中村雲海 |
うなこらち 言(ゆ)おごあっどん 隠す爪 |
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笑(わ)れ顔(づら)で 心を掴(つか)ん 纏め役(やっ) |
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税金ぬ 納(おさ)めっみろご ちゃい貧乏(びんぶ) |
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外交が 誠(まこ)てお粗末(そまっ) 減(へ)い国土(こっど) |
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独裁(どくさ)ゆば 民主化(みんしゅ)けなそち 凄(わ)ぜパワー |
有川南北 |
菅さんも 長(な)げ事(こ)ちゃあいめ 時事漫画 |
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シャボン玉(だ)め 似たごっ消(き)ゆい マニフェスト |
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地震慣れ 震度1(いっ)どま 気(き)い付(つ)かじ |
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痛(い)てち医者(い)しぇ 行(い)たや老化ち 軽(か)り診断(みたて) |
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八十二歳(はちじゅに)で 我(わ)が歯は全部(ずるっ) 無(ね)ごっなっ |
弓場正己 |
尖閣(せんか)くば け忘(わす)れさせた パンダ騒動(そど) |
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大部屋い 同病が集(よ)っ 医者吟味 |
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店長の お薦めち書(け)た 売れ残(のこ)い |
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目薬(めぐす)ゆば 点(さ)すち孫どま 口(く)つ開(あ)けっ |
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陸(おか)と空(そら) 連休(れんきゅ)ん客(きゃ)くば 奪(ばこ)っ取(と)い |
堂園三洋 |
飼易(けや)し亭主(とと) 期限切れでん 美味(うん)も食(く)っ |
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あと幾(いく)っ 寝ればち算用(つも)い 年金日 |
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医者様(いしゃさあ)は 広告紙(チラシ)も出(だ)さじ 凄(わざ)え客(きゃっ) |
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満員車 直(いっ)き目の前(ま)へ 美人(シャン)の唇(すば) |
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なま好かん 課長(かちょ)ん見舞(みめ)いな 安(や)しバナナ |
永徳天真 |
犬(いん)と猫 どっちもどっち まめらせじ |
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いしたよう 風呂ん天井(てんじょ)ん 露(ち)が掛(か)かっ |
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鼻ん穴(す)が 行違(いっす)い美人(シャン)の 香(か)ぜ開(ひ)れっ |
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見ちゃおれん いっちゃいっちゃん 若(わ)け二人(ふたい) |
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良(よ)か所(とこ)や 沢山(ずばっ)あっとに 目立(めだ)っ欠点(あら) |
樋口一風 |
両方(まんぼ)とめ 正論じゃっで 止(と)め難(にく)し |
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厄介(やっけ)じゃっ 仕事(しごっ)もせんて 腹あ減(へ)っ |
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口(くっ)も立(た)っ 頭脳(びんた)も切(き)れっ 可愛(む)ぜ無ね美女(シャン) |
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赤(あか)か爪 洗(あ)れやっめをば 亭主(て)し仕込(しこ)ん |
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平(ひら)ん奴(と)が 社長(しゃちょ)ん十八番(おはこ)を 先(さ)き歌(う)とっ |
天 |
素抜(すに)たなあ 紐が付(ち)ちょった 婆(ばば)ん財布(ふぞ) [伊地知 孝] |
地 |
降灰(へ)が埋(い)けた 野菜(やせ)を涙(なんだ)で 爺(じ)は素抜(すに)っ [桑元行水] |
人 |
苗物(なえもん)ぬ 植(う)ゆれば素抜(すに)っ 非道(ひ)で烏(からし) [米元年輪] |
五客一席 |
鼻毛どん 素抜(すに)っ遊(あ)すじょい 呆(ぼ)え会議 [吉岡道場] |
五客二席 |
里帰(さともど)い 何(ない)じゃかいじゃち 素抜(すに)っ来(き)っ [弓場正巳] |
五客三席 |
後追(あとえ)孫 素抜(すに)こちすれば 先(さ)き走(はし)っ [西迫順風] |
五客四席 |
名アナん 受けが民放(みんぽ)い 素抜(すに)かれっ [諸木小春] |
五客五席 |
酔(よ)くれ亭主(てし) 素抜(すに)かれたとも 気付(きづ)かんじ [吉丸セツ子] |
選者吟 |
大学(だいが)くば 手玉(てだ)めけ素抜(すに)だ カンニング [有川南北] |
横綱(東) |
想い出も 村と同時(いっど)き 沈(しず)んダム [澤津乙名] |
横綱(西) |
泳(およ)っ練習(けこ) メタボん女房(かか)が 尻(し)や沈(しず)ん [吉岡道場] |
大関(東) |
元気言(ちゅ)が 沈んだ声が 気いかかっ [満留ぐみ] |
大関(西) |
寝込(ねく)だ女房(か)け 亭主(とと)ずい沈(しず)ん 闇(やん)の所帯(しょて) [折田さくら] |
関脇(東) |
葬祭場(そうさいじょ) 沈んだ音で 盛(も)い上(あ)げっ [諸木小春] |
関脇(西) |
交互(かたいご)ち 漕(こ)がんな沈(しず)ん 介護舟 [津留見一徹] |
小結(東) |
牛(べぶ)鶏(とい)に 続(つじ)っ噴火じゃ 気も沈(しず)ん [日隈英坊] |
小結(西) |
どん底い 沈(しず)ん目覚めた 性根(いっだまし) [上薗佳笑] |
筆頭(東) |
根(ね)ん深(ふか)せ 理事長(りじちょ)ん顔(つら)あ 沈(しず)ん込(く)っ [石塚律子] |
筆頭(西) |
慣(な)れん着物(いしょ) 肥満(だんべ)あ首(くっ)が 衿(え)い沈(しず)ん [今井夢紫] |
二枚目(東) |
自民党 沈(しず)ん民主党(みんしゅ)ん 足(あ)す狙(ね)ろっ [伊地知 孝] |
二枚目(西) |
うらぶれっ 沈(しず)ん夕日に 目い涙(なんだ) [西迫順風] |
三枚目(東) |
轟沈で 湧いた戦争(いっさ)い 騙(だま)されっ [新地十意] |
三枚目(西) |
ダムん底(そ)け 沈んだ郷中(ごじゅ)が 懐(なつ)かしゅし [米元年輪] |
四枚目(東) |
検診の 結果待(ま)っ間(はざ) 沈(しず)ん俺(おい) [佐伯山神] |
四枚目(西) |
太陽(ひ)が沈(しず)ん 目が冴(さ)えっきた 飲(の)ん平(べ)亭主(てし) [福冨野人] |
五枚目(東) |
ボロ船は 漁礁(ぎょしょ)い沈めち 薄情(つれ)ね指示 [山元自在鉤] |
五枚目(西) |
チョコが来(こ)じ 沈(しず)ん長男(すよ)をば 慰(なぐさ)めっ [江口紫朗] |
六枚目(東) |
飲(の)ん平(べ)亭主(てし) 沈(しず)ん夕日い 喉が鳴(な)っ [北村虎王] |
六枚目(西) |
法螺(ぎら)は言(ゆ)が コップ一杯(いっぺ)で 沈没(しず)ん奴(わろ) [上山天洲] |
七枚目(東) |
発表日 沈んだ顔(つら)が にこっなっ [樋之口墨矢] |
七枚目(西) |
日(ひ)が沈(しず)ん 晩酌(だいや)め向(む)こて 野良(はい)帰(もど)い [市来流星] |
八枚目(東) |
陽(ひ)が沈(しず)ん 頃(こ)れな乳飲(ちの)ん子(ご) 小言(ぐぜ)でけっ [盛満椒平] |
八枚目(西) |
鰥(やもめ)料理(じゅい) 味噌ん塊(ごろた)が 底(そ)け沈(しず)ん [入来義徳] |
親方吟(東) |
良(よ)か縁談(はな)し 沈んだ家族(けね)い 花が咲(せ)っ [西ノ園ひらり] |
親方吟(西) |
島ん娘(おご) 沈(しず)ん夕日い 彼(ぬ)す想(おも)っ [樋口一風] |
日高九百坪 |
引越しの 加勢人(かせ)で人気が 大概(てげ)わかっ |
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参観日 とぼけちょい子を 目で叱(く)るっ |
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糸瓜(いとうい)が ごろ寝をしちょい トタン屋根 |
日高山伏 |
悪(わ)り癖で 飲(の)ん方(か)てなれば 焦掻(こげこさ)っ |
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こいも義理(ぎい) 言(ちゅ)かたで飲(の)んけ 飛(つ)で行(い)たっ |
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朝帰(あさもど)い 大概(てげ)な言訳(ゆわけ)じゃ 済(す)まされじ |
平 たき |
新採用(しんさいよ) ネクタイ結(むす)び 父親(ちゃん)も加勢(かせ) |
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歯の疼(うず)き 事(こと)ん無(ね)女房(かか)を 叱(く)るたくっ |
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無縁墓(むえんば)け 一本呉(く)れた 彼岸花 |
平中小紅 |
若(わ)け娘(おご)と 課長(かちょ)を張(は)い合(よ)た パート女房(かか) |
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浮気(うわっ)どま 胸ん奥(おっく)で 常時(ねんず)しっ |
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倦怠期 振った醜青年(ぶにせ)が 恋(こい)しゅなっ |
平水 |
水桶(みったんご) 担(かた)げ過(す)ぎじゃろ 背が伸(の)ばじ |
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花時計 蝶々(ちゅちゅ)も十時ん 針(は)り休憩(よく)っ |
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遠(と)おなった 耳(みん)にせからしゅ 物を言(ゆ)っ |
連休(れんきゅ)いな 取(と)いかけ目かけ 孫が集(よ)っ [吉岡道場] |
爺婆(じば)育(おや) し鹿児島弁(かごっまべん)ぬ 上手(じょ)じ語(かた)っ [市来流星] |
女房(かか)よっも 娘(こ)の下知(げ)ち怖(びび)い 横杵(よんご)亭主(てし) [北村虎王] |
ナースいも 友達(どし)言葉(こと)べなっ 長(な)げ入院(にゅいん) [江口紫朗] |
竹ん子を 奪合(ばこ)た揚句(あげ)きな 境界(さけ)諍(いさ)け [畑山真竹] |
パート女房(かか) ビールを威張(いば)っ 飲(の)んでけっ [新地十意] |
社長(しゃちょ)どんも 一緒(いっど)き並(な)るだ ハロワーク [中囿和風] |
声変(こえが)わい すれば訪(き)もせん 都会(まっ)の孫 [上薗佳笑] |
還暦(かんれっ)と 古希を過(す)れたや 直(じ)き米寿 [上瀬明星] |
素抜(すに)だ札(さ)つ むいねち亭主(とと)ん 財布(ふ)ぜ戻(も)でっ [満留ぐみ] |
素抜(すに)っかあ 一枚(いっめ)は戻(も)でた 気弱(いめ)な亭主(とと) [上薗佳笑] |
堰(せ)く切れば 止(と)め繰(く)いも無(な)か 自由(じゆ)ん波(なん) [上薗佳笑] |
政治どま 見(み)ろごっも無(ね)ち 切(き)いテレビ [堂園三洋] |
稀(まれ)けんな 如何(どげん)かよ言(ちゅ)て 手を探(さぐ)っ [西浦大器] |
早苗饗(さのぼい)にゃ 街(ま)ち住(す)ん婿も 人数(に)じ計算(つも)っ [鈴木芳子] |
玄関(ふんごん)の 鬼(おん)に土下座ん 午前様(ごぜんさあ) [伊地知 孝] |
倹(つま)し女房(かか) 思(と)もたや我(わが)ん 臍(へそ)を繰(く)っ [内野茶柱] |
気取(きど)ってん 驚(たまが)った勢(い)き 鹿児島語(かごっまご) [木佐貫白猫] |
灰(へ)いなった 爺様(じさ)めな悪(わ)りが 青年(にせ)い恋 [石塚律子] |