栫 路人 |
乾杯の コップを義理(ぎい)で 下戸も飲(の)ん |
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気障(きざ)な奴(わろ )飯(めし)食(く)時(とっ)ずい 小指(ゆ)ぶ立(た)てっ |
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可笑(おか)し可愛(む)ぜ 娘(こ)ち褒(ほ)められっ 作(つく)い笑(わ)れ |
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仕事(しご)ちゃ無(の)し 庭を弄(いじく)っ 日を潰(つ)びっ |
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うっといと 我(わ)が娘(こ)眺(なが)むい 嫁支度(よめじたっ) |
有川南北 |
今年(こと)しゃ甚(ひ)で 日日(ひにっ)毎日(めにっ) 灰(へ)の御馳走(ごっそ) |
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一晩(ひとよさ)で ドカ灰(べ)車(くいま)を 黒(く)ろ染(そ)めっ |
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春風(はいかぜ)が 吹(ひ)けば入れ替(か)い 花粉症 |
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基地移転 何彼(ないかい)言(ちゅ)うち 五月(ごが)ちゃそこ |
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店舗(みせ)改装(がえ)を したや味(あっ)どま がた落(お)ちい |
弓場正己 |
塗(ぬ)いたくっ 色気どこいか 妖怪(めん)になっ |
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取(と)い調(しら)べ 真実(まこ)つテープが 暴(あば)っ出(で)っ |
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花冷えい 厚(あ)ち襦袢(じばん)ぬば 持(も)っ出(だ)せっ |
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表書(おもてが)か 大切(てせっ)ち書(け)ちゃい 督促状(とっそっじょ) |
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満員車 座った前い 臍が立(た)っ |
堂園三洋 |
焼酎瓶(しょちゅびん)が 彼処(あひ)けあっとに 茶どん出(で)っ |
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洗濯機(せんたっき) 大事(でし)な諭吉(ゆき)つば 揉(も)んたくっ |
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控え目な 語(かた)いも魅力(みりょっ) 隣(つっ)の奥様(こじゅ) |
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チラす見(み)い 女房(かか)ん眼が違(ち)ご 年金日 |
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難(むっか)し字 中はごちゃごちゃ 大概(てげ)い書(け)っ |
永徳天真 |
八割(はちわい)は 聞(き)っ役(やっ)じゃった 長電話 |
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美人(シャン)の女将(マ)め 骨抜きされっ 今日(きゅ)も通(かよ)っ |
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今日(きゅ)も負けっ 残念会の 弱(よ)えチーム |
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鈍(ぬ)り役所(やっしょ) 待たせた上(うえ)い 盥回(たれまわ)し |
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美男子(よかにせ)ん 影も無かった クラス会 |
天 |
青年(にせ)ん寄(よ)い 色気話で 座が賑(はず)ん [入来義徳] |
地 |
髪(かん)ぬ洗(あ)る 少女(おご)ん素肌(すは)でな もへ色気 [上薗佳笑] |
人 |
色気付(ぢ)っ 勉強部屋い 鍵(か)ぐ掛(か)けっ [中村雲海] |
五客一席 |
タオルどん 胸(む)ね巻(め)っ婆(ば)べも まだ色気 [石塚律子] |
五客二席 |
まれけんな 色気ん欲(ほ)しか 煤(すす)け女房(かか) [入来創雲] |
五客三席 |
化粧(けしょ)仕様(しよ)じゃ 女房(かか)は色気ば 未(ま)だ残(の)けっ [有馬純秋] |
五客四席 |
共稼(ともかせ)っ 女房(かか)ん色気い 気が揉(も)めっ [吉岡道場] |
五客五席 |
イケメンに 色気娘達(おごど)が 纏付(めち)っ来(き)っ [樋之口墨矢] |
選者吟 |
懐(つくら)どん 狙(ね)ろっ色気で 躙(にじ)い寄(よ)っ |
横綱(東) |
合格(とお)ったち 家族中(けねじゅ)気分の 良(よ)か電話 [西ノ園ひらり] |
横綱(西) |
気分次第(しで) 叱(く)るたくったい 好(す)っ言(つ)たい [楠八重渓流] |
大関(東) |
滅入(めい)ろそな 気分ぬ変えた 孫ん声 [樋渡草団子] |
大関(西) |
入賞(にゅうしょ)しっ 気分な最高(さいこ) 美味(うん)め焼酎(しょちゅ) [井手上政暎] |
関脇(東) |
フルムンで 新婚(といえ)気分ぬ 取(と)い戻(も)でっ [石塚律子] |
関脇(西) |
借金(しゃっせん)で セレブ気分の ハネムーン [樋口一風] |
小結(東) |
女房(かか)ん留守(ずし) 気分良好 飛(つ)で歩(さ)れっ [堂園三洋] |
小結(西) |
高速(こうそ)くば レーサ気分で 飛(と)ばし青年(にせ) [米元年輪] |
筆頭(東) |
バブん湯も 気分な草津 歌も出(で)っ [西 幸子] |
筆頭(西) |
茶柱(ちゃばした)で 気分が直(なお)い 楽(だっ)な亭主(てし) [桑元行水] |
二枚目(東) |
酔(よく)ろえば 歌手ん気分で 持(も)っマイク [日隈英坊] |
二枚目(西) |
給料(はれ)ん日は 気分良(ゆ)亭主(とと)を 送(おく)い出(で)っ [原田菊男] |
三枚目(東) |
鼻歌で 混浴(こんよ)き浸(つか)っ 良(よ)か気分 [盛満椒平] |
三枚目(西) |
飲(の)ん友人(どし)と 暖簾ぬ潜(くぐ)っ 良(よ)か気分 [上瀬明星] |
四枚目(東) |
四畳半(よじょはん)に ほろ酔(え)気分の 膝枕 [入来創雲] |
四枚目(西) |
クリスマス 気分の飛行機内(きな)や テロで騒動(そど) [入来義徳] |
五枚目(東) |
隣席(つ)ぎゃ横杵(よんご) 気分が悪(わ)りち 席(せ)くば立(た)っ [北村虎王] |
五枚目(西) |
新婚の 気分も冷めた 大鼾(いびっ)夫(とと) [鮫島牧峰] |
六枚目(東) |
趣味(しゅん)の農業(さっ) 良(よ)か気分(きんぼこ)で 鍬(か)を握(にぎ)っ [畑山真竹] |
六枚目(西) |
仕舞(しめ)風呂も 気分が良(え)とか 唄が出(で)っ [吉岡道場] |
七枚目(東) |
出勤(でかけ)時(ど)き 諍(いさ)こっ一日中(ひして) 悪(わ)り気分 [満留ぐみ] |
七枚目(西) |
職(しょっ)が無(ね)じ 気分が滅入(めい)っ 卒業式(そっぎょしっ) [江口紫朗] |
八枚目(東) |
散髪(びんたつん) 気分が良(ゆ)なっ つん眠(ねぶ)っ [澤津乙名] |
八枚目(西) |
気分が良(え) 日どま小遣(こつけ)を そいち遣(や)っ [上薗佳笑] |
親方吟(東) |
良(え)気分で 飲(の)ませっ寝せっ 稼(かせ)がせっ [津留見一徹] |
親方吟(西) |
クラス会 ハイテンションで 娘(おご)気分 [諸木小春] |
久保山三蔵塚 |
出初式(でぞめしっ) しゃくった水(みっ)で 虹(に)ずば描(け)っ |
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鬼(おん)な内(うっ) 言(ちゅ)おそな奴(わろ)が 豆を撒(め)っ |
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欲(よっ)な願(ね)げ 天神様(てんじんさあ)も 尻(し)ゆ向(む)けっ |
隈元三植 |
蛸頭(たこびんた) 結(むす)だ鉢巻(はっま)きゃ 首(く)び下(さ)がっ |
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遺産分け 内神様(うっがんさあ)が 邪魔(ま)じけなっ |
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洗面盥(びんだれ)ん 茸(なば)をこせだや 漏(も)いでけっ |
倉元天鶴 |
梅(うんめ)焼酎(じょちゅ) 薩摩切子い しためきっ |
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痒(か)い背中(せな)け 女房(かか)あ火吹竹(ひおこ)す つんぬくっ |
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束子(そら)掛(が)けん 五右衛門風呂い 逆(さ)け転(かや)っ |
黒岩涙月 |
鼻ぺちゃも 愛嬌(あいきょ)があっち 貰(も)れが来(き)っ |
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泥(どろ)込(ご)んの 叺(かまげ)で届(と)じた 実家(さと)ん唐芋(いも) |
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裏口(うらぐっ)も 犬(いん)ぬ繋(つ)ねじょい 後家暮らし |
何時(いっ)寝たか 食(く)たかも知(し)れじ 子を育(お)えっ [吉岡道場] |
遊(あす)っ道(み)つ 知(し)たじごろごろ しちょい亭主(てし) [上山天洲] |
長(な)げ昼寝(ひんね) 夜更(よふか)すしたや また朝寝 [福山吉連] |
歯痒(はが)い女房(かか) 兄弟仲(きょでなか)全部(ずるっ) うっ壊(く)えっ [西ノ園ひらり] |
宝籤(たからくし) 当たれば困(こま)い 使(つ)こ工面(くめん) [中囿和風] |
夫婦喧嘩(みとげん)け ごろいと勝った 長(な)げ黙秘 [諸木小春] |
健(さか)し爺(じ)は 出来(でけ)ん献血(けんけ)ち 歯噛(はが)むしっ [福原福多] |
汗を掻(け)っ 臍(へそ)も待(ま)ちょい 衣替え [津留見一徹] |
花見(はなん)虎(とら) 木の根を枕(まく)れ 残されっ [花園ちづ] |
義理(ぎい)チョコい 禿社長どま 燃えでけっ [大脇保子] |
長電話 掛(か)かっ来たとち始終(はいと)言(ゆ)っ [伊地知 孝] |
都会(まっ)で逢(お)た 郷里(さと)ん訛(なまい)を 呼(よ)っ止(と)めっ [永徳天真] |
入学式(にゅがっし)く 曾孫ずい見た 有難(あいがた)さ [西 幸子] |
嫁ん料理(じゅい) そろいと醤油(しょ)ゆば かけっ食(く)っ [石塚律子] |
太鼓腹(てこばら)ん 貫禄を叱(が)い 検診日 [樋口一風] |
花見(はなん)の座 他所(よそ)ん馳走(しおけ)が 気い掛(か)かっ [石原ミエ子] |
飲(の)んでたや 前(ま)へ聞(き)た自慢(おぎ)れ 鰭(ひれ)が付(ち)っ [栫 路人] |
子ん自慢(おぎら) 種(たね)が違(ち)ごがち 揶揄(ちょく)られっ [工藤天然] |
焼酎(しょちゅ)ん稽古(けこ) 師匠ししょい付(ち)かんじ 一人前(ひといまえ) [倉元天鶴] |
三部経(さんぶきょう) 鉦(じん)で時々(とっどっ) 目が覚(さ)めっ [堂園三洋] |