栫 路人 |
子ん名前 親しか読めん 字が多(う)こし |
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実力(じつりょっ)の 差を認めたや 悔(くや)す無(の)し |
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飯(め)す食(く)とか 膳の片隅(かたす)み 薬(くす)ゆ置(え)っ |
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やっと打(う)っ メールい返事(へし)が 直(いっ)き来(き)っ |
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花見(はなん)茣蓙 干(ほ)せっ飲(の)ん日が 待(ま)っ長(なご)し |
有川南北 |
緩(ゆ)りギッタ 四五歩(しごほ)歩けば ずい落(お)てっ |
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孫ん方(ほ)が 金(ぜん)ぬ持(も)っちょい 正月(しょがっ)明け |
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市長様(しちょさあ)ん お陰阿久根(あっね)は 名をあげっ |
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年齢(と)し不足(ふそ)か 無(な)かち言(ゆ)かたで 病院(びょいん)通(が)え |
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小役人 言(ちゅ)う大臣の 思(お)め上(あ)がい |
弓場正己 |
保険屋い 俺(おい)が値踏(ねぶ)むば さすい女房(かか) |
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携帯(ケータイ)で 命(いの)つば貰(も)ろた 山ん事故 |
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手も足も 女房(かか)ん口撃(こうげ)き 出(で)らん亭主(とと) |
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議(ぎ)も言(ゆ)わじ 寝心地(ねごこっ)が良(え) 抱(だ)っ枕 |
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安(や)しホテル 隣(つっ)の物音(ものお)て 耳(み)む立(た)てっ |
堂園三洋 |
選(え)い過(す)ぎっ おひとりさまん 四十(しじゅ)ん美人(シャン) |
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世は運不運(ふんぶ) 幸(みゆき)夫人ぬ 妬(しょの)ん女房(かか) |
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夫婦(みと)喧嘩 パワフルな女房(か)け 負け通(ど)えっ |
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縁(えん)があっ なま好(す)かん奴(と)と 親戚(やう)ちなっ |
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休刊日 俺(おい)が辞書いな 無(な)か言葉 |
永徳天真 |
また来てち 酔(よく)ろた女将(ママ)が 投げキッス |
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干(ほ)せちょっで 帰(もど)ゆ急(せ)かすい 空模様 |
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女房(うっかた)い すってな理想(りそ)ん サザエさん |
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夕方ん 寝起き朝かち 長病臥(ながねおい) |
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ボロボロん 五体(ごて)で魁皇(かいお)が まだ頑張(きば)っ |
天 |
産まれたち 大声(うごえ)が弾(はず)ん 電話口(でんわぐっ) [吉岡道場] |
地 |
女房(かか)奴(わろ)が 大声(うごえ)ん時(と)きな 給料(はれ)ん前 [前村幸治] |
人 |
山(や)め向(む)こっ 好(す)っち大声(うごえ)ん プロポーズ [諸木小春] |
五客一席 |
遠(とお)か耳(みん) 喧嘩をしちょい 様(よ)な大声(うごえ) [中村雲海] |
五客二席 |
成(な)っちゃこん 大声(うごえ)で叫(お)ろだ マニフェスト [桑元行水] |
五客三席 |
傍迷惑(はためわっ) 夜中(よな)け大声(うごえ)ん 酔(えく)れ客(きゃっ) [久永時盛] |
五客四席 |
何処(ど)け居(お)ろが 女房(かか)ん大声(うごえ)は 筋(す)ず抜(ぬ)けっ [上山天洲] |
五客五席 |
婆(ば)のヒスあ 四五軒(しごけん)先(さ)きも 突(つ)っ抜(ぬ)けっ [樋口一風] |
選者吟 |
発車(で)たバスを 大声(うごえ)で呼(よ)ばこ 乗(の)い遅れ |
横綱(東) |
初孫(はっまご)い 若(わ)け婆(ばあ)ちゃんな まだ四十才(しじゅう) [諸木小春] |
横綱(西) |
まだ若(わ)けち 臍を打(う)っ出(で)っ フラダンス [津留見一徹] |
大関(東) |
十歳(とお)も若(わ)け 女房(かか)が平気で 俺(お)ゆ使(つ)こっ [西ノ園ひらり] |
大関(西) |
まだ若(わ)けち 燃えた二人(ふたい)に 水(み)ず掛(か)けっ [上薗佳笑] |
関脇(東) |
気の分(ぶん)な 若(わ)けち思(お)もどん 利(き)かん五体(ごて) [伊地知 孝] |
関脇(西) |
若(わ)け時(とっ)の 馬鹿が人生(じんせ)ゆ 狂(くる)わせっ [萬福平次] |
小結(東) |
洗剤で 米を洗(あ)るたち 若(わ)け嫁女(よめじょ) [石塚律子] |
小結(西) |
若(わ)け時(とっ)の 泣かせた母親(はほ)い 今悔(くや)ん [花園ちづ] |
筆頭(東) |
服装(よし)と気は 若(わ)けが歩(あゆ)みな 杖が要(い)っ [佐伯山神] |
筆頭(西) |
若(わ)け頃ん 頭(びんた)も今じゃ 惚(ぼ)け通(ど)えっ [上山天洲] |
二枚目(東) |
若(わ)けつもい ど派手な服(ふっ)が 浮(う)っ上(きゃ)がっ [樋渡草団子] |
二枚目(西) |
若(わ)け言(つ)たや 少(すっ)ね髪(かん)の毛 撫(な)でつけっ [中囿和風] |
三枚目(東) |
若(わ)け女房(かか)ん パートん帰宅(もど)ゆば 戸口(とぐ)ち待(ま)っ [北村虎王] |
三枚目(西) |
きみまろん ジョークい笑(わ)ろっ 若返(わかがえ)っ [福原福多] |
四枚目(東) |
若(わ)け時(とっ)の 惚気(のろけ)で賑(はず)ん 爺(じ)の飲(の)ん座 [山田竜生] |
四枚目(西) |
奪(ば)こっ取(と)い 若(わ)け衆(し)い負(ま)けじ 引張(そび)っ婆(ばば) [原田菊男] |
五枚目(東) |
若禿(わかはげ)を カツラで隠(か)きた ハネムーン [澤津乙名] |
五枚目(西) |
若(わ)こ見(み)すち ミニで歩(さ)りちょい 煤(すす)け女房(かか) [江口紫朗] |
六枚目(東) |
若(わ)け時(とっ)の 写真も見(み)せっ 爺(じ)の葬式(おくい) [津留群志] |
六枚目(西) |
若(わ)け妻(かか)を 娶(も)ろっピンクを 着(き)せられっ [樋口一風] |
七枚目(東) |
若(わ)けつもい 真赤(まっ)けネクタゆ して歩(さ)りっ [福山吉連] |
七枚目(西) |
若(わ)け嫁が 来(き)っ麦踏(むっふ)んも 埒(だっ)がえっ [入来義徳] |
八枚目(東) |
若(わ)け間(はざ)は 夢も大(ふ)と小(こ)も 沢山(ずばっ)あっ [畑山真竹] |
八枚目(西) |
若者(わけもん)に 通訳(つうや)くしちょい 婆(ば)の郷句 [田中末木] |
親方吟(東) |
気は若(わ)けが まっで似合(にお)わん 爺(じ)の鬘(かつら) [吉岡道場] |
親方吟(西) |
過疎ん集(よ)い 六十才(ろくじゅ)で若(わこ)し 使(つ)け走(はし)い [入来創雲] |
楠八重紫庵 |
研修会(けんしゅかい) 午後(ひい)からがらっ 少(すっ)のなっ |
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聞(き)かん子が 母親(かか)ん血圧(けつあ)つ 吊(つ)い上(あ)げっ |
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隠(か)きた病(びょ)を 見舞客(みめきゃっ)が 口(く)つ滑(すべ)らせっ |
楠元フクエ |
家建(えた)て祝(ゆえ) 座持(ざも)ちゃ管巻(じじら)も 丸(まい)め込(く)っ |
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石蕗(つわ)採(と)いの 友人(ど)す見(み)しけかて 山あ騒動(そど) |
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娘(おご)ん尻(し)い 真(ま)っぽし投(な)ぐい 苗配(くば)い |
久保南天 |
花見(はなん)料理(じゅい) 隣(とない)の茣蓙(ご)ぜも 挟(はす)んやっ |
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稲落(お)とし 茶も沸(わ)かんうち 俵(ひゅ)が届(と)じっ |
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多(う)け薬(くすい) 何(な)い効(き)っとかも 知(し)たじ飲(ぬ)っ |
久保よも猿 |
飲(の)ん友達(どし)が 来(き)たや女房(かか)どま ふくれ顔(づら) |
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新(に)か夫婦(みと)は 大腹(うばら)かかえっ 年始(ねんつ)回(め)い |
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看病(かびょ)要(い)らじ 楽(だっ)な往生 婆(ば)は逝(い)たっ |
よいなこっ 退職(やめ)たや女房(かか)が 使(つ)こたくっ [新地十意] |
カーナビが 深(ふ)け山道(やまみっ)に 駄々(ねじゅ)食(く)ろっ [諸木小春] |
多数決(たすうけっ) 横(よん)ごん議(ぎ)どま 踏(ふ)ん潰(つ)びっ [樋口一風] |
マネキンが 着(き)っで似合(にお)とい 買(こ)ち引(ひ)かじ [上山天洲] |
産(さん)の見舞(みめ) パパ似(に)ち言(ゆ)えば 支障(さわ)や無(の)し [江口紫朗] |
耳(みん)の穴(す)で 騒(せか)らし蝉(せっ)が 冬(ふい)も鳴(ね)っ [前田あやめ] |
転勤(とば)さるい 原因(わけ)は噂が先(さ)き届(と)じっ [日隈英坊] |
裏返(けしんめ)も 知(し)たじ一晩(ひとばん) 飲(ぬ)で歩(さ)れっ [桑元行水] |
馴れ初めを 腹で子も聞(き)っ 出来(でけ)た婚 [樋口一風] |
負(ま)くい前 なれば大声(うごえ)で 叫(おら)っ亭主(とと) [上薗佳笑] |
若君(わかぎみ)は 億(おっ)ち小遣銭(こつけ)も 知(し)たじ済(す)ん [桑元行水] |
料理(じゅい)の数(かし) 腹い詰(つ)め込(く)ん バイキング [内野茶柱] |
軽(か)り荷(に)をば 選(え)って運(はこ)じょい 義理(ぎい)の加勢(かせ) [吉岡道場] |
子ん躾(しつけ) 嘘ん涙(なんだ)も 時(とき)にゃ良(ゆ)し [鈴木芳子] |
霊柩車 犬(いん)が追(う)かけっ また涙(なんだ) [長山紫の君] |
ダム工事 ドラム缶風呂(ぶ)れ 月(つっ)と入(い)っ [湯前為一] |
倦怠期 生返事(なまへ)ず吐(か)えっ 横を向(む)っ [新地十意 ] |
付け根ずい 見れち言(ゆ)おそな ミニん娘(おご) [谷口雲城] |
可愛(む)ぜ孫が 抓(つま)んきろそな 議(ぎ)を吐(か)えっ [原田菊男] |
一生の 失敗(しくじ)や貴男(おはん) じゃち吐(か)えっ [楠八重渓流] |
春(はい)の風 でこんばっちを 脱(ぬ)げち叱(が)っ [米元年輪] |
形見(かたん)分け しちょっつもいが 塵(ごん)整理 [石原ミエ子] |
小商売(こあっね)は 女房(かか)ん愛嬌(あいきょ)で 息(い)く繋(つ)ねっ [前田あやめ] |
多忙時(せしけど)き 無精(むで)亭主(て)しゃ猫と 炬燵(こた)つ抱(で)っ [上村牛歩] |
最後尾(げっ)のくせ 後(うしと)を見(み)い見(み) 走(はし)い孫 [若葉] |
飲(の)ん友達(どし)は 多(う)けどん頼(たよ)い 友達(ど)しゃおらじ [井手上政暎] |
年(と)し不足(ふそ)か 無(な)かて叙勲の 使者(つけ)は来(こ)じ [上薗佳笑] |
グルメ言(ちゅ)が まこて不器用(ぶちほ)な 箸握(にぎ)い [原田菊男] |
美男子(よかにせ)ん 俺(お)れ整形ち 人が言(ゆ)っ [石原ミエ子] |
亭主(て)す葬(おく)っ やっと女房(おかた)ん 職(しょ)く辞(や)めっ [植村聴診器] |