栫 路人 |
生き甲斐の ゴルフい足が 駄々(ひね)を捏(こ)っ |
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泣(な)っ子どみ 痛(い)てた飛(と)っ行(じ)け 言(ちゅ)う婆(ば)さま |
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涼(すず)ん台 御前(わい)も座れち 月(つ)く仰向(おね)っ |
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人間ぬ 見(み)い目が無(の)して 今苦労 |
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俺(おい)よっか 若(わ)けて陛下ん 丸(ま)い背中 |
有川南北 |
け死(し)んでん 受給(も)ろ年金の 有難(あいがた)さ |
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狡(ずっ)ね受給(もれ) ミイれなってん 手を出(だ)せっ |
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ぼっそんね 土俵どひゅで終わった 名古屋場所 |
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淋(とじ)ね夏(なっ) 花火(はなっ)も鳴(な)らじ 暦(こよ)ま秋(あっ) |
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儲(も)け魂(だまし) 屁理屈(へりく)つ付(つ)けちゃ 何(ない)の日ち |
弓場正己 |
十五夜(じゅごや)綱(づな) 女房(かか)ん大尻(うじい)が 地力(じり)く出(で)っ |
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松ヶ根(まっがね)も よもや思(と)もよな 罠(わ)ね嵌(うた)っ |
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タバコ税 上(あ)ぐが上(あ)ぐめが 吸(す)ひこ吸(す)っ |
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出世すい 為(た)めな同期ん 足(あ)す素引(そび)っ |
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本代ち 言(ゆ)えば翌日(あくひ)は 送(おく)い親 |
堂園三洋 |
短躯(じっくい)が 八頭身ぬ 物(もの)いしっ |
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札(ふだ)合わせ 肥満(だんべ)を背負(かる)た 運(ふ)の悪(わる)さ |
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郷中(ごじゅ)一(いっ)の 分限者(ぶげん)しぇなろち 宝籤(く)ずば買(こ)っ |
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美人(シャン)ママん 項(うな)ず思(お)め出(で)っ 眠(ね)やならじ |
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稀(まれ)けんな 口(くっ)贅沢(ぜいた)くち 鰻(うな)ぐ買(こ)っ |
永徳天真 |
課長(かちょ)どんの ほろめく肴(さか)ね 赤提灯(あかちょちん) |
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見舞(みめ)行(い)たが 友人どしゃ議(ぎ)の分(ぶん)な 達者な態(ふ) |
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子育(こおや)しで 精一杯(せっぺ)色気も 無(ね)ごっなっ |
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食(く)おともが 箸が進まん 病院食(びょいんしょっ) |
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女房(うっかた)と つれぶし寝込(ねく)だ 流行(はやい)風邪 |
横綱(東) |
玩具屋(おもちゃや)を 走(はし)っ通った 孫ん子守(もい) [盛満椒平] |
横綱(西) |
初孫(はっまご)を 四人がかいで 嘗め回(ま)えっ [吉岡道場] |
大関(東) |
戦争(いっさ)ん無(ね) 世界(よ)を祈(いの)らすい 孫ん寝顔(つら) [郷田悠々] |
大関(西) |
先(さっ)が無(ね)で 早(は)よ孫見せち 催促(せず)っ婆(ばば) [中間紫麓] |
関脇(東) |
孫が来(き)っ 何時(いっ)帰(もど)いかち 聞(き)っ爺(じ)と婆(ば) [二見愚楽満] |
関脇(西) |
孫請けん 仕事(しご)ちゃ残業(ざんぎょ)ん 手当(ひよ)も無(の)し [米元年輪] |
小結(東) |
俺(お)い似たか 孫は可哀相(ぐら)しか 尻(げ)つ走(はし)っ [堂園三洋] |
小結(西) |
可愛(む)ぜ孫が 頑固(いっこっ)親父(とと)ん 骨を抜(ぬ)っ [樋口一風] |
筆頭(東) |
古希ん祝(ゆ)へ 孫ん良(よ)か世辞(せ)じ 婆(ば)は涙(なんだ) [日隈英坊] |
筆頭(西) |
多(う)け孫い 名札を下(さ)げち 夏休(なっやす)ん [前村泰山] |
二枚目(東) |
サロンパし 加勢(かせ)ずい貰(も)ろっ 孫ん守(もい) [澤津乙名] |
二枚目(西) |
初孫(はっまご)が 亭主(てし)似(に)女房(かか)似(に)ち 騒動(そど)なこっ [田中末木] |
三枚目(東) |
可愛(む)ぜ孫い ずうず吸(す)わすい 婆(ばば)ん財布(ふぞ) [西 幸子] |
三枚目(西) |
歳(と)しゅ取れば 多(う)け孫ん名を 言(ゆ)損(そこ)ねっ [入来義徳] |
四枚目(東) |
高(た)け高(た)けち 孫を持(も)っ上(ちゃ)げ 恵比須顔 [入来創雲] |
四枚目(西) |
夏休(なっやす)ん 我(わ)が家(え)あ孫ん 城(し)れけなっ [江口紫朗] |
五枚目(東) |
外孫ん 躾は嫁い 気兼ねしっ [新地十意] |
五枚目(西) |
子育(こおや)しが 済んだ思(と)もたや 孫養(おや)し [弓場正巳] |
六枚目(東) |
孫ん声 聞けば財布(ふぞ)ずい 口(く)つ開(あ)けっ [石原ミエ子] |
六枚目(西) |
爺(じい)ちゃんち 孫が来(く)い度(かし) 痩(や)すい財布(ふぞ) [桜井吹雪] |
七枚目(東) |
大世間(うぜけん)に かった言(ゆ)終(と)った 孫ん自慢(ぎら) [石塚律子] |
七枚目(西) |
孫請けん 仕事(しご)ちゃ親会社(ベンチャ)ん 尻(しい)拭(ぬ)ぐい [上薗佳笑] |
八枚目(東) |
オール5を 俺(お)い似た孫ち 爺(じ)の自慢(おぎら) [北村虎王] |
八枚目(西) |
孫まげなれば 片頬(かたふ)が緩(ゆる)ん 頑固(いっこっ)爺(じ) [楠八重渓流] |
親方吟(東) |
孫が恋(こ)ゆ しそな年頃(としご)れ 爺(じ)が燃(も)えっ [津留見一徹] |
親方吟(西) |
飛(と)っ越(こ)えっ 孫が貰(も)ろでた 爺(じ)の頭脳(びんた) [諸木小春] |
瀬戸口和八九 |
通夜帰(もど)い 仰(お)ねた寒空(かんぞ)れ 星が飛(つ)っ |
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棟上げん 粢(しと)ぎゃまっぽし 禿い飛(つ)っ |
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柿(かっ)の枝(え)で 踏(ふ)ん跨(また)がった 吊(つい)大根(でこん) |
惣福節子 |
担売(いねう)いの 野菜(やせ)あぶったい 露(ち)を負(かる)っ |
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養子(よし)じゃれば 下宿(げしゅっ)じゃいよな 時(とっ)もあっ |
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病気(やんめ)姑(か)け 稔(みの)いの一穂(ひとほ) 握(にぎ)らせっ |
高橋金峰 |
通知表(つうしんぼ) 5が小遣銭(つけぜん)ぬ やれせびっ |
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長病(ながやん)の 尻取(しいと)い嫁は 疲(だ)れ倒(と)けっ |
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一人(ひと)いなっ 針(はい)一本で 子を育(お)えっ |
田代彦熊 |
夜逃げとな 知(し)たじ荷造(にづく)ゆ 加勢(かせ)をしっ |
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金銭(ぜん)の苦労(くろ) 女房(かか)ん白髪(したが)が また増(いみ)っ |
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毛虫(ほじょ)んよな 眉毛(めげ)をつけちょい 武者人形(にんぎょ) |
田中栄泉 |
蚤(のん)の夫婦(みと)b亭主(とと)は逃げ腰(ご)し 下知(げ)つばしっ |
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我慢(きば)っ食(く)た 酒寿司(さけず)し下戸は 目を回(ま)えっ |
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腹を割(わ)っ 語(かた)いが言(ちゅ)たて 掴(つか)ん合(よ)っ |
田中五郎大 |
出稼(でかせ)っの 亭主(とと)を待(ま)っちょい 手打(てう)っそば |
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良(よ)か料理(じゅい)も 汚(きっさ)ね皿じゃ 美味(うん)も無(の)し |
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襷(たすっ)がけ 婆(ばば)が出番の 餅(もっ)ちぎい |
谷口千枝子 |
平常(かねっ)せん 車(くいま)を洗(あ)るで 雨が降(ふ)っ |
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雨ん降(ふ)い 花(は)ね水(み)ず掛(か)くい 一年生(いっねんぼ) |
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飲んだ勢(い)き 自慢(おぎら)を吐(か)やす 歯痒(はが)い亭主(とと) |
谷口楽狂 |
会釈(えしゃっ)上手(じょす) 一皮剥けば 厳(いみ)し婆(ばば) |
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定年(やめ)たなあ (ゆ)こっも効(き)けじ 草むしい |
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違(ち)ごた世が 来(く)いよな音ん 除夜ん鐘 |
田辺長作 |
年とす越(こ)そが 出(で)っ行(じ)た女房(かか)あ 沙汰も無(の)し |
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上手(じょし)な字ん 割(わ)いな少(すっ)なか 祝金(つつんぜん) |
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鮎(あ)や釣(つ)れじ 魚篭(てご)が恥(は)ずけた 解禁日 |
田辺遊狂 |
あん親じゃ とても出来(でく)いめ 貰(も)れ相談(そだん) |
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教育(きょいっ)ママ 中学(ちゅうが)きなったや 手が出(で)らじ |
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鳳仙花(とっさご)あ 触(かか)ったぶんで 種子を撒(め)っ |
田原大黒 |
新入学(しんにゅがっ) 子よっか女房(かか)い 金(ぜん)が要(い)っ |
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夏(なっ)ばても 苦瓜(ごい)と豆腐(おかべ)で 乗(の)い越(こ)えっ |
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飲(の)んでたや 社長(しゃちょ)もごろいと 友達(ど)しなけっ |
田畑ポンカン |
彼岸詣(め)い 婆(ばば)どん連(つ)れっ 説教(せっきょ)聞(き)っ |
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お年玉 大(ふ)と小(こ)も準備(しこ)て 孫を待(ま)っ |
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孫なんだ 酔(よく)れ爺(じ)さまを 馬(うん)めしっ |
埀野剣付鶏 |
言(ゆ)てんせん 言(い)わにゃなおせん 勉強(べんきょ)嫌(ぎ)れ |
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気が乗(の)らじ 読(よ)んでた書物(しょも)つ 枕(まく)れしっ |
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平川ん猿(よも)も 疲(だ)れた態(ふ) 子供(こどん)の日 |
中馬美丈夫 |
熱帯夜 蚊帳ん吊手(ついて)は 切(き)れどえっ |
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噴(ふ)っ桜島(しま)ん 騒動(そど)は横目い ワンダフル |
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田植え女房(かか) 大乳房(うぢち)が膝頭(つぶ)し 乗(の)いかかっ |
塚田黒柱 |
出世をば 諦めたなあ 肥(こ)えでけっ |
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ゴリラかあ 見れば面白(おもし)て 人間(ひと)ん顔(つら) |
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禿々(はげはげ)ち 持(も)てん奴(わろ)共(ど)が きし吐(か)えっ |
坪山喜楽 |
金(ぜん)な無(ね)が 借(か)いが無(な)かれば 良(よ)か正月(しょがっ) |
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火事(かし)の時(と)か あげんないかん 出初式(でぞめしっ) |
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長電話 行(い)たっ語(かた)れち 祖父(じ)が叱(く)るっ |
津留見酎児 |
飢(ひだ)り奴(と)と 盛皿(もいざ)れ組んだ 運(ふ)の悪(わい)さ |
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腹下し 隣(とな)いも呉れた 貝(びな)が心配(せわ) |
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朝飯(あさめ)すば 食(く)とった順に 金(ぜん)催促(せずっ) |
出口あやめ |
大往生(だいおうじょ) 天寿ん爺(じ)をば 祝(ゆお)っやっ |
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土手っ腹(ぱ)れ 投げ箒(ぼ)くくろた 盗人(ぬすと)猫 |
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にわか客(ぎゃ)き 黴(こし)臭(く)せ夜具(よっ)で 気が引(ひ)けっ |
さいも長(な)ご 生(い)きれち嫁が 義理(ぎい)の愛想(えそ) [久永桂心] |
油紙(あぶらが)み 火を付けたごっ 婆(ば)は喋(しゃべ)っ [永吉正子] |
空ん旅(たっ) 地面(じだ)い着(ち)た時(と)か 大息(うい)く付(ち)っ [前村泰山] |
好(す)っじゃった あん娘(こ)も今じゃ 腰(こ)す曲(ま)げっ [新地十意] |
親が逝(い)っ 年齢(と)し不足(ふそ)か無(ね)が 寂(とぜ)んのし [吉岡道場] |
分厚(ぶあ)ち本 二分で俺(お)ゆば 寝(ね)せつけっ [石塚律子] |
坊主(ぼし)じゃれば 友人(どし)の見舞(みめ)いも 行(い)っ難(にく)し [福冨野人] |
湯上(ゆあ)がいの 豚が来たよな 女房(か)け唖然(あけっ) [山元自在鉤] |
善哉(ぜんざ)ゆば 出(で)たや怒(はら)けた 一斗甕(いっとがめ) [入来義徳] |
年金で つるん足(た)らんの 暮(くら)しゅしっ [原田菊男] |
名月(めいげっ)も 休肝日でな 普通(ただ)ん月(つっ) [郷田悠々] |
別室(べっしっ)で 預金通帳(つうちょ)と 寝(ね)ちょい女房(かか) [津留見一徹] |
ブブゼラも 勝てば騒(やぞろ)しゅ 無(ね)ごっなっ [桑元行水] |
盗人(ぬしと)どま 一背負(ひとかれ)じゃいが 火は裸 [野村三味] |
厚化粧(あっげしょ)ん 悔(くや)し涙(なんだ)が 溝を掘(ほ)っ [松下青雲] |
胡麻擂(ごます)いが 課長(かちょ)ん呆(ぼ)え歌(う)て プロち言(ゆ)っ [堂園三洋] |
将来(さ)きゃ頼(たの)ん 言(つ)たや気力(あや)んね 欠伸(あく)ぶしっ [中囿和風] |