| 三條風雲児 |
墓参(はかめ)いも きっせじゴルフ しけ走(はし)っ |
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喫煙者(たばこの)む 目の敵(かた)きすい 健康法(けんこうほ) |
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水鉄砲(みっしゃく)ゆ 爺(じ)の禿(は)げ向(む)けた 悪戯坊主(けすいばっ) |
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梅干(うんめぼ)しゅ 夕立(さだ)ち遭(お)わせた 長(な)げ昼寝(ひんね) |
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種西瓜(たねずか)を 烏の奴(わろ)が 先(さ)き食(く)ろっ |
| 有川南北 |
薔薇祭(まつ)い 鹿屋(かの)へ車(くいま)ん 数珠連(せんつな)っ |
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白熊も ぐたっ檻(お)い這(ほ)た 夏(なっ)さなか |
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ビール腹 パンツひとっで 端居(は)し涼(すず)っ |
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風鈴が ことっ動(うご)かじ 蒸暑(ほめ)っ夜ばん |
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蒸暑(ほめ)っ晩 側(そ)べきた女房(かか)を 払(は)れのけっ |
| 塚田黒柱 |
働けち また始(はい)まった 月曜日 |
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買(こ)ちゃみいが 読(よ)まん本ぬば 積(つ)ん上(や)げっ |
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体(から)で良(え)ち テレビが言(ゆ)えば 鵜呑(ぐの)みしっ |
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他人(ひ)てな言(ゆ)が 自分(わが)でも書(け)ちょい 誤字当て字 |
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原発(げんぱっ)の 側(そ)べやっ来たで 増えた心配(せわ) |
| 堂園三洋 |
旅(たっ)が好(す)っ じゃいが先立(さきだ)っ 物(もん)が無(の)し |
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のど自慢 長(な)ご唄(う)とわせっ 一(ひと)っ鐘 |
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安売(やすう)いの 品は底(そ)けやい 買物籠(けもんかご) |
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入れ替(か)わい 美人(シャン)が出(で)っ行(い)た 露天風呂 |
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団地住(ず)め 小(こ)まんか声で 夫婦(みと)喧嘩 |
| 植村聴診器 |
両方(まんぼ)から 思(お)め出(だ)さん名字(みょ)じ 挨拶(えさ)つ言(ゆ)っ |
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あしこそこ 紫蘇が染(しゅ)んじょい 女房(かか)ん梅干(うめ) |
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マスクなし 息(い)くしがならん 恐(お)じ病気(やんめ) |
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褌(へこ)一(ひと)ち なっみろごたい 凄(わ)ぜ蒸暑(ほめ)っ |
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気は若(わ)けて 敬老(けいろ)ん見舞(みめ)い 恥(げん)のなっ |
| 岩崎美知代 |
放蕩(ばか)息子 縁切(うっ)すちすれば 頼(たよ)っ来(き)っ |
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土用(どゆ)暑(ぬっ)せ 西瓜(すか)も畑で 煮(に)え滾(たぎ)っ |
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血の検査 朝かあ耳(みん)な 擾(こな)されっ |
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内気(いめ)な亭主(とと) 嘘を言(ゆ)たとか 動(いご)っ眉毛(めげ) |
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小(こ)め悩(なや)ん 桜島(しま)どんみたや け忘(わす)れっ |
| 天 |
燃(も)ゆいよな 日傘(ひが)せビキニん 眩(めは)り娘(おご) [菖蒲谷天道] |
| 地 |
擦(す)れ違(ち)ごた 美人(シャン)な日傘で 身(み)を隠(か)きっ [棈松睦酔] |
| 人 |
海開(うんびら)っ 浜(は)めな日傘ん 花が咲(せ)っ [井手上政暎] |
| 五客一席 |
絽(ろ)の着物(いしょ)い 日傘姿(すがた)ん 麓(ふもと)奥様(こじゅ) [郷田悠々] |
| 五客二席 |
妬(しょの)んじゃろ デートん日傘(ひが)せ 蝶(ちょ)が舞付(めち)っ [久永時盛] |
| 五客三席 |
ビキニ娘(おご) 日傘ん下で 露出(うっだ)せっ [川村 明] |
| 五客四席 |
油照(あぶらで)い 日傘代(が)わいの 唐芋柄(といもがら) [有馬慶成] |
| 五客五席 |
小(こ)め日傘(ひが)せ 背負(かる)た幼児(ちび)どま 日干(ひぼ)し遭(お)っ [仮屋一発] |
| 選者吟 |
マドンナん 日傘(ひが)せ若者(にせ)どが 目を見出(みで)っ |
| 横綱(東) |
俺(お)や知(し)たん 涼(すずる)し顔(つら)で 黙秘権 [永野寛二] |
| 横綱(西) |
涼(すずる)しち 図書館な良(よ)か 昼寝(ひんね)場所 [小森寿星] |
| 大関(東) |
古(ふんな)か家(え) 涼(すずる)し風が 吹(ふ)っ抜(ぬ)けっ [有馬純秋] |
| 大関(西) |
涼(すず)すなっ ビールを焼酎(しょちゅ)い 切(き)い替(か)えっ [永徳天真] |
| 関脇(東) |
可哀相(ぐら)しごっ 涼(すずる)しゅなった 爺(じ)ん頭髪(びんた) [畑山真竹] |
| 関脇(西) |
涼(すず)し態(ふ)で 出来(でけ)ん公約(こうや)く きし吐(か)えっ [仮屋一発] |
| 小結(東) |
氷(こおい)皿(ざ)れ 涼(すずる)し刺身(さし)み 喉が鳴(な)っ [樋渡草団子] |
| 小結(西) |
冷(ひ)や素麺(そめん) 舌で涼(すずる)し 音を出(で)っ [川村 明] |
| 筆頭(東) |
涼(すずる)しち 網戸(あんど)でけ寝(ね)い 木強(ぼっけ)娘(おご) [安藤孟宗竹] |
| 筆頭(西) |
借(か)ったぎい 寄(よ)い付(つ)っもせん 涼(すず)し奴(わろ) [蔵ノ下夢石] |
| 二枚目(東) |
一(ひと)夕立(さだっ) 来れば涼(すずる)し 庭ん花 [西 幸子] |
| 二枚目(西) |
透けた服(ふ)か 涼(すずる)しじゃろが 気が揉(も)めっ [小原庄太郎] |
| 三枚目(東) |
出たバンコ 胸をはたげっ 涼(すずる)しゅし [隈元都城男] |
| 三枚目(西) |
凄(わざ)え女房(かか) 涼(すずる)し顔(つら)で 離婚(わか)る言(つ)っ [花牟礼雲雀] |
| 四枚目(東) |
飛(つ)っ蛍(ほたい) 夕立(さだっ)上(あが)いの 涼(すず)し風 [山内成泰] |
| 四枚目(西) |
夕立(さだっ)後(あ)て 涼(すずる)し風が 家内(やう)ち舞(も)っ [有村土栗] |
| 五枚目(東) |
女房(かか)奴(わろ)が 涼(すずる)し風ん 道(み)つ塞(ふて)っ [野間口鈴女] |
| 五枚目(西) |
旅(たっ)帰(もど)い ブラジャも外(は)じっ 涼(すず)らしゅし [那加野黎子] |
| 六枚目(東) |
収賄(もろ)た奴(と)が 涼(すずる)し顔(つら)で またも出馬(で)っ [松元清流] |
| 六枚目(西) |
涼(すず)し奴(わろ) 友人(どし)のボトルを 飲(の)ん回(され)っ [津曲とっこ] |
| 七枚目(東) |
絽の着物(いしょ)を 涼(すずる)し風が 吹(ふ)っ抜(ぬ)けっ [横手五月] |
| 七枚目(西) |
肥えた婆(ば)が 涼(すずる)し風を せっ止(と)めっ [崎山典子] |
| 八枚目(東) |
パチンコ屋 涼(すずる)し過(す)ぎっ 財布(ふぞ)は空(から) [久永時盛] |
| 八枚目(西) |
万引犯(まんびっ)が 涼(すずる)し顔(つら)で 店を出(で)っ [深道好之] |
| 親方吟(東) |
涼(すずる)しか 肌持(はだも)ちなって 縁談(はな)しゃ無(の)し [植村聴診器] |
| 親方吟(西) |
風呂上(あが)い 浴衣(ゆか)て団扇(うっば)ん 涼(すず)し風 [岩崎美知代] |