三條風雲児 |
花火(ひやなっ)が 九人(くにん)の大事(でし)な 命(いの)つ奪(と)っ |
|
略奪(りゃくだっ)の 仕放題(しほで)法(ほ)は無(な)か バグダッド |
|
値上(ねあ)がいで 思案煙草も 気が引(ひ)けっ |
|
仁王から 掏摸(す)や睨(ねぎ)られた 六月灯(ろっがっど) |
|
新米(にかごめ)が 米詰袋(こんつん)で来た 親愛情(おやぼんの) |
有川南北 |
うぜらしが 居(お)らんな淋(とぜん)ね 入院(にゅいん)女房(かか) |
|
入院(にゅいん)女房(かか) 保険な一日(ひして) 五千円 |
|
個室(こし)つ入(い)っ テレビん番 のよなくらし |
|
貰(も)ろた見舞(みめ) 枕ん下い 寝押(ねお)すしっ |
|
ベッドかあ 小(こ)まごま家族(けね)い 下知(げ)つかえっ |
塚田黒柱 |
また来たち 川内(せんで)河童(がらっ)ぺ 挨拶(えさっ)しっ |
|
顔(つら)じゃ無(ね)ち 思(お)もがやっぱい 美人(シャン)が好(す)っ |
|
正論が 通(とお)らじ焼酎(しょちゅ)が 余計(じんじ)要(い)っ |
|
愛も欲(ほ)し 金(ぜん)も欲(ほ)し言(つ)で まだ独身(ひとい) |
|
目覚ましと 妻(か)け急(せ)かされっ 二度勤め |
堂園三洋 |
夫婦(みと)喧嘩(げん)け 負(ま)けっ涙(なんだ)が 光(ひか)い父(ちゃん) |
|
女房(うっかた)ん 座布団言(ちゅ)よな 可哀相(ぐら)し俺(おい) |
|
達筆(たっぴっ)か 下手か分(わ)からん 酷(ひ)で癖字 |
|
立(た)ち読(よ)んで 相当(じょじょ)ん勉強(べんきょ)を して帰(もど)っ |
|
傾(かた)びたや 今度(こん)だ落(お)てたち 空ん旅(たっ) |
植村聴診器 |
痛(いた)んぬば 分け合(お)っみてん 不況(ふきょ)は不況(ふきょ) |
|
三男坊(さんなんぼ) 鯉幟(こ)や目刺(がらんつ)ん 態(ふ)でさがっ |
|
粽(まっ)作(つく)い 嫁ん手加勢(てがせ)が 邪魔(ま)じけなっ |
|
イラクどま 罪(つん)の無(ね)子供(こ)どが 痛(い)て目合(お)っ |
|
ちっとぐれ 下がった目尻(めじ)や 可愛(む)ぞ見(み)えっ |
岩崎美知代 |
痩(や)す思(と)もっ 頑張(きば)っみってん 三日(みっか)限(ぎ)い |
|
口養生(くっよじょ)ち 糖尿(とうにょ)あ米飯(まま)も 取(と)い上(あ)げっ |
|
畳目(たたんめ)を 顔(つら)い三時ん 鎌を研(て)っ |
|
とても年令(と)す 言当(ゆあ)てあならん 若作(わかづく)い |
|
出戻(でもど)いの タンス古道具家(ふいぐ)へ 叩(たた)っ売(う)い |
天 |
ビキニ娘(ご)を 両棒餅屋(ジャンボ)へ追込(うく)だ 大雷(うがんなれ) [棈松睦酔] |
地 |
パーティーを 暗闇(くらす)みなけた 大雷(うがんなれ) [入来創雲] |
人 |
雷(かんなれ)あ 覚悟(かっご)相談(そだん)の 戸を叩(た)てっ [有馬凡骨] |
五客一席 |
大雷(うがんな)い 鍬(くゎ)も薮(や)べ投(な)げっ 土堤(ずべ)い匍(ほ)っ [倉元天鶴] |
五客二席 |
女房(か)け負(ま)けっ 社長(しゃちょ)は会社で 大雷(うがんない) [弓場正巳] |
五客三席 |
稲光(いなびか)い 雷(かんなれ)嫌(ぎ)れが 叫(おら)っ出(で)っ [川村 明] |
五客四席 |
雷(かんない)が 朝かあ落(ちゃ)ゆい 子分限者(こぶげんしゃ) [樋口一風] |
五客五席 |
外泊(がいはっ)に 案(あん)の定(じゅ)落(お)てた 大雷(うがんない) [小瀬一峻] |
選者吟 |
大雷(うがんな)い 近(ち)けち慌(せし)こっ 電源(せん)ぬ抜(き)っ |
横綱(東) |
夜店ずい 見(み)いばっかいの 倹(つま)し女房(かか) [松元清流] |
横綱(西) |
祭(まつい)太鼓(でこ) 夜店ん匂(かざ)も 乗(の)せっ鳴(な)っ [枦山一球] |
大関(東) |
屯(たむろ)すい 夜店い補導(ほど)ん 目が光(ひか)っ [野間口鈴女] |
大関(西) |
金魚掬(す)く 浴衣(いしょ)ん袂(たもと)も 水(み)じ浸(つか)っ [楠八重渓流] |
関脇(東) |
帰(もど)い客(ぎゃ)き イカを原価(もとね)で 売(う)い夜店 [樋渡草団子] |
関脇(西) |
夜店でな みごて氷(こおい)が 飛(つ)で売(う)れっ [福冨野人] |
小結(東) |
素人ん 夜店が慌(せし)こ 村祭(むらまつ)い [横手五月] |
小結(西) |
突風(まくじい)が 夜店綿菓子(わたが)す 吹(ふ)っ上(きゃ)げっ [上籠若菜] |
筆頭(東) |
夜店番 させたが間違(まっ)げ 帰宅(もど)っ来(こ)じ [諸木小春] |
筆頭(西) |
びびんこで 夜店巡(めぐ)いの 舵(か)ずばとっ [福原福多] |
二枚目(東) |
夜店でな 疲(だ)れた金魚が 逃げ回(まわ)っ [田代勝泉] |
二枚目(西) |
呆(ぼ)やし燈(ひ)ん 夜店じゃ老妻(ばば)も 若(わ)こ見(み)えっ [花牟礼雲雀] |
三枚目(東) |
宿(やど)浴衣 夜店冷(ひや)かし ぞうぞ出(で)っ [入来創雲] |
三枚目(西) |
寒(かん)戻(もど)い 夜店ん親父(おや)じゃ 股火鉢(またひばっ) [田代彦熊] |
四枚目(東) |
一人(ひとい)でな 面白(おもし)ても無(な)か 娘(こ)ん夜店 [西ノ園ひらり] |
四枚目(西) |
倹(つま)し女房(かか) 夜店で孫い 肝(きも)を切(き)っ [樋口一風] |
五枚目(東) |
凄(わ)ぜ夕立(さだっ) 開(ひ)れた夜店は 切々舞(きいきいめ) [川村三生] |
五枚目(西) |
凄(わ)ぜ人出(ひとで) 夜店じゃ親も け迷(まぐ)れっ [川村 明] |
六枚目(東) |
イベントを 並(な)るだ夜店が 弾(はず)ませっ [鈴木一泉] |
六枚目(西) |
茶髪(ちゃぱっ)族(ぞ)き 夜店ん客(きゃっ)も 様変(さまが)わい [小瀬一峻] |
七枚目(東) |
肩車(びびんこ)ん 孫が夜店で 下知(げ)つ吐(か)えっ [郷田悠々] |
七枚目(西) |
汚(きっさ)ねが 夜店でフーフ 美味(うん)めそば [金井一馬] |
八枚目(東) |
祭(まつ)や終(す)ん 夜店ん灯(あか)い 蛾が集(たか)っ [藤後一碧] |
八枚目(西) |
久振(さしかぶ)い 並(な)るだ夜店も 淋(さび)し故郷(さと) [津留見酎児] |
親方吟(東) |
夜店でも 孫(ま)げ高価(た)け面(めん)ぬ 見栄で買(こ)っ [植村聴診器] |
親方吟(西) |
てんか粉(ふん) 夜店い行水(あれ)ん 匂(かざ)を撒(め)っ [岩崎美知代] |
熟(う)れちょいか メロンな尻(し)ゆば 嗅(かず)まれっ [安藤孟宗竹] |
五十(ごんじゅ)女房(かか) そいがないなち 反抗(むこ)っきっ [上籠若菜] |
ジョギングも 人(ひと)が居(お)らんな 歩(あゆ)んでっ [枦山一球] |
歯痒(はが)いこっ 金(ぜん)が無(な)かうえ 亭主(て)しゃ醜青年(ぶにせ) [平中小紅] |
女(おなご)模合(もえ) 肴(しおけ)は残(の)けっ 持(も)っ帰(もど)っ [仮屋一発] |
投票(とうひょ)いな 行(い)かじ政治ん 悪口(あっご)言(ゆ)っ [種子田 寛] |
古希ん婆(ば)も ちゃん付(づ)けうれし クラス会 [有馬慶成] |
葉桜で 花見(はなん)ばしちょい 弁当屋 [隈元都城男] |
東大ち 親が合格(うか)った 態(ふ)の大騒動(うそど) [吉丸セツ子] |
女房(うっかた)が 涙(なんだ)で叫(おら)っ 選挙カー [埀野剣付鶏] |
雷(かんなれ)が 女房(かか)天下をば 可愛(む)ぞなけっ [田代勝泉] |
宅(やど)あ今日(きゅ)も メロンじゃったち 塵出(ちいだ)し場 [樋口一風] |
腹を手術(き)っ 貰(も)ろたメロンな 女房(かか)が食(く)っ [押領司翠里] |
最後尾(どべ)ん客(きゃ)き 遅れたツアん 目が尖(とが)っ [上山天洲] |