栫 路人 |
気が付(ち)たや 警察(けいさっ)じゃった 言(ちゅ)う飲(の)ん平(べ) |
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茶ん作法 習(な)るて使(つ)け道(み)ちゃ 無(な)かわが家(や) |
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彼処(あしこ)其処(そこ) 痛(い)てどん此処(ここ)ち 言(ゆ)がならじ |
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鏡(かが)む見(み)い 都度(たんび)親父(おやじ)い 似(に)っ来(き)出(で)っ |
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肌(は)で良(よ)かち 蜂蜜(はちみ)つやんき 付(つ)けちゃ飲(の)ん |
有川南北 |
突拍子(とっけん)ね 市長(しちょ)で阿久根(あっね)は また選挙 |
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爺(じ)も元気 はたれっ大(ふ)とか 嚏(くしゃ)むしっ |
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フェーズ5(ご)が 行楽(でば)ゆば日帰(ひげ)い ひんなけっ |
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ハワい行(い)っ つもいが薔薇見(み) 安(や)す変(か)わっ |
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見事(みご)て薔薇 一日(ひして)遊(あす)でん 五百円 |
弓場正己 |
異議なしの 声と同時(いっど)き 焼酎(しょちゅ)が出(で)っ |
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梅雨晴(ながしば)れ 満艦飾(まんかんしょっ)の ビルん窓 |
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口諍(くっいさ)け 学歴(がくれっ)なんだ 役(や)き立(た)たじ |
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給付金 行(い)っ先(さ)か全部(ずるっ) 赤提灯(あかちょちん) |
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夫婦(みと)燕 軒先(のっさ)き夏(な)つば 連(つ)れっ来(き)っ |
堂園三洋 |
子が巣立(すだ)っ 寂(とぜん)ね所帯(しょて)い ポチを飼(こ)っ |
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タイプじゃち 声を掛(か)けたや 人ん妻 |
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疲(だ)れかぶっ 働き蜂(ばっ)が 帰(もど)っ来(き)っ |
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セールスが どしこ褒(ほ)めてん 金(マル)が無(の)し) |
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バーんママ 悩(なや)む涙(なんだ)で 聞(き)てくれっ |
永徳天真 |
福耳(ふっみん)な 飾(かざ)いじゃんそか 火の車(くいま) |
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終(おわ)っずい じっ我慢(きば)っ聞(き)た 講習会(こうしゅかい) |
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口喧嘩(くっげんか) 呆(ぼ)え仲裁が 拗(こじ)らけっ |
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賢(かし)け犬(いん) 怖(びび)いち見れば なお吠(ほ)えっ |
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短(みし)けどん 情(じょ)の深(ふ)け便(たよ)い 気も和(なご)ん |
植村聴診器 |
只貰(ただも)れで 後(あと)が恐(おと)ろし 給付金 |
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不景気で 首切(くっき)い亭主(てし)と 日が長(な)ごし |
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嫁(き)た時(と)きな 無(な)かった 角(つの)が 大(ふ)つ生(お)えっ |
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紫外線 日に焼(や)っな言(ちゅ)う 海開(うんびら)っ |
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婆(ばば)は爺(じ)を 爺(じ)は婆(ばば)を呆(ぼ)け 言(ちゅ)て暮(く)れっ |
天 |
盗焼酎(ぬすとじょちゅ) ぐつっ飲(や)ったや 米酢(こめず)じゃっ [福山吉連] |
地 |
青高菜(あおたか)ね程良(ほどゆ)酢の効(き)た 鼻はじっ [原田菊男] |
人 |
福山(ふっきゃま)ん 畑い生(お)えた 酢壺(あまんつぼ) [井手上政暎] |
五客一席 |
俺(おい)が家(え)は だっきょ酢味噌で 夏(なっ)が来(き)っ [谷村まさゑ] |
五客二席 |
酢がごいと 効(き)た美味(うん)め寿司(す)しゃ 婆(ば)の十八番(おはこ) [満留ぐみ] |
五客三席 |
お目出度(めでた)か 多(う)え酢の物(もん)の 嫁い勘(かん) [諸木小春] |
五客四席 |
何(ない)が酢で 痩(や)すかい美人(シャン)の コマーシャル [津留見一徹] |
五客五席 |
黒酢なあ効(き)こち 毎朝(めいあさ) 秤(ちき)い乗(の)っ [西 幸子] |
選者吟 |
酢の臭(にえ)い 糠蠅(ぬかべ)あ直(いっ)き 側(そ)べ纏付(めち)っ |
横綱(東) |
女房(かか)ん声(こ)へ 逡(びび)っ咳込(せっく)だ 盗焼酎(ぬしとじょちゅ) [諸木小春] |
横綱(西) |
口下手(くっべた)ん 祝辞が咳(せっ)で 間(ま)を繋(つ)ねっ [津留見一徹] |
大関(東) |
父(ちゃん)の咳(せっ) ビデオをいっき 切(き)い替(か)えっ [植村聴診器] |
大関(西) |
婆(ばば)同士(どし)の 喋(しゃべ)くゆ止(と)めた 爺(じ)ん大咳(うぜっ) [福原福多] |
関脇(東) |
咳込(せっこ)めば 義理(ぎい)で背中を 擦(さす)っ女房(かか) [有馬純秋] |
関脇(西) |
咳払(せっば)れで 貫禄(かんろ)きょ付けっ 挨拶(えさ)ち出っ [萬福平次] |
小結(東) |
医者ん咳(せ)き 診(み)て貰(も)ろかたも 心配(せわ)を焼(え)っ [満留ぐみ] |
小結(西) |
女房(かか)は咳(せっ) 亭主(とと)は台所(おすえ)で きいきい舞(め) [田中末木] |
筆頭(東) |
アベックが 空咳(からぜ)くしてん 平然(しれっ)しっ [福山吉連] |
筆頭(西) |
合図じゃろ 咳で席(せ)く立(た)っ 恋人(なずん)同士(どし) [井手上政暎] |
二枚目(東) |
長電話(ながでん)うぇ 亭主(とと)は空咳(からぜ)く し通(ど)えちょっ [津留群志] |
二枚目(西) |
咳(せっ)ひとっ 両方(まんぼ)が睨(にら)ん 電車席(でんしゃせっ) [花園ちづ] |
三枚目(東) |
もういいよ やっと隠れた とこい咳(せっ) [西ノ園ひらり] |
三枚目(西) |
厳(いみ)し姑(しゅと) 朝寝ん嫁い 咳(せ)く入(い)れっ [津曲とっこ] |
四枚目(東) |
診療(しんりょ)待(ま)っ 隣(つっ)の咳払(せっば)れ 息(い)く止(と)めっ [日隈英坊] |
四枚目(西) |
隣(つっ)の爺(じ)ん 咳(せっ)が煩(うぜら)し 長屋住(ず)め [米元年輪] |
五枚目(東) |
大(ふ)とか咳(せ)き 緩(ゆる)か総入歯(がんぶ)や ひっ飛出(つで)っ [樋之口墨矢] |
五枚目(西) |
山ん神(か)み 咳払(せっば)れしいし 茸(きのこ)取(と)い [中村雲海] |
六枚目(東) |
口下手(くっべた)が 挨拶(えさ)ちけ詰(つ)まっ 咳(せ)くしでっ [伊地知 孝] |
六枚目(西) |
郷中(ごじゅ)ん集会(よい )横(よん)ごん管巻(じじ)れ 飛(つ)だ大咳(うぜっ) [久永桂心] |
七枚目(東) |
空咳(からぜっ)で 体調(たいちょ)が悪(わ)りち 嘘電話 [北村虎王] |
七枚目(西) |
先生の 空咳(からぜ)き静(さず)ん 授業前 [西迫順風] |
八枚目(東) |
可愛(む)ぜ娘(こ)をば 咳払(せっば)れ親が 見張(みは)ゆしっ [久永時盛] |
八枚目(西) |
暗闇(くらすん)の デートを咳(せっ)が 冷(ひ)やかせっ [樋口一風] |
親方吟(東) |
咳(せ)くすれば 煙草が原因(もと)ち 決(き)めつけっ [吉岡道場] |
親方吟(西) |
飲酒(の)ん相談(そだん) 妻(かか)ん空咳(からぜ)き 用事(ゆ)ず作(つく)っ [入来創雲] |
終日(ひのひして) 雑草(くさ)をば毟(むし)い 朝帰(あさもど)い [上薗佳笑] |
カーナビが 区画整理い 首(く)ぶ捻(ひね)っ [江口紫朗] |
女房(かか)同伴(づれ)じゃ 羽目(はめ)も外(はず)せん 旅(たっ)の宿 [吉岡道場] |
長生(ながい)っも 大儀(てせ)ちごろいと 言出(ゆで)た婆(ばば) [石塚律子] |
相槌(えは)打(う)っが 仕事(しごっ)じゃろそな 課長補佐 [小瀬一峻] |
他人(ひと)よっか 頑張(きば)っちょい態(ふ)の 汗掻(あせか)っ奴(ぼ) [鮫島牧蜂] |
引出物(ひっでもん) 屁(へ)のよな品(しな)を 大(ふ)と包(つつ)ん [津曲とっこ] |
皺が寄(よ)っ 所(とこ)ずや顔(つら)ち 孫(ま)げ語(かた)っ [郷田悠々] |
また句なち 女房(かか)が怒(く)るどん 金(ぜ)にゃ要(い)らし [伊地知 孝] |
畳(たたん)なら 表替えじゃろ 煤(すす)け女房(かか) [植村聴診器] |
生(お)え出(で)たか 一緒(いっど)き風呂い 入(い)らん言(ちゅ)っ [江口紫朗] |
通信簿(つうしんぼ) 酢を飲んだ様(よ)な ママん顔 [中囿和風] |
過ぎた酒 大事(でし)な人生(じんせ)ゆ 狂(くる)わせっ [満留ぐみ] |
臍繰(へそく)いが 畳(たたん)の下で 息(い)く殺(こ)れっ [桜井吹雪] |
酔(よく)れ亭主(とと) 覚(さ)む間(はざ)畳(たた)み 転(ころ)ばけっ [鮫島牧峰] |
痛(い)て言(ちゅ)えば 生(い)きちょっでよち 手荒(てあ)れ医者 [吉岡道場] |
孫が来(き)っ 可愛(む)ぜた暫時(いっとっ) 後(あと)は叱(が)っ [俊郎] |
寄付集(つな)ぐ 難(むっか)し顔(つら)で 吝嗇(けち)が待(ま)っ [上山天洲] |
一(ひと)っどま 新品(にけと)が欲(ほ)しち 下が泣(ね)っ [今井夢紫] |
肥満(だんべ)女房(かか) 服(ふ)く脱(ぬ)っかても 深呼吸 [福冨野人] |
脳味噌い 黴(こし)が生(ね)ろそな 長(な)げ梅雨(ながし) [樋渡草団子] |
呆(ぼ)やし奴(わろ) 値切(ねぎ)いはしたが 釣銭(つ)や取(と)らじ [二見愚楽満] |
記念日い 女房(かか)を泣かせた 安(や)し指輪(いっわ) [津留見一徹] |
太鼓(てこ)は無(の)し 石油缶(せったんかん)で 郷中(ごじゅ)行楽(でばい) [原田菊男] |
祝(ゆえ)ん座い ナフタリン臭(く)せ 服(ふっ)が集(よ)っ [永徳天真] |
遺言(ゆおっ)の字 亡父(とと)とな違(ち)ごち 揉(も)めでけっ [佐土原 隆] |