さつま狂句誌「さんぎし」
第329号
- け死ん事(こ)ちゃ 算用(さんにょ)い無(ね)とか ど吝嗇(けち)婆(ばば) [吉元三智]
- 女房(かか)ん目が きらっち光(ひか)い 二合目(にごめ)焼酎(じょちゅ) [慶田乱雲]
- 妻(かか)ん留守(ず)しゃ 鎖(くさ)ゆ解(ほ)でた 犬(いん)になっ [瀬戸口湯気]
- 子ん栄養(えいよ) 給食(きゅうしょ)き頼(たよ)い 不精(ふゆし)女房(かか) [津曲とっこ]
- 集会(よい)の座(ざ)を 大概(てげ)で終(す)ませち 焼酎(そつ)ん匂(かざ) [西郷つぼね]
- ため息(いっ)と 舌打(したう)つゆ聞(き)っ 試着室(しちゃっしつ) [多田一行]
- 後追子(あとえご)ん 泣っ顔(づら)婆(ばば)ん 背中(せ)い寝込(ねく)っ [有馬二刀流]
- 神妙な 顔(つら)じゃればくさ 叱(が)られ役(やっ) [大重爆笑]
- 翌(あ)く日(ひ)いな 寝間(ねま)ん約束(やっじょ)は 知(し)たん顔(つら) [小森寿星]
- 毎日(めにっ)見(み)い 女房(かか)も骨董(こっと)ん 味(あっ)が出(で)っ [千鳥]
- 亭主(とと)奴(わろ)が 毎日(めにっ)強要(せが)んで 別(べ)ちけ寝(ね)っ [金井一馬]
- 若(わ)け妻(かか)い 毎日(めにっ)覚悟(かっご)ん 床(とこ)い入(い)っ [狩俣康俊]
- 両方(まんぼ)とめ 毎日(めにっ)催促(せ)ずちょい 結婚(といえ)当初(はな) [蔵ノ下夢石]
- メールでな おてつき語(かた)っ 無口者(うんだまい) [入来院彦六]
- 仕方なし 踊(おど)らされちょい 態(ふ)の手付(てつ)っ [片平桜子]
- 土産どま 要(い)らん言(ちゅ)ながら 胸計算(むなざんにょ) [ほたる]
- むくれ亭主(と)て ど温(ぬ)りビールを 揺(ゆ)すっ出せ [宮田隆翔]
- 利口(じく)な奴(わろ) 大虎(うとら)を綺麗(みご)つ 褒(ほ)め殺(こ)れっ [茶恋児]
- ボイン迄(ず)い 調子(ちょし)ば取っじょい 女(おなご)太鼓(でこ) [前野一合敏]
- 退職(やめ)たぎい かつらも脱(に)だや スカッしっ [うずら]