中村雲海 |
義理(ぎ)ゆ欠(か)けん 香典(ひで)い所帯(しょて)繰(ぐ)や 火の車(くいま) |
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ブスじゃいが 心美人の 女房(か)け恵(のさ)っ |
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法(ほ)の知(し)れん 宗教(しゅうきょ)い嵌(はま)っ 親は泣(ね)っ |
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バスん旅(たっ) 朝かあ飲(の)んじゃ 盛(も)い上(や)がっ |
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蟻地獄(ぶっつんこ) まだ床下で 世を暮(く)れっ |
有川南北 |
議(ぎ)が多(う)こし 棚(た)ね腐(ねま)ろそな 消費税 |
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原発(げんぱっ)が 骸骨(さねこ)ち見(み)ゆい 事故ん跡 |
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朧月(おぼろづっ) 家(え)の空(そ)れ猫が 喚(おら)っ晩 |
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夕暮刻(よのいもて) 亡親(おや)が恋(こい)しち 寺ん鐘 |
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子は全部(ずるっ) 都会(まっ)せえ巣立(すだ)っ 淋(げん)ね親 |
弓場正己 |
和(な)つ言(ゆ)えち 願(ね)ごが効果(きっめ)ん 無(な)か女房(おかた) |
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頑張(きば)れよち 言(ゆ)たや退(や)めます 言(ちゅ)て戻(もど)っ |
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上役(うわや)くば ぐりっ騙(だま)けた 言訳(ゆわけ)上手(じょし) |
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景色(けしっ)どま 見(み)らじメールん バスツアー |
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日の一日(ひして) 喋(しゃべ)いが婆(ばば)ん 惚(ぼ)け防止 |
堂園三洋 |
石橋(いしば)すば 何度も叩(たた)っ 慎重派 |
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年金日 今日(きゅ)どま塗(なす)ろち 可愛(むぞ)か婆(ばば) |
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夫婦(みと)喧嘩 亭主(てし)の涙(なんだ)で 終了(しめ)いなっ |
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此方(こっち)いも 遣(よこ)せテレビん 豪華料理(じゅい) |
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世の中で 見(み)ろごちゃ無(ね)とが 婆(ばば)んミニ |
永徳天真 |
長(な)ご掃除(そつ)も せん箒(ほ)き蜘蛛(こっ)が 糸を張(は)っ |
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こいもエコ 半身浴(はんしんよっ)の 宅(やど)ん風呂 |
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誰様(だいさあ)か 日傘どん差(せ)た 田舎道(みっ) |
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新卒(しんそっ)が 荒波(あらなん)の娑婆(しゃ)べ 擾(こな)されっ |
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台所(おすえ)ずい 付(ち)っ来て邪魔な 結婚(といえ)当初(はな) |
樋口一風 |
学者(がっしゃ)肌 酔(よく)ろかたいも 一講義(ひとくさい) |
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誰(だい)かじゃが 挨拶(えさっ)笑(わ)れしっ 擦(す)い違(ち)ごっ |
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素手で訪(き)っ 魔王(まお)を一本 飲(ぬ)で帰(もど)っ |
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奢(おご)られた ばっかい好(す)かん 世辞(めし)も言(ゆ)っ |
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多(う)か子供(こど)ま 年頃じゃって まだ独身(ひとい) |
横綱(東) |
天ずいも 蹴(け)ろそな孫ん 逆上(さかあ)がい [石原ミエ子] |
横綱(西) |
頭(びん)てきっ 壁を蹴(け)ったや 爪を剥(へ)っ [中間紫麓] |
大関(東) |
降(ふ)い程(ひこ)ん 縁談ぬ蹴(け)っ 今アラフォ [満留ぐみ] |
大関(西) |
酔(よく)れ亭主(て)す 着替えさせかて 蹴(け)いたくっ [市来流星] |
関脇(東) |
春闘の 要求(ようきゅ)を蹴った 不況風 [澤津乙名] |
関脇(西) |
夫婦(みと)喧嘩 犬(いん)が蹴(け)らるい 八当(やっあ)たい [中囿和風] |
小結(東) |
謝罪(ことわい)を 言(ゆ)た後(あと)木戸を 蹴(け)っ帰(もど)っ [おんじょどい] |
小結(西) |
妻(かか)ん蹴(け)ゆ 股間(またば)い食(く)ろた 朝帰(あさもど)い [桜井吹雪] |
筆頭(東) |
鬱憤(うっぷん)が ごろ寝ん猫を 蹴(け)い上(あ)げっ [諸木小春] |
筆頭(西) |
好(す)っじゃ無(ね)ち 鼻で蹴られた プロポーズ [樋口一風] |
二枚目(東) |
多忙時(せしけどっ) 行(い)たや蹴られた 寄付相談(そだん) [日隈英坊] |
二枚目(西) |
蹴(け)っみたや 百円じゃ無(な)か 瓶の栓 [井手上政暎] |
三枚目(東) |
石蹴(いしけ)いも 昔の遊(あす)び なっしもっ [樋渡草団子] |
三枚目(西) |
寒(さ)み晩ち 足あすば入(い)れたや 蹴(け)ゆ食(く)ろっ [上薗佳笑] |
四枚目(東) |
なでしこい 早(は)よ蹴(け)い込(こ)めち テレビ前 [西ノ園ひらり] |
四枚目(西) |
開(あ)かん戸を ここを蹴れ言(ちゅ)て 教(いっか)せっ [桑元行水] |
五枚目(東) |
電話途中(つと) 下知(げ)つすい女房(かか)を 足で蹴(け)っ [北村虎王] |
五枚目(西) |
亭主(てし)の蹴(け)や 女房(かか)い届(とじ)かん 蚤(のん)の夫婦(みと) [江口紫朗] |
六枚目(東) |
蒸暑(ほめ)っ晩 布団も女房(かか)も 蹴(け)いたくっ [佐伯山神] |
六枚目(西) |
うな貴様(わい)が 言(ちゅ)たとか脛を 蹴(け)い倒(と)けっ [西迫順風] |
七枚目(東) |
蹴った上(う)へ 拳骨(とっこ)もくれた 厳(いみ)し女房(かか) [山元自在鉤] |
七枚目(西) |
また浮気(うわっ) 治(なお)らん亭主(とと)を 蹴(け)いたくっ [花園ちづ] |
八枚目(東) |
釣(つ)い好(す)っが 魚(いお)は恵(のさ)らじ 手籠(てご)を蹴(け)っ [畑山真竹] |
八枚目(西) |
酔漢(よくれぼ)が 扉(ドア)どま引(ひ)かじ 蹴(け)いたくっ [工藤天然] |
親方吟(東) |
母親(はほ)が蹴(け)っ 長男(すよ)い届(とじ)かん 見合(みえ)話(ばなし) [石塚律子] |
親方吟(西) |
物別れ 短気が直(いっ)き 席(せ)くば蹴(け)っ [吉岡道場] |
楠元フクエ |
混浴(こんよっ)の 湯気(ほけ)から女房(かか)が 顔(つら)を出(で)っ |
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植(う)ゆい日が 良(よ)か日ち地火(じ)けも 播(ま)っ横杵(よんご) |
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現在(いま)よっか 惚(ぼ)けはすいめち 茗荷(みょが)を食(く)っ |
倉元天鶴 |
畑(は)い急(いそ)っ 担籠(いねてご)ん中(な)け 子は揺(ゆ)れっ |
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水車小屋(ご)へ 眉毛(めげ)も小糠ん 粉(こ)を被(かぶ)っ |
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税務署い 妻(か)け泣(な)っ真似を させけやっ |
黒岩涙月 |
酒癖が 悪(わ)りで飲(の)ん方(か)て 布令(ふれ)が来(こ)じ |
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しゃごだ勢(い)き 大尻(うじ)い噛(か)ん付(ち)た 茅(かや)ん棘(そげ) |
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道路(みっ)作(つく)い 石(い)す動(いご)けたち 地主(じぬ)しゃ騒動(そど) |
郷田悠々 |
馬鹿言(ちゅ)たや 貰(も)ろたも馬鹿ち 吐(かや)す女房(かか) |
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考(かん)げごちゃ 無(ね)とか女房(かか)どま 高鼾(たかいびっ) |
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外股(そとがん)の 下駄を借(か)ったや 転倒(はんと)けっ |
小園サチ |
くつろっが 良(ゆ)なっ喧嘩ん 種が減(へ)っ |
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退職(やめ)た亭主(と)て ビールを焼酎(しょちゅ)い 代(か)えち言(ゆ)っ |
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恥(げん)なさも 痛(いた)せひっ飛(つ)だ 痔の手術(しゅじゅっ) |
児玉金蜻蛉 |
結婚(といえ)当初(はな) 卵は店を 変(か)えっ買(こ)っ |
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イーち言(ゆ)っ 口紅(べん)の付(ち)たシャつ ひっ破(きゃぶ)っ |
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太鼓(てこ)三味線(しゃん)ぬ 仰向(おね)っ見ながら パトロール |
都会(ま)ち疲(だ)れた 五体(ごて)い優(やさ)しか 古里(さと)ん風 [萬福平次] |
間違(まっ)げ無(な)し 俺(おい)が子じゃろか 呆(ぼ)やしこっ [楠八重渓流] |
取(と)い戻(も)でっ 嬉(うれ)し悲(かな)しん 癌保険 [諸木小春] |
何(ない)も無(ね)が 仲良(なか)ゆ暮らせち 遺言状(ゆいごんじょ) [山元自在鉤] |
津波(つなん)よか 高(たか)か鯉幟(のぼい)で 気が晴(は)れっ [有馬純秋] |
初夏ん風(か)ぜ 今日(きゅ)かあロックん 焼酎(しょちゅ)いしっ [工藤天然] |
茶畑ん 茜襷(あかねだすっ)も 多分(かった)婆(ばば) [福冨野人] |
年金日 孫ん暦(こよ)みも 丸(まる)があっ [前村泰山] |
大切(でし)なもん 空気太陽 お前様(まんさあ) [棚網 鮎] |
母(はほ)と女房(かか) 戦(いっさ)ん後(あと)か 重(お)び空気 [工藤天然] |
メーデーに 出(で)い衆(し)は良(よ)かち 靴磨(くっみが)っ [埀野剣付鶏] |
追出(うで)っから 新憲法を 読(よ)ん直(な)えっ [大田麦秋] |
任(まか)すっち 言(ゆ)たて口出(くっだ)す すい社長 [江口紫朗] |
寝床いも 線ぬ引(ひ)こそな 倦怠期 [上山天洲] |
横杵(よんご)爺(じ)も 交際(つっきょ)っみれば 味(あっ)があっ [原田菊男] |
厳(いみ)し爺(じ)も 孫と笑顔ん シャボン玉 [永徳天真] |
料理(じゅ)やチンで 化粧(けしょ)あ百点(ひゃってん) 我家(やど)ん嫁 [今井夢紫] |