三條風雲児 |
放生会(ほぜ)が無(ね)で 甘酒なんだ け忘(わす)れっ |
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枝豆は 下戸が一人(ひとい)で うっ食(く)ろっ |
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大(ふ)て保険 掛(か)けっ恥(げん)なか 兎(うさっ)小屋 |
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轡虫(くだまっ)が 休(よ)くえば蟋蟀(ぎみ)ん 声がしっ |
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聞(き)っ耳(みん)ぬ 持(も)たん逆上(のぼせ)い 匙(さ)ず投(な)げっ |
有川南北 |
基地移設(いせっ) 鹿屋ん名指(なざ)し 騒動(そど)なこっ |
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沖縄(おきな)へな 申訳(すま)んが欲(ほ)す無(ね) P3C(ピーサンシ) |
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愛の鞭(むっ) 相手(えて)が悪(わ)りてん 叩(たた)かれっ |
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べっこ飴 根占(ねし)め着(ち)っはざ 口(く)ち保(も)てっ |
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四十(しじゅ)もなっ いくら流行(はやい)ち 臍を出(で)っ |
塚田黒柱 |
使(つ)けざっも 無(な)かしこ貯(た)めっ まだ貯(た)めっ |
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下戸言(ちゅ)どん そいも相手(えて)次第(しで) 大概(てげ)な飲(ぬ)っ |
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受け売(う)ゆば 語(かた)い我(わ)が身が 歯痒(はが)ゆなっ |
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気を遣(つ)こな 言(ちゅ)かた手を出(で)っ 目も笑(わ)るっ |
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大事件 今日(きゅ)も二三本 毛が抜(ぬ)けっ |
堂園三洋 |
心臓と 相談(そだん)ぬしいし ウォーキング |
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好(す)っ言(ちゅ)たや 好かれちゃ嫌ち 情(つれ)ね返事(へし) |
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空振(からぶ)いの 予報(よほ)いぞっぷい きし濡ぬれっ |
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ニュース婆(ばば) 個人情報(じょうほ)を 触(ふ)れ回(まわ)っ |
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利右衛門(りえもん)に 感謝美味(うん)まか 甘藷(かいも)焼酎(じょちゅ) |
植村聴診器 |
ビラを先(さ)き 見て安(や)すか方(ほ)い 決めた料理(じゅい) |
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腹八分 飢(ひだ)いさ知れば 延(ぬ)っ寿命 |
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定年(てねん)後も 別(わか)れん言(ちゅ)妻(か)け 惚(ほ)れなえっ |
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親父(とと)ん看病(かびょ) むっかしゅなけた 癌告知 |
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フルムンに 少(ち)す恥(げん)ねどん 紅(べん)ぬせっ |
岩崎美知代 |
人前(ひとまえ)じゃ 立(た)ついが手荒(てあ)る 使(つ)こたくっ |
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夫婦(みと)喧嘩 今夜も夫(とと)が 詫(わ)ぶ入(い)れっ |
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粟ん飯(め)し 目刺(がらんつ)い爺(じ)も 代(か)えを出(で)っ |
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美田(びで)ま罪(つん) 先祖ん汗を 睨(ねぎ)い合(よ)っ |
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コマーシャル 大人(おせ)あ猿(よも)かあ 仕切(しき)られっ |
天 |
棟上(むねあ)げい 見知(みし)たん酔漢(とら)が やれ踊(おど)っ [花園ちづ] |
地 |
こら堪(の)さん また脱(ぬ)っでけた 女(おなご)酔漢(とら) [江平光坊] |
人 |
通夜じゃろが 飲めば大酔漢(うとら)ん くずれ亭主(とと) [小瀬一峻] |
五客一席 |
轟沈の 酔漢(とら)あ玄関(ふんご)み 転(ころ)ばけっ [上籠若菜] |
五客二席 |
飲(の)まん時(と)か 仏様(ほとけさあ)言(ちゅ)が 飲めば酔漢(とら) [山田竜生] |
五客三席 |
寝(ね)ろすれば いま出た酔漢(とら)が また訪(こと)っ [松元清流] |
五客四席 |
狐火(きっねび)が 大酔漢(うどら)を河(かわ)い 引張(そび)っ込(く)ん [入来義徳] |
五客五席 |
近(ち)こなった 酔漢(とら)ん大声(うごえ)い 灯(ひ)を消(け)せっ [吉岡道場] |
選者吟 |
突(つ)っ当(あ)たっ 電柱(でんちゅ)い挨拶(えさ)つ しちょい酔漢(とら) |
横綱(東) |
失恋の 夜露(ち)い濡れ帰(もど)っ コップ焼酎(じょちゅ) |
横綱(西) |
里芋(いも)ん葉ん 露(ち)どま風(か)ぜ乗(の)っ 踊(おど)ゆしっ |
大関(東) |
朝市(あさいっ)の 露(ち)の付(ち)た野菜(やせ)は 奪合(ばこ)われっ |
大関(西) |
露(ち)で擦った 墨(すん)で書(け)たどん 下手あ下手 |
関脇(東) |
露(ち)をうった ジョッキが嬉(うれ)し 風呂上(あ)がい |
関脇(西) |
入(い)れつけじ 夜露(よち)い打たせた 酔(よく)れ亭主(とと) |
小結(東) |
起(お)きおきい 朝露(あさち)いてのだ 万歩計 |
小結(西) |
泥手(どろて)をば 露草(ちぐさ)で拭(ぬぐ)た 十時ん茶 |
筆頭(東) |
共稼(ともかせ)っ 乾(へ)た洗濯物(あれむん)な 夜露(よち)が来(き)っ |
筆頭(西) |
爺(じ)ん担棒(おこ)を 弓形(ゆんな)い牛(べぶ)ん 露(ち)ん餌草(はんめ) |
二枚目(東) |
七夕ん 朝露(あさぢ)で書(け)た字 上手(じょ)じ見(み)えっ |
二枚目(西) |
朝取(あさど)いち 露(ち)も連(ての)ませた クール便 |
三枚目(東) |
托鉢(たくはっ)の 裸足(はだ)し朝露(あさち)を 踏(ふ)ん締(し)めっ |
三枚目(西) |
脚気いな 朝露(あさち)を踏(ふ)めち 婆(ば)が言(ゆ)でっ |
四枚目(東) |
恋人(なじゅん)同士(どし) ベンチん夜露(よち)で 尻(し)や濡(ぬ)れっ |
四枚目(西) |
露(ち)をば踏(ふ)ん 田んぼ見廻(みまわ)い 爺(じ)は励(はま)っ |
五枚目(東) |
国(くん)のため 露(ち)のごっ散った 若(わっ)か友達(どし) |
五枚目(西) |
高価(た)け靴(くっ)も 露(ち)いずんだれた 朝帰(あさもど)い |
六枚目(東) |
この世でな 朝露は知(し)たん 朝寝坊(あさねごろ) |
六枚目(西) |
婆(ば)べ食(か)すち 朝露(あさち)い濡れた 西瓜(すか)を抱(で)っ |
七枚目(東) |
朝露(あさち)夜露(よち) 踏(ふ)ん踏(ふ)ん農業(さっ)で 子を育(お)えっ |
七枚目(西) |
照(て)い続(つづ)き 茄子は朝露(あさち)で 生(い)っ返(かえ)っ |
八枚目(東) |
露(ち)の原を ぞっぷい濡(ぬ)れっ 犬(いん)散歩 |
八枚目(西) |
梅干(うんめぼ)しゃ 夜露(よち)い打(う)たせち 厳(きび)し姑(しゅと) |
親方吟(東) |
マージャンに 亭主(て)しゃ露(ち)も失(う)せた 昼(ひ)い帰(もど)っ [植村聴診器] |
親方吟(西) |
草刈(くさき)い婆(ば) 草鞋(わら)じゃ朝露(あさち)が 噛(か)ん破(やぶ)っ [岩崎美知代] |