海 |
神殿に 柏手(かしわで)響(ひび)っ 大(ふと)か願(ね)げ |
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肥満(だんべ)五体(ごて) 脂肪(あぶら)ん音が すい打診 |
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負(ま)け惜(おし)ん そいが性格(たっ)じゃい 下種(げす)ん知恵 |
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終宴な 一本締めが 流行(はや)いなっ |
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五輪にな 魔物(まもん)が潜(ひそ)ん 逃(の)げた金 |
有川南北 |
掻(か)っ混(ま)ぜっ 与党(よと)を飛(と)っ出た ドン小沢 |
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また一(ひと)っ 火種(ひだ)ねなろそな オスプレイ |
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安(や)すなれば 墜落(おて)はせんかよ 空ん旅(たっ) |
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熱帯夜 仰向(おな)け三八(さんぱ)ち 猫ん寝相(ねぞ) |
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濡れた儘(ない) 風呂かあ上げた 大雷(うがんなれ) |
弓場正己 |
祝日(しゅくじっ)の 国旗を出せば 気が引(ひ)けっ |
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定年の 日ずいスランプ じゃった亭主(てし) |
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爺(じ)の顔(つら)を 先祖ち孫は 言(ゆ)て拝(おが)ん |
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夫婦(みと)喧嘩(いさけ) 又パトカーが 走(はし)っ来(き)っ |
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招(まね)っ猫 玄関(ふんご)み置(え)たが 金(ぜん)な来(こ)じ |
堂園三洋 |
宿題(しくだい)で 超(ちょう)忙(いそが)しち 孫は来(こ)じ |
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年金で ほんの其処(そこ)たい 婆(ばば)と旅(たっ) |
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飲(の)ん過(す)ぎは 駄目よち女将(ママ)ん 優(やさ)し酌(しゃっ) |
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稀(まれ)けんな 贅沢(ぜいた)くち買(こ)た 痩(や)せ鰻(うなっ) |
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むくろいき 女房(かか)い蹴(け)られっ 負け戦(いっさ) |
永徳天真 |
そけ台風(うかぜ) 来(き)っかあ不精(ふゆ)が 戸を閉(た)てっ |
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入口(いいとぐ)ち 固(かた)まっ邪魔な 郷中(ごじゅ)ん寄合(よい) |
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ミニ娘(おご)ん 美脚(びきゃっ)が可哀相(ぐら)し 土黒血(つぐろじん) |
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懐(な)ちた孫(ま)げ 帰(もど)ろごちゃ無(な)か 爺(じ)と婆(ば)さん |
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蛇の目奥様(こじゅ) 端折(つぶ)っ色気ん 白(しろ)か脚(あし) |
樋口一風 |
安(や)し会費 半端酔(えく)れで 帰(もど)らせっ |
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休肝ぬ しちょって妻(かか)が 飲(の)んでけっ |
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ピンポンに 居留守(いず)すば使(つ)こた 裸んぼ |
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け死(し)ん限(め)い 駅(え)き走(は)し込(く)だて 汽車は出(で)っ |
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塵籠(ちいかご)を も一度(いっど)探(さ)げっ 諦(あきら)めっ |
横綱(東) |
○ |
何処(どこ)からか 金蠅(きんべ)も訪(こと)い 畑(はい)昼飯(ちゅはん) [郷田悠々] |
横綱(西) |
● |
野良(はい)昼飯(ちゅはん) 桜島(しま)んドカ灰(べ)で 食(く)わならじ [入来義徳] |
大関(東) |
● |
昼飯(ちゅはん)にな 少(ちっ)と食過(くす)ぎた バイキング [西ノ園ひらり] |
大関(西) |
○ |
退職(やめ)てかあ 昼飯(ちゅはん)な昨夜(ゆべ)ん 残(のこ)い物(もん) [工藤天然] |
関脇(東) |
● |
昼飯(ちゅはん)どま 三時間目にゃ 半分(なから)食(く)っ [有馬純秋] |
関脇(西) |
○ |
雨模様(あめもよ)い 昼飯(ちゅはん)な後(あと)ち 大豆(でっ)叩(たた)っ [石野蟹篭] |
小結(東) |
○ |
昼飯(ちゅはん)時(ど)き なればやっ来(く)い まぐれ猫 [樋渡草団子] |
小結(西) |
● |
歯痒(はが)い事(こっ) 昼飯(ちゅはん)な年中(ねんじゅ) 猫が先(さっ) [満吉満秀] |
筆頭(東) |
○ |
デパ地下ん 試食(ししょっ)でけ済(す)ん 婆(ば)の昼飯(ちゅはん) [澤津乙名] |
筆頭(西) |
● |
昼飯(ちゅはん)時(ど)き なってん寝(ね)ちょい 倦怠期 [上薗佳笑] |
二枚目(東) |
○ |
運動会(うんどかい) 父(ちゃん)が居(お)っとあ 昼飯(ちゅはん)ずい [伊地知 孝] |
二枚目(西) |
● |
好(よ)か景色(けし)く 見(み)い見(み)い昼飯(ちゅはん) 山仕事(やましごっ) [上山天洲] |
三枚目(東) |
○ |
寝床かあ 昼飯(ちゅはん)な買(こ)えち 朝寝女房(かか) [入来創雲] |
三枚目(西) |
● |
結婚(といえ)当初(はな) 昼(ひい)の弁当(べんと)も 愛情(じょ)が籠(こも)っ [江口紫朗] |
四枚目(東) |
● |
高齢(おんじょ)農業(ざっ) 昼飯(ちゅはん)ぬ背負(かる)っ 野良(は)い励(はま)っ [畑山真竹] |
四枚目(西) |
○ |
野良(はい)昼飯(ちゅはん) 寄(よ)っ付(つ)っ鳥(とい)と 仲良(なか)ゆ食(く)っ [花園ちづ] |
五枚目(東) |
○ |
昼飯(ちゅはん)代(だ)い 亭主(とと)いあてごた 硬貨(どろ)一枚(いっめ) [おんじょどい] |
五枚目(西) |
● |
山学校(やまがっこ) 昼飯(ちゅはん)な何時(いっ)も 二時間目 [市来流星] |
六枚目(東) |
● |
紫蘇(しそ)ん葉で 昼飯(ちゅはん)弁当(べんと)い 描(け)たハート [北村虎王] |
六枚目(西) |
○ |
腕白坊(われこっぼ) 人ん昼飯(ちゅはん)ぬ うっ食(く)ろっ [原田菊男] |
七枚目(東) |
○ |
働(はた)れたで 何(ない)でん美味(うん)め 山昼飯(やまちゅはん) [佐伯山神] |
七枚目(西) |
● |
伸(ぬ)っ盛(ざか)い 昼飯(ちゅはん)の弁当(べんと) 息子(こ)は二(ふた)っ [萬福平次] |
八枚目(東) |
● |
残(のこ)い物(もん) 皿(さ)れ見事(みご)つ盛(も)い 婆(ば)ん昼飯(ちゅはん) [満留ぐみ] |
八枚目(西) |
○ |
遠足(えんそっ)の 昼飯(ちゅはん)に詰めた 親愛情(おやぼんの) [津留見一徹] |
親方吟(東) |
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俺(お)や素麺(そめん) 女房(かか)あランチち 今日(きゅ)も外出(でば)っ [石塚律子] |
親方吟(西) |
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運動会(うんどかい) 昼飯(ちゅはん)が済めば 気が抜(ぬ)けっ [吉岡道場] |
惚福節子 |
良(よ)か日和(ひよ)い 傘を持(も)たすい 桜島 |
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慣れた態(ふ)で 二度目ん女房(かか)あ 床(とこ)い入(い)っ |
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用事(ゆ)じゃ無(ね)やち 隠居を訪(こと)い 優(やさ)し嫁 |
高橋金峰 |
子猫貰(も)れ 美人(シャン)のよなとを 抱(だ)っ上(きゃ)げっ |
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我(わ)がも言(ゆ)た 悪口(あっご)を課長(かちょ)ん 耳(み)み入(い)れっ |
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代々(でで)ん土地(じだ) てんがら者(もん)が ほたい売(う)っ |
竹山しげる |
境界(さけ)争(いさ)け 地五郎(じごろ)がぴしゃっ 線ぬ引(ひ)っ |
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よか晩な そん一声で 焼酎(しょちゅ)が出(で)っ |
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庭上(にわあ)がい 味噌煮ん蟹(がね)で 意気(い)く上(あ)げっ |
田代彦熊 |
祖母(ば)かあ孫 雛人形(ひなじょ)も三代(さんで) 色褪(いろあせ)っ |
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横杵(よんご)言(ちゅ)が 舵(かっ)の取(と)いよじゃ 良(よ)か男 |
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雑魚寝をば 踏(ふ)ん越えけ越え 兎(うさっ)小屋 |
可愛(む)ぜ子いな 旅をち出(で)たや 戻(もど)っ来(こ)じ [津留見一徹] |
ずぼらをば しゃきっち成(な)けた 退社ベル [福冨野人] |
目覚時計(めざまし)の 言(ゆ)こつ聞(き)かんじ また遅刻(ちこっ) [樋之口墨矢] |
ロレックス 度々(はいと)袖をば 捲(まく)らせっ [郷田悠々] |
新宅(しんたっ)の 柱(はし)てなずるっ 貰(も)れ時計 [桑元行水] |
黙祷(もくと)をば 時計を見(み)かて せん係(かかい) [萬福平次] |
足音い 便所(まなか)じゃやあれ 紙(かん)ぬ揉(も)ん [寺師若法師] |
立話(たっばな)しょ 聞(き)こち台所(おすえ)ん 水(み)じょ止(と)めっ [永徳天真] |
不精(ふゆし)女房(かか) 女(おなご)だまかし 毛布(ケット)洗(あ)れ [上床余音] |
若禿が 写真じゃ課長(かちょ)を 押しのけっ [長山紫の君] |
神様(かんさあ)あ 誠(まこ)てこまんゆ 虫(む)すつくっ [石川穂無] |
横道(おど)な猫 叱(が)ったしこずい きし逃(に)げっ [新原幹竹] |