中村雲海 |
世話いない 仏教じゃって 無(な)か心 |
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少子化で 野球部員が 足(た)らじ騒動(そど) |
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リハビリん 帰(もど)や足湯で 生(い)っ上(きゃ)がっ |
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相手(えて)を読(よ)ん 力(ちから)が付(ち)たや 馬鹿(ば)けされじ |
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無(な)か馬力(ばりっ) 愛が足(た)らんち 嘆(なげ)っ女房(かか) |
有川南北 |
満開の 桜(さく)れ廃校(はいこ)ん 花吹雪(はなふぶっ) |
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幼稚園 可愛(む)ぜトンネルで 卒業式(そつぎょしっ) |
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枕崎(まくらざ)き 鰹幟(かつおのぼい)が 空(そ)れ泳(お)えっ |
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連休(れんきゅ)疲(だ)れ 財布(ふぞ)も空(から)っぽ 大(ふ)て欠伸(あくっ) |
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お念仏(ねんぶ)つ 唱(あ)げかた纏付(めち)っ 蚊を叩(た)てっ |
弓場正己 |
言訳(ゆわけ)どま ばっさい切った 女房(かか)ん勘(かん) |
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爺(じ)が声も 消しゴムん如(ご)っ 丸(ま)るけなっ |
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香水の 匂(かざ)が渦巻(うずめ)た 参観日 |
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叱(が)らん言(ちゅ)で 全部(すっぱい)言(ゆ)たや 叱(く)るわれっ |
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金(ぜん)な出(で)っ 新築(しんち)き入(い)らじ 爺(じ)は逝(い)たっ |
堂園三洋 |
娘(おご)んミニ 水銀柱と 反比例 |
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桜島(さくらじ)め 蓋が出来(でく)れば ノーベル賞(しょ) |
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旅(たっ)の恥(は)じゃ 掻(か)っ捨(す)てち婆(ば)と 手を繋(つ)ねっ |
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稀(まれ)けんな 主役(しゅや)きなろごっ あろパセリ |
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貧乏(びんぶ)いな 匂(かざ)もまわらん 高価(た)け鰻(うなっ) |
永徳天真 |
郷中(ごじゅ)公役(くや)き 錆食(さっく)れ鎌(がま)じゃ 効(しょ)をうたじ |
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マネキンと 同(づ)っじゃ無(な)かった 試着室(しちゃっしっ) |
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掃除(そ)ずしてん 風が隅(すん)せえ 灰(へ)を溜(た)めっ |
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脳もがた 昨夜(ゆべ)食(く)た料理(じゅい)も け忘(わす)れっ |
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長(な)げ化粧(けしょ)い 早(は)よせち叫(おら)っ クラクション |
樋口一風 |
朝寝ごろ ラジオ体操(たいそ)は 夢でしっ |
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爺(じい)ちゃんち 来れば臍繰(へそく)や 痩(や)せ細(ほそ)っ |
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女房(うっかた)も 偶(まねけ)ん褒(ほ)めっ 愛(あ)ゆ繋(つ)ねっ |
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家(え)い居(お)って メールで用事(よ)ず言(ゆ) 倦怠期 |
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坊主(ぼし)どんな 浄土(じょう)で行(い)たよな 態(ふ)い説教(せっきょ) |
横綱(東) |
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釣(つ)いの腕 褒(ほ)め褒(ほ)め刺身(さし)み 食(く)れいちっ [諸木小春] |
横綱(西) |
○ |
まだ動(いご)っ 刺身(さし)み弾んだ 海(うん)の宿 [津留見一徹] |
大関(東) |
○ |
トロを食(く)っ 請求書(つけ)を見たなあ 抜けた腰 [山元自在鉤] |
大関(西) |
● |
跳(は)ぬい魚(いお) 刺身(さし)みして食(く)た 夜釣船(よついぶね) [弓場正巳] |
関脇(東) |
● |
女房(かか)奴(わろ)が 河豚(ふぐ)刺身(さ)す食(くゎ)せっ 救急車 [澤津乙名] |
関脇(西) |
○ |
刺身(さしん)盛(も)い 半値い成れば 奪合(ばこ)っ取(と)っ [満吉満秀] |
小結(東) |
● |
古(ふ)り刺身(さし)み 中毒(あた)っ便所(まなか)で 夜(よ)を明(あ)けっ [満留ぐみ] |
小結(西) |
○ |
盛皿(もいざら)ん 刺身(さしん)ぬ下戸が 沢山(ごいと)取(と)っ [石野蟹篭] |
筆頭(東) |
● |
庶民にな 〆鯖(しめさば)が良(え)ち 婆(ば)あ吐(か)えっ [西 幸子] |
筆頭(西) |
○ |
漁師(ふなと)料理(じゅい) 錆(さっ)くれ包丁(ほちょ)で 刺身(さし)む切(き)っ [樋口一風] |
二枚目(東) |
○ |
鯛(て)の刺身(さしん) 買(こ)よな手付(てつ)っで 鯵(あ)じゅ狙(ね)ろっ [畑山真竹] |
二枚目(西) |
● |
鯛(て)の刺身(さし)み 釣(つ)られっ一日(ひして) 草毟(くさむし)い [工藤天然] |
三枚目(東) |
● |
鯉の魚(いお) 刺身(さし)みなってん 生(い)きっちょっ [樋渡草団子] |
三枚目(西) |
○ |
河豚(ふぐ)刺身(さし)む 命(いのっ)懸(が)け言(つ)が ペロッ食(や)っ [楠八重渓流] |
四枚目(東) |
○ |
剥(は)がれんじ 皿い張(は)い付(ち)た ふぐ刺身(さしん) [佐伯山神] |
四枚目(西) |
● |
小(こ)むしてん 爺(じ)が釣った鯵(あ)じゃ 刺身(さし)みしっ [今井夢紫] |
五枚目(東) |
● |
河豚(ふぐ)刺身(さしん) 如何物(いかもん)食(ぐ)れも 後退(あとすだ)い [盛満椒平] |
五枚目(西) |
○ |
刺身(さしん)切(き)い 自分(わが)たちゃっかい 分厚(ぶあ)つしっ [萬福平次] |
六枚目(東) |
○ |
鱗(うろこ)ずい 添えた手荒(てあろ)か 鯛(て)の刺身(さしん) [入来創雲] |
六枚目(西) |
● |
釣(つ)やならじ 値札を負(か)るた 刺身(さし)む釣(つ)っ [原田菊男] |
七枚目(東) |
○ |
盛皿(もいざら)ん 刺身(さしん)な下戸が 競(せ)っ食(く)ろっ [新地十意] |
七枚目(西) |
● |
年金日 刺身(さし)む肴(さかな)で 女房(かか)が酌(しゃっ) [前村泰山] |
八枚目(東) |
○ |
生(い)っ作(づく)い 刺身(さしん)も跳(は)ぬい 舟ん上 [有馬純秋] |
八枚目(西) |
● |
刺身(さしん)せか 有(あ)れあちびちび 独(ひと)い飲(ぬ)っ [上山天洲] |
親方吟(東) |
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蒟蒻(こんにゃっ)の 刺身(さし)みすったい 疲(だ)れた顎 [石塚律子] |
親方吟(西) |
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パック儘(な)い 刺身(さしん)ぬ宛(あ)てご 手抜(てぬ)っ女房(かか) [吉岡道場] |
末原一声 |
納屋ん馬場 鯣(すいめ)鮮魚(ぶえん)ち 磯ん匂(かざ) |
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一億(いちお)くば 狙(ね)ろ衆(し)が並(な)るだ 宝くし |
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島チョンの 土産黒砂糖(くろざと) 汚れ褌(へこ) |
末村多櫛 |
街道(けど)端(ばた)ん 古(ふ)り瓦どま ずい落(お)てっ |
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牛(べぶ)じゃれば 買換(けか)ゆごっあい 不作(ふさっ)嫁(よめ) |
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草木をば 何(ない)の薬(くすい)か 爺(じ)は集(よ)せっ |
鈴木佳根生 |
まぐれ猫 一度(いっど)食(か)せたや きし懐(な)ちっ |
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禿頭(はげびんた) 刈(つ)んしこ無(な)かて 値引(ねび)かのし |
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郷中一(ごじゅいっ)の 法螺吹(ほらふ)っじゃって 貸家(かし)へ居(お)っ |
鈴木芳子 |
子ん寝顔 昼(ひい)の拳骨(とっこ)ん 手を責(せ)めっ |
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月(つっ)の夜ん 行水(あれ)ん素肌を 靄(もや)が巻(め)っ |
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あい限(かぎ)い 茶碗ぬ浸(つ)けた 不精者(ふゆしごろ) |
瀬戸口和八久 |
寝てからも 天井(てんじょ)ん節(ふし)が 碁石(い)し見(み)えっ |
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破(ほ)げ襖(ふすま) 古新聞(ふいしんぶん)が 舌(べろ)を出(で)っ |
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湯治(とっ)の宿 木枕(きまく)れ蝉(せっ)の 声を聞(き)っ |
鵜匠(うしょ)ん如(ご)っ 孫達(まごた)つ連れた 六月燈(ろっがっど) [津留見一徹] |
年(とし)の沙汰 点滴(てんて)きょ拝(おが)ん 様(ざま)なこっ [西 幸子] |
蹴(け)い肚(はら)か 見合(みえ)ん最中(さなか)ん 大(ふ)て欠伸(あくっ) [石野蟹篭] |
貸せ言(ちゅ)たや 曽我どん向(む)っの 傘を出(で)っ [山下須奈穂] |
海開(うんびら)っ 神主(ほい)さあ裸足(はだ)し 御幣(ごへ)を振(ふ)っ [境 戸緒流] |
金運な 無(ね)どち手相見(てそみ)が 図星(ずぼ)す言(ゆ)っ [工藤天然] |
乱れ飛(と)っ 蛍(ほたい)を過疎ん 宝(たか)れしっ [津留見一徹] |
保育料(ほいっりょ)が 欲(ほ)し言(ちゅ)もならん 孫ん守(もい) [上籠若菜] |
相手(えて)次第(しで)ち 言(ゆ)ちょい年齢(とし)かち 娘(こ)を叱(く)るっ [楠八重渓流] |
馬面(うんまづ)れ 難儀をしちょい コンパクト [樋口一風] |
長病臥(ながやん)の 女房(か)けも鏡(かがん)で 月(つ)く見(み)せっ [有馬二天] |