中村雲海 |
ストレスを 焼酎(しょちゅ)い頼って 地獄(じご)く見(み)っ |
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纏め役(やっ) 大概(てげ)な事(こっ)ずや 辛抱(しんぼ)しっ |
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人を馬鹿(ば)け すっでかえっちゃ 貶(けな)されっ |
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夫婦(みと)喧嘩 ごめんち言(ゆ)えん 貧(ひん)な根心(ねしゅ) |
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稀勢の里 将来(やが)ちゃ横綱 大(ふと)か夢 |
有川南北 |
野次怒号(どご)で 国会(こっか)や貴重(たし)ね 時(と)く潰(つ)びっ |
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不精(ふゆし)ごろ 三刻(さんこっ)さがい 来た賀状 |
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ギネスをば 狙(ね)ろたか桜島(しま)が 毎日(めにっ)噴(ひ)っ |
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車(くいま)ずい 空(そ)れ泳がせた 大竜巻(うまくじい) |
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退職(やめ)っかあ 女房(かか)が賄(まかね)ん 粗末(おろ)えこっ |
弓場正己 |
寝(ね)っ時(とっ)も 散歩も重宝(ちょうほ) 爺(じ)の褞袍(どてら) |
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着替えをば すい度(かし)ギッタ入れ替(か)えっ |
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俺(おい)が胃と 仲良(なか)ゆ住(す)んじょい ピロリ菌 |
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良(よ)か運気 待てど暮らせど 我家(わが)へ来(こ)じ |
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内定が 確定(かくて)いなって 春(はい)が来(き)っ |
堂園三洋 |
年金で 婆(ばば)と稀(まれ)けん 小(ちん)け旅(たっ) |
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欲(よっ)な亭主(とと) 焼酎(しょちゅ)も煙草も 団子(だご)も好(す)っ |
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買(こ)た品(しな)ん 匂(かざ)が広(ひろ)がいエレベータ |
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痒(か)い顔(つら)を 掻(かか)じやならん 満員車 |
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娘(おご)ん顔(つら) 電車ん中で 出来(でけ)上(あ)がっ |
永徳天真 |
腹時計(はらどけ)や 年中(ねんじゅ)狂(くる)ちょい 卑(いや)し奴(ごろ) |
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貰(も)ろっきた チョコを食(たも)らん 悋気(じんき)女房(かか) |
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新築(しんちっ)の 隣(とな)い肩身(かたん)が 狭(せ)べぼろ家(え) |
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こげん狭(せ)べ 土地(じだ)じゃったとか 家解(えと)っ跡 |
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親ん苦労(くろ) 知(し)たじ勝手な 議(ぎ)を吐(か)えっ |
樋口一風 |
受験生(じゅけんせ)い 4コーナーち 鞭(む)つ入(い)れっ |
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豆ぐれじゃ 老獪(せなはげ)鬼(おん)なしれっしっ |
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鍋奉行(なべぶぎょ)い まだかまだかち 伸(ぬ)っ盛(ざか)い |
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義理(ぎい)チョコを 俺(おい)も人並(ひとな)み 貰(も)ろだせっ |
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一ヶ月 持(も)たじ白紙ん 日記帳 |
横綱(東) |
実家(さと)からん 借(か)い貰(も)れで繰(く)い 赤字世帯(じょて) [佐伯山神] |
横綱(西) |
繰(く)や赤字 飲(の)ん代(で)をくれち 言難(ゆに)くなっ [吉岡道場] |
大関(東) |
宴会(のんかた)ん 赤字を係(かか)や 請(う)けかぶっ [入来創雲] |
大関(西) |
赤字言(つ)は 覚悟(かっご)ん上ん 農業(さ)き精出(はま)っ [楠八重渓流] |
関脇(東) |
また赤字 女房(かか)ん溜息(ういっ)が 耳(み)み障(さわ)っ [伊地知 孝] |
関脇(西) |
また赤字 今日(きゅ)かあ晩酌(だいやめ) 五勺(ごしゃ)きしっ [原田菊男] |
小結(東) |
赤字じゃが 意地で隣(とない)と 競(き)そ値下げ [新地十意] |
小結(西) |
間引(まび)くしっ 赤字路線な 息(い)く繋(つ)ねっ [福冨野人] |
筆頭(東) |
遣(や)い手社長(しゃちょ) 赤字は覚悟かっご 言(ちゅ)て儲(も)けっ [諸木小春] |
筆頭(西) |
総会で 赤字ん社長(しゃちょ)は 小(こ)む見(み)えっ [入来義徳] |
二枚目(東) |
赤字じゃが 放置(ほた)いもならじ 米作(つく)い [樋渡草団子] |
二枚目(西) |
開店日 赤字覚悟(かっご)で 客(きゃ)く集(よ)せっ [井手上政暎] |
三枚目(東) |
多(う)か子供(こど)む 赤字で育(おや)し 女房(かか)ん財布(ふぞ) [石原ミエ子] |
三枚目(西) |
厄介(やっけ)な 病(びょ)老々(ろうろ)介護で 赤字世帯(じょて) [西迫順風] |
四枚目(東) |
毎月(めえつっ)の 赤字あかじ付(つ)っ合(きょ)て 三十年(さんじゅねん) [石塚律子] |
四枚目(西) |
赤字じゃが お前様(はん)じゃっでち 商売(あっね)上手(じょし) [前村泰山] |
五枚目(東) |
家計どま パンクさせちょい 飲(の)んだくれ [澤津乙名] |
五枚目(西) |
孫ん娘(こ)あ 小遣(こつけ)が赤字 祖母(ば)べ相談(そだん) [今井夢紫] |
六枚目(東) |
凄(わ)ぜ赤字 じゃいが自家米(じかま)や 作(つく)ろ言(ちゅ)っ [畑山真竹] |
六枚目(西) |
財布(ふぞ)なんだ 何時(いっ)も赤字ん 遊(あす)っ好(ず)っ [上山天洲] |
七枚目(東) |
農業(さっ)の繰(く)い 余計(よ)け厳(きび)しゅない TPP(ティーピーピ) [満留ぐみ] |
七枚目(西) |
痛(い)て膝い 命(いのっ)の綱ん 赤字バス [津留見一徹] |
八枚目(東) |
赤字なあ パートい行けち 言(ゆ)えん亭主(とと) [西 幸子] |
八枚目(西) |
書道(しょど)ん 稽古(けこ)見事(みご)つ赤字で 直(なお)されっ [花園ちづ] |
親方吟(東) |
ラブレタあ 赤字で訂正(なえ)っ 突(つ)っ返(も)でっ [樋口一風] |
親方吟(西) |
遺産分け 赤字も一緒(ひと)ち 連立(ての)っ来(き)っ [西ノ園ひらり] |
今釜三岳 |
一(ひと)っ洗(あ)る 茶碗が堪(の)さん 島暮らし |
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飯(めし)食(く)時(ど)き 限(かぎ)っ子を叱(が)い 亭主(て)しゅ叱(く)るっ |
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実家(さと)を鼻(は)ね がっつい歯痒(はが)い 口答(くっごた)え |
入来創雲 |
持った衆(し)は ずうず座敷(ざなか)ん 上座(か)み座(すわ)っ |
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横雨い 傘ん穴かあ 前を見(み)っ |
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インタビュー 顔(つら)ん大汗(うあせ)を 目でしぼっ |
岩崎美知代 |
節句(せっ)の団子(だご) 帖佐人形(にんぎょ)いも 嗅(かず)ませっ |
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実家(さと)ん風(か)ぜ 当てたや止(や)んだ 血の病(やんめ) |
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揉(も)んかたが 足(た)らん高菜が 重石(い)す起(お)けっ |
岩崎峰乗 |
南方(なんぽ)かい 裸足で頑張(きば)い 嫁が来(き)っ |
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昼(ひ)や鰻(うなっ)晩な鯛(て)か牛(ぎゅ)ち 大法螺(うぼら)吹(ふ)っ |
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九谷焼(くたんや)く 河豚(ふぐ)ん刺身(さしん)な 見事(みご)つ透(し)っ |
上畠蟷螂 |
震えどま 盃(ちょっ)の一杯(いっぺ)でひたっ止(や)ん |
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儲(も)け上(あ)がっ 猫ん茶碗も 柿右衛門 |
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馬鹿ち書(け)た 鏡(かがん)の口紅(べん)に気が晴(は)れっ |
上原野風呂 |
カメラ呑(の)み すったい疲(だ)れた 胃の検査 |
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短気妻(かか) 効(き)けん逆箒(さかぼ)く 叩(たた)っ折(ご)っ |
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わが娘(こ)なあ 叩(ど)えっくるそな 胡坐(いたぐらめ) |
内村太郎 |
金(ぜん)な無(ね)が 娑婆ん極楽(ごくら)か 晩一合(いっご) |
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運(ふ)の良(え)奴(わろ) 三途ん川を 見て戻(もど)っ |
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年忌どが 済めばちんちん 口紅(べん)ぬ塗(ぬ)っ |
内村風鈴 |
急カーブ ここでも事故か 小(ちん)け地蔵(じぞ) |
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小錦(こにしっ)と すったい疲(だ)れた 取(と)い直し |
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巨漢(うど)息子(むしこ) 亭主(とと)は叱(が)いかて 座(すわ)らせっ |
梅木十字路 |
みんな寝(ね)っ 通夜ん線香(せんこ)も 消えた儘(ない) |
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人形(にんぎょ)箱 ひっくい返(か)えたよな 大家族(うげね) |
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二日山(ふっかや)め 醤油(しょい)つけ餅(もっ)の 匂(かざ)が舞(も)っ |
上床余音 |
かけた鍋 相撲(すも)がバリバリ 焦(こが)らけっ |
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肥満(だんべ)でん 身綺麗(みぎれ)いすれば 品があっ |
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ようようち 女房(おかた)ん言(ゆ)ごっ 世を暮(く)れっ |
永徳天真 |
内気(いめ)な親 わさわさ語(かた)い 嫁(よ)め疲(だ)れっ |
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腰掛(こしか)けっ 組(く)めば外(はず)るい 短(みし)け脚(あし) |
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解禁日 近(ち)こなっ庭で 釣竿(さお)を振(ふ)っ |
江口ノブ |
聞(き)っ損(そこ)ね 耳(みん)医者(い)せ行けち きし吐(か)えっ |
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島流し 女房(かか)は一人(ひとい)で 行けち言(ゆ)っ |
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帽子(ぼし)探(みし)け 店員(ういこ)も疲(だ)れた 大(ふ)て頭(びんた) |
江平光坊 |
正月(しょが)ち来た 初孫天に 抱(だ)っ上(きゃ)げっ |
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息子(こ)が卒業(そっぎょ) したや惚(ぼ)けでた 教育(きょいっ)ママ |
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運動会(うんどかい) 女子高(じょしこ)じゃ乳房(ちち)も 躍(おど)らせっ |
大迫三つ葉 |
車(くいま)事故 テレび出たどち 恥(げん)ね見舞(みめ) |
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女房(かか)んヒス また出(で)よたよな 包丁(ほちょ)ん音 |
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抱(だ)っ癖が 付(つ)っちあっこも ならん孫 |
大重陣笠 |
鶏舎(こや)掃除 婆(ばば)あ換羽(ほろ)どん まっ被(かぶ)っ |
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入院(にゅいん)部屋 九時ん消灯(しょうと)い 目は冴(さ)えっ |
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口答(くっごた)え 母親(かか)は柄杓(くしゃっ)で 尻(け)つ叩(た)てっ |
大田きか猿 |
料理(じゅ)や良(よ)かで 焼酎(しょちゅ)かい出せち 女房(かか)を叱(が)っ |
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都合(つご)都合(つご)で 親族(やうっ)ち言(ゆ)たい じゃね言(ちゅ)たい |
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三番鶏(しばどい)の 声も震(ふ)るちょい 寒(かん)の朝 |
大山元帥 |
割勘(わいかん)ち 勘定書(つけ)を見(み)っかあ きし吐(か)えっ |
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娘(こ)が嫁(い)たや 夫婦(みと)いな広(ひろ)か 座敷(ざな)けなっ |
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娘(おご)盛(ざか)い 飯(め)しょ食(く)度(たん)び 秤(ちき)い乗(の)っ |
じゃろじゃろち 言訳(ゆわけ)を女房(かか)は 聞(き)っ流(な)げっ [新地十意] |
座敷(ざなか)ん毛 犬(いん)よか俺(おい)の 毛が多(う)こし [石塚律子] |
ストーブを 準備(しこ)っかけちょい 長電話 [満留ぐみ] |
持(も)てごった 亭主(てし)の仏壇(おむろ)い 供(あ)げたチョコ [米元年輪] |
冷え性しょ妻(かか) 俺(おい)が股張(またば)い 足(あ)す差入(ぬく)っ [楠八重渓流] |
居(お)れば邪魔 居(お)らにゃ徒然(とぜ)んね 粗大塵(そだいごん) [有馬純秋] |
女房(かか)んヒス 諭吉(ゆき)つ見たなあ しちゃっ止(や)ん [伊地知 孝] |
割勘(わいかん)の 端数(はした)は持(も)っち 見栄を張(は)っ [有馬純秋] |
入試前 亭主(てし)の卵も 子い食(か)せっ [小石 巌] |
大阪都 真実(まこ)ちなろそな 知事人気 [福山吉連] |
卑(いいや)しか 浴(あ)びいめ飲(ぬ)じょい 通夜(よとっ)焼酎(じょちゅ) [橋口笑二] |
渡(わた)い終(と)っ 最敬礼の 可愛(む)ぜ挨拶(えさっ) [吉岡道場] |
取(と)い上(あ)げ婆(ば) 出番なまだち 悠然(ゆたっ)しっ [有川南北] |
胸も尻(し)も ひっ破(ぱし)ろそな 娘(おご)盛(ざか)い[楠八重渓流] |
好(す)っな女子(こ)い 故意(わざ)っ悪戯(けす)っちょ 腕白坊(きかんたろ) [中間紫麓] |
葬式(おんぼ)焼酎(じょつ) 涙(なんだ)で薄め 黙(だま)っ飲(ぬ)っ [光凡] |