薩摩郷句誌「渋柿」
第673号
雑吟 永徳天真選
一番槍 | 反抗期 母(はほ)を家来の ごっ吐(か)えっ [樋口一風] |
二番槍 | 病(やん)の亭主(と)て 少(ちっ)た歩(さ)れこち 庭(に)へ誘(さそ)っ [樋渡草団子] |
三番槍 | 欲(よ)か言(ゆ)まい 一緒(ひと)ち泣(ね)っ笑(わ)る 亭主(とと)が居(お)っ [樋渡草団子] |
四番槍 | 丸(まっ)で草履(ぞい)婆(ば)が孫(ま)げ用意(しこ)た ハンバーグ [石塚律子] |
五番槍 | 来(く)んな言(ちゅ)て 来ればやっぱい 嬉(うれ)し見舞(みめ) [石原ミエ子] |
六番槍 | 音もせじ そろいと来(く)っど エコ車(ぐいま) [西 幸子] |
七番槍 | 義理張(ぎいは)いも 卵で済んだ 頃が良(よ)し [松下青雲] |
渋柿集
栫 路人 | 一粒(ひとつっ)も 残(の)こさじ食(く)えち 爺(じ)が躾 |
金(ぜ)ぬ払(は)るっ 刈(か)いしこ毛どま 無(な)か頭(びんた) | |
衣装(いしょ)選(えら)っ 合(あ)わじごろいと 仕立て縫い | |
酷(ひ)で疫病(えっびょ) 疎開(そか)ゆばしちょい 牛(べぶ)と豚 | |
住所録(じゅしょろっ)ペケが多(う)こなっ 寂(とぜ)んのし | |
有川南北 | ブーメラン 投げた辺野古ん 元(も)てもどっ |
鳩さあも やっぱい五月(ごが)ち 息(せ)が切(き)れっ | |
俄にわか床屋(どこ) 錆(さっ)くれ鋏(はさ)み 子が悲鳴(おね)っ | |
遅(お)そか昼(ひい) 鰹節(ふし)飯(め)す猫と 三時(さん)じ食(く)っ | |
爺(じ)も元気 色気話の 仲間(な)け加(かた)っ | |
弓場正己 | 龍馬(りょう)め似た 父(ちゃん)な郷中(ごじゅ)でな 人気者(にんきもん) |
盆三日 花ん御馳走(ごっそ)ん 先祖墓 | |
新(にい)精霊(じょろ)も 腰パン孫い け驚(たまが)っ | |
保育園 こけも派閥(はばっ)が も早(へ)出来(でけ)っ | |
金(ぜん)の順 字ずい小(こ)むない 寺ん寄付 | |
堂園三洋 | デート前 胸ん動悸(とため)き 眠(ね)やならじ |
夫婦(みと)喧嘩 女房(かか)い蹴(け)られっ 皮下内出血(つぐろじん) | |
まだ食(く)えち 背中を摩(さす)い バイキング | |
美人(シャン)の脛(す)ね 止まった蚊をば 叩(た)てっやっ | |
昨日(きぬ)んとを 反芻(にどがん)ぬすい 休刊日 | |
永徳天真 | 大笑(ひたわ)れが 木戸ずい響(ひび)っ 盆の里 |
罪(つん)な無(ね)が 蛞蝓(なめく)し塩を 浴(あ)びらせっ | |
バーゲンな 戦場(せんじょ)やんきも 掴(つか)ん合(よ)っ | |
郷中(ごじゅ)公役(くやっ) あらかた済めば 茶どん飲(ぬ)っ | |
名店ち 聞(き)たがことろしゅ 旨(う)もあ無(の)し |
山椒集 題「人相(にんそ)」 有川南北選
天 | 総入歯(がんぶい)で がらっひっ違(ち)ご 婆(ば)ん人相(にんそ) [日隈英坊] |
地 | 人相書(にんそが)く 見(み)ちゃ俺(お)ゆ見(み)ちょい はがい奴(わろ) [中間紫麓] |
人 | 人相(にんそ)は良(え)どん 惜(お)しこち 小短躯(こじっくい) [原田菊男] |
五客一席 | 派出所い 亭主(て)し良(ゆ)う似(に)ちょい 人相書(にんそがっ) [石塚律子] |
五客二席 | 人相(にんそう)が 一杯(いっぺ)ん焼酎(そつ)で 恵比須顔(えびすづら) [中村雲海] |
五客三席 | 強面(こわもて)ん 人相(にんそ)ん割(わ)いな 優(やさ)し内心(ねしゅ) [澤津乙名] |
五客四席 | 人相書(にんそが)き 似たよな顔(つら)ち 友人(ど)しゅ揶揄(ちょく)っ [北村虎王] |
五客五席 | 生(い)っ様ざまが 悪(わ)りで人相(にんそ)も ひっ変(か)わっ [福冨野人] |
選者吟 | 我(われ)乍(なが)い 免許写真の ひで人相(にんそ) [有川南北] |
龍虎集 「時事吟」 堂園三洋選
天 | ま一足(いっそっ) 草鞋(わら)ず履(ふ)ん言(ちゅ)う 柔(やわら)ちゃん [石塚律子] |
地 | 沖縄を ぐりっ騙(だま)けた マニフェスト [樋口一風] |
人 | 千勝(せんしょ)いにゃ 握(にぎ)っ放(はな)さん 右上手(みっうわて) [福冨野人] |
四天王一席 | 口蹄疫(こうてい)で 牛(べぶ)豚農家 血の涙(なんだ) [楠八重渓流] |
四天王二席 | 煮え切(き)らん 政策(さ)き連立(れんり)つば 抜け出(だ)せっ [吉岡道場] |
四天王三席 | 基地移設(いせ)ち 油断な出来(でけ)ん 徳之島(とっのしま) [満留ぐみ] |
四天王四席 | 毎日(めにっ)聴(き)っ 県民歌(けんみんか)じゃろ 地デジ歌(うた) [瀬戸山刀青] |
選者吟 | 鹿児島(かごっま)ん ミニ衛星も 大空(うぞ)れ飛(つ)っ [堂園三洋] |
郷句相撲 題「毒(どっ)」
横綱(東) | 毒皿(どっさら)を 秘書い宛(あて)ごた 金(きん)バッチ [有馬純秋] |
横綱(西) | 心(しん)の臓(ぞ)を 一突(ひとつ)きすそな 毒舌家 [上薗佳笑] |
大関(東) | 身体(から)で毒(どっ) 思(と)もどん美味(うん)め 焼酎(しょちゅ)煙草 [石塚律子] |
大関(西) | 毒(どっ)が有(あ)い 言方(ゆかた)をすっで 友達(ど)しゃおらじ [前村泰山] |
関脇(東) | 多(う)け健康食品(サプリ) 反(かえ)っちゃ毒(どっ)ち 亭主(てし)が叱(が)っ [満留ぐみ] |
関脇(西) | 毒(どっ)言(つ)なら 飲んでけ死(し)もち 余計(じんじ)飲(や)っ [中囿和風] |
小結(東) | 毒(ど)かタバコ 焼酎(しょつ)あ薬(くすい)ち 毎日(めにっ)飲(ぬ)っ [伊地知 孝] |
小結(西) | 人生の道(み)つ 踏(ふ)ん外(は)じた 大麻毒(どっ) [弓場正巳] |
筆頭(東) | 期限切れ 毒(ど)きなないめち 婆(ば)は食(たも)っ [佐伯山神] |
筆頭(西) | 無免許が 毒(どっ)も煮(に)い込(く)だ 河豚(ふぐ)ん料理(じゅい) [米元年輪] |
二枚目(東) | 毒(ど)きなっち 焼酎(しょちゅ)ん五杯目(ごへめ)を 取(と)い上(あ)げっ [堂園三洋] |
二枚目(西) | 嫁(い)かん娘(こ)が 新婚夫婦(みと)ん 毒(ど)き当(あ)たっ [樋口一風] |
三枚目(東) | 混浴(こんよっ)で 目の毒(ど)きなった 露天風呂 [福山吉連] |
三枚目(西) | 身体(から)で毒(どっ) 言(ちゅ)どん煙草が 税(ぜ)ゆ稼(かせ)っ [江口紫朗] |
四枚目(東) | きみまろん 毒舌(どっぜ)ちゃ客(きゃっ)の 笑(わ)れを取(と)っ [西 幸子] |
四枚目(西) | 毒入(どっい)いの ギョウーザごろいと 泥を吐(へ)っ [入来義徳] |
五枚目(東) | 毒餌(どっえ)をば 気の利(き)た鼠(ねず)ま 避(よ)けっ行(い)っ [樋渡草団子] |
五枚目(西) | 薬(くすい)言(ちゅ)が 毒(ど)きもない焼酎(しょちゅ) ごいと飲(ぬ)っ [上山天洲] |
六枚目(東) | 喫煙(すい)すぎは 体い毒(どっ)ち 値上げしっ [山元自在鉤] |
六枚目(西) | ノーブラで 目の毒(どっ)言(ちゅ)よな 風呂上(あ)がい [福冨野人] |
七枚目(東) | 二日(ふっか)酔い 毒消(どっけ)しじゃっち ぐつっ飲(や)っ [郷田悠々] |
七枚目(西) | 婆(ば)ん唇(すば)い 毒(ど)きけなろそな 真赤(まっ)け紅(べん) [今井夢紫] |
八枚目(東) | 気分次第(しで) 時(と)きな毒(ど)きない 隣家(つっ)の義姉(あね) [北村虎王] |
八枚目(西) | 子供(こどん)にな 目の毒(どっ)消(け)せた ラブシーン [吉岡道場] |
親方吟(東) | 毒舌(どっぜっ)の 姑(ば)べな七味を ごいと振(ふ)っ [津留見一徹] |
親方吟(西) | ケーキ好(ず)く 糖尿(とうにょ)い毒(どっ)ち 取(と)い上(あ)げっ [諸木小春] |
薩摩郷句作品集(薩摩狂句集「くろぢょか」より抜粋)
篠原超短波 | オペが済(す)ん メスが足(た)らんち 大騒動(うそ)でなっ |
出た毛虫(ほじょ)が 冷(ひ)え出(で)た仲ん 縒(よ)ゆ戻(も)でっ | |
竜踊(じゃおど)いに 諏訪神社(おすわ)ん境内(にわ)は 血がたぎっ | |
下小薗客馬車 | 三が日 済めば去年の 妻(か)け戻(もど)っ |
懐(ふつくら)が 寒(さ)みで言(ちゅ)う議(ぎ)も 角(かど)があっ | |
無料(ただ)焼酎(じょちゅ)を 飲(の)ん山芋を 掘(ほ)っ戻(もど)っ |
第109回南日本薩摩狂句大会 兼題「唇(すば)」 堂園三洋選
特選 | 救命法(きゅうめいほ) 冷(つん)て人形(にんぎょ)ん 唇(すば)で稽古(けこ) [福冨野人] |
秀一 | 恋人(ぬ)し唇(すば)を 許(ゆ)りたが間違(まっ)げ 今地獄(じごっ) [石塚律子] |
秀二 | 挨拶(えさっ)下手 唇(すば)を舐め舐め 紙(かん)ぬ読(よ)ん [小瀬一峻] |
秀三 | 紫黒(ずぐ)れ唇(す)べ こら早(は)えかった 海開(うんびら)っ [米元年輪] |
秀四 | 結婚(といえ)当初(はな) 忘れ物(もん)言(ちゅ)て 唇(すば)を出(で)っ [有川南北] |
秀五 | 義理(ぎい)のキス 賞味期限な 過ぎた唇(すば) [澤津乙名] |
軸吟 | 辛(つ)れ別れ 汽車ん窓越(まどご)し 唇(すば)と唇(すば) |
第109回南日本薩摩狂句大会 兼題「嗅(かず)ん」 弓場正巳選
特選 | 母(はほ)ん日な 形見(かたん)の着物(いしょ)を 嗅(かず)でみっ [石塚律子] |
秀一 | 母(はほ)ん味(あ)ず おてちき嗅(かず)だ 宅急便(たっきゅびん) [堂園三洋] |
秀二 | 新茶(ちゃ)の鑑定(かんて) 摘(つま)んじゃ嗅(かず)で 賞(しょ)を決(き)めっ [有馬湧声] |
秀三 | 初孫(はっまご)ん 可愛(む)ぞか一発(いっぱ)つ 爺(じ)が嗅(かず)ん [入来院彦六] |
秀四 | 嗅(かず)んみて 賞味期限な 自分(わ)が決(き)めっ [西迫順風] |
秀五 | 春(は)ゆ嗅(かず)ん 思(と)もえば楽(らっ)な 草毟(むし)い [石塚律子] |
軸吟 | 花粉症 何(な)ゆ嗅(かず)んでん 効(しょ)をうたじ |
第109回南日本薩摩狂句大会 兼題「歩(さ)るっ」 有川南北選
特選 | 外股(そとがん)の 女房(かか)が歩(さ)るけば 避(よ)くい犬(いん) [上籠若菜] |
秀一 | 痛(い)て腫物(ねっと) ペンギンの様(よ)な 態(ふ)で歩(さ)るっ [有馬湧声] |
秀二 | 中央駅(ちゅうおえ)く 久振(なごぶ)い歩(さ)れた 目の正月(しょがっ) [上籠若菜] |
秀三 | 子は叱(く)るっ 犬(いん)な丁寧(てね)らしゅ 抱(で)っ歩(さ)りっ [澤津乙名] |
秀四 | 土産をば 買(こ)け歩(さ)りた様(よ)な 一日(ひして)ツア [大西学老] |
秀五 | 金(ぜ)ぬ拾(ひ)るっ 俯(くろじ)っ歩(さ)るっ 癖が付(ち)っ [入来創雲] |
軸吟 | 手を繋(つ)ねっ 歩(さ)るっで郷中(ごじゅ)ん 噂(うわ)せなっ |
第109回南日本薩摩狂句大会 兼題「大儀(て)せ」 栫 路人選
特選 | 大儀(て)せ時(と)きな 先(さ)き寝(ね)らんかち 優(やさ)し亭主(とと) [永吉正子] |
秀一 | 箸(てもと)ずい 大儀(て)せ態(ふ)で可哀相(ぐら)し 長病(ながやんめ) [上山天洲] |
秀二 | 無頓着(むとんじゃ)く 数値で叱(が)った 大儀(て)せ肝臓かんぞ [津留見一徹] |
秀三 | リストラん 名簿作(づく)いの大儀(て)せ 役目(やっめ) [澤津乙名] |
秀四 | 鍬(くゎ)も大儀(て)せか 一畝(ひとうね)あげちゃ きし休(よく)ん [石野蟹篭] |
秀五 | 其処ずいの 買物(けもん)も大儀(て)せ態(ふ) 臨月腹(とつっばら) [吉岡道場] |
軸吟 | 大儀(て)せかどん 大儀(て)せち言(い)われん ボランティア |
第410若法師忌・第23回雪尾忌句会 兼題「妙(す)だ」 石塚律子選
天 | 息(い)く殺(こ)れっ 妙(す)だ病(びょ)の治(さず)む 牛(べぶ)と待(ま)っ [諸木小春] |
地 | 妙(す)だ娑婆で 女房(かか)が働(はた)れっ亭主(て)しゃ育児 [北村虎王] |
人 | 有(あ)い難(が)との あの字も言(ゆ)わん 妙(す)だ嫁御(よめじょ) [諸木小春] |
佳 | 妙(す)だ匂(かざ)ん 午前様(ごぜんさあ)をば 裸(はだ)けしっ [樋口一風] |
佳 | 妙(す)だ寝言(ねご)ち 亭主(て)す揺(ゆす)い起(お)けた 悋気(じんき)女房(かか) [佐土原 隆] |
佳 | 女房(か)け言(ゆ)えん 妙(す)だ夢を見(み)っ 起(おこ)されっ [栫 路人] |
選者吟 | 妙(す)だ調子(おだめ) 稽古(けこ)を混(ま)ぜくい 婆(ばば)ん撥(ばっ) [石塚律子] |
第410若法師忌・第23回雪尾忌句会 兼題「老爺(おんじょ)」 樋口一風選
天 | 島あ過疎 頑張(きば)らなならん 老爺(おんじょ)医者 [中村雲海] |
地 | 九十(くんじゅ)爺(じ)ん 電池も時(とき)にゃ 切(き)れかかっ [諸木小春] |
人 | ポキポキち 老爺(おんじょ)んヨガあ 音がしっ [石塚律子] |
佳 | 太鼓(てこ)叩(たた)く 過疎が老爺(おんじょ)も 素引(そび)っ出(で)っ [吉岡道場] |
佳 | ミニん足(あ)す 拝見(おが)んけ老爺(おんじょ) 今日(きゅ)も出張(でば)っ [上薗佳笑] |
佳 | 恋文(こいぶん)の 代書で儲(も)くい 気の若(わ)け爺(じ) [佐土原 隆] |
選者吟 | 若(わ)こ見(み)えっ 鬘(かつら)を脱げば 凄(わ)ぜ老爺(おんじょ) [樋口一風] |
その他の秀句 (順不同)
苛(こな)された 嫁が尻(し)ゆ取(と)い 二度童子(わらし) [中村雲海] |
句作(づく)ゆば 教(いっか)せた友人(ど)し 追抜(うに)かれっ [福山吉連] |
俄客(にわかきゃ)き 台所(おすえ)じゃ厳(いみ)し 包丁(ほちょ)ん音 [吉岡道場] |
嗅(かず)んみっ 打捨(うっ)せきらんた 亭主(て)し食(くゎ)せっ [郷田悠々] |
盗焼酎(ぬすっとじょちゅ) 何言(なんつ)わならん こんスリル [楠八重渓流] |
古狸(ふるだぬ)か 上下(うえし)て慣れた 世辞(め)しばとっ [新地十意] |
繰(く)い下手(べた)が 財布(ふぞ)ん塵(ごん)ずい 引張(そび)っ出(で)っ [原田菊男] |
精霊様(しょろさあ)と 半分こしっ 美味(う)めビール [満留ぐみ] |
飽(あ)っもせじ 毎日(めにっ)続(つ)じちょっ 女房(かか)ん愚痴(ぐぜ) [萬福平次] |
米寿祝(べいじゅゆえ) 冥途ん旅(たっ)の 一里塚 [井手上政暎] |
待(ま)っつけじ 爺(とと)はあん世で 再婚(にどめ)かも [中間紫麓] |
雨が止(や)ん 傘あ飲(の)ん屋い またキープ [伊地知 孝] |
マネキンが 着たごたいかん 試着室(しちゃっしっ) [諸木小春] |
月(つっ)が良(え)で 歩(さ)るこち金(ぜん)の 無(な)かデート [樋口一風] |
演技賞(えんぎしょ)を 与(や)ろそな詐欺ん 涙声(なんだごえ) [米元年輪] |
涙脆(なんだも)れ 女房(かか)は屁(へ)のよな ドラめ泣(ね)っ [有川南北] |
臭(く)せ臭(く)せち 言(ゆ)ながいもまた 嗅(かず)んみっ [市来流星] |
女房(かか)ん口(く)ち 言負(ゆま)けた唇(すば)が 攣(つ)いでけっ [上籠若菜] |
持(も)てもせん 背広を嗅(かず)ん 悋気(じんき)女房(かか) [津留見一徹] |
美男子(よかにせ)は 何処(どこ)歩(さ)ろてん 俺(おい)一人(ひとい) [入来院彦六] |