三條風雲児 |
日本な 万景峰(まんぎょんぼん)に 舐(な)められっ |
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早苗饗(さのぼい)も ぶんと弾(はず)まん 機械植え |
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涎(ゆだい)垂(く)い 黒焼(くろや)く食(か)せた 蝸牛(つんぐらめ) |
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粟ん飯(め)し こいじゃこいじゃち 生辣韮(なまだっきゅ) |
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定年に なった限(ぎ)い靴(く)ちゃ 黴(こし)が生(ねっ) |
有川南北 |
告示前 もへきし連呼(おら)っ 選挙カー |
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選挙どま 二の次(つ)ぎ行楽(でば)ゆ 計画(ぐん)たてっ |
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行楽(でばい)疲(だ)れ テレビん前い 足(あ)す投(な)げっ |
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有(あ)い物(もん)ぬ 食(く)てけ済(す)ませた 行楽(でばい)疲(だ)れ |
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良(よ)か身分 扶助どん貰(も)ろっ パチンコし |
塚田黒柱 |
多(う)か彼氏(かれし) 着メロずいも 振(ふ)い分(わ)けっ |
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はいはいち 頑固(いっこっ)亭主(とと)を 手玉(てだ)め取(と)っ |
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流行(はやい)服(ふ)く 似合(にお)わん思(と)もが 試着(しちゃ)くしっ |
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叱(が)られ上手(じょし) 叱(が)い方(ほ)がかった 気が抜(ぬ)けっ |
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金バッジ 通(とお)らん議(ぎ)ずい 押(お)し通(と)えっ |
堂園三洋 |
唐芋(かいも)焼酎(じょちゅ) 地産地消ち 毎晩(めばん)飲(や)っ |
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昼寝(ひんね)女房(かか) 悪口(あっご)を言(ゆ)てん け笑(わ)るちょっ |
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一度(いっど)でん 所得(しょとっ)番付(ばんづ)け 載(の)ろごたっ |
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ピチピチん 娘(こ)とドライブん 夢を見(み)っ |
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マグマをば 枕(まく)れ眠(ねむ)れん 桜島(しま)ん晩 |
村田子羊 |
間違(まっ)げなし 混浴(こんよっ)じゃった 良(よ)か足湯 |
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海図なし 来(く)そなこっかよ 座礁船 |
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成田(なり)て着(ち)っ 背中合わせん 旅行(たっ)もどい |
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万引(まんびっ)と いたちごっこん 大(ふ)て書店 |
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呆(ぼや)し亭主(て)す 将軍様(しょうぐんさあ)ち 奉(たてまつ)っ |
岩崎美知代 |
語(かた)い事(こ)ちゃ 無(な)かじ夫婦(みと)いな 長(な)げ梅雨(ながし) |
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焦げ鍋を 愛情(ぼんの)が切(き)れじ 棚(た)ね飾(かざ)っ |
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玄関(ふんごん)も 便所(まなか)も女房(かか)ん 趣味(しゅん)で染(そ)ん |
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嫁よっか 婿が看(み)っとが 流行(はや)いなっ |
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のさん日も あったが終(し)めな 嫁姑(おや)けなっ |
天 |
蛍(ほた)ゆ追(う)た 故郷(さと)ん小川あ 泡(ぶっ)が立(た)っ [津留見酎児] |
地 |
里(さと)土産 蛍(ほた)やジェットい 子と並(な)るっ [岩崎美知代] |
人 |
過疎ん村 蛍(ほた)ゆ観光(かんこ)ん 目玉(めだ)めしっ [入来創雲] |
五客一席 |
恋の灯(ひ)を 点(と)べっ闇夜(やんよ)い 蛍(ほた)や舞(も)っ [永徳天真] |
五客二席 |
禿ん客(きゃ)き 蛍(ほたい)が来たち 子が揶揄(ちょく)っ [仮屋一発] |
五客三席 |
蛍(ほた)いなっ 帰還(もど)った亡夫(とと)を 蚊帳(か)へ入(い)れっ [泊 白水] |
五客四席 |
蛍(ほたい)刈(が)い 腕白(あまいばっ)どま 溝(み)ぜ倒(かや)っ [種子田 寛] |
五客五席 |
蛍(ほたい)ずい 源氏平家ん 血統(す)ず背負(かる)っ [小瀬一峻] |
選者吟 |
バグダッド 蛍(ほた)い似(に)た灯(ひ)が 闇(やん)に飛(つ)っ |
横綱(東) |
山蟹(やまがね)は 鋏(はさ)む旗(は)てしっ 道(み)つ横断(わた)っ [江口紫朗] |
横綱(西) |
しゃべくいが 一言(ひとこっ)言(い)わん 蟹(がね)ん料理(じゅい) [坂元鶴山] |
大関(東) |
二三本 足が浮かんだ 蟹(がね)ん鍋 [井手上政暎] |
大関(西) |
女(おなご)模合(もえ) 甘芋(かいも)ん蟹(がね)で 安(や)す上(あ)がい [森山厚香] |
関脇(東) |
追(う)かくれば 可愛(む)ぜ蟹(がね)鋏(はさ)む 持(も)っ上(ちゃ)げっ [永徳天真] |
関脇(西) |
背中(せな)け蟹(がね) 戦争(いっさ)ん印(しるし) 爆弾(たま)ん瘡(あと) [満石うらら] |
小結(東) |
食(く)放題(ほで)蟹(がね) 塩をしたごっ 辛(か)れも辛(か)れ [小森寿星] |
小結(西) |
沢蟹(さわがね)が 迎え出(で)っ来た 木賃宿 [藤後一碧] |
筆頭(東) |
横(よん)ごせえ 歩(さる)けち蟹(がね)が 海老(え)ぶ叱(く)るっ [樋口一風] |
筆頭(西) |
身(み)どこいの 味噌を蟹(がね)好(す)か くじっ食(く)っ [安藤孟宗竹] |
二枚目(東) |
高価(た)け蟹(がね)を 安(や)しかツアーの 目玉(めだ)めしっ [西 幸子] |
二枚目(西) |
食(く)放題(ほで)言(ちゅ)た ツアん蟹(がね)どま 足(ごて)んぶん [山田竜生] |
三枚目(東) |
足(あ)す縛(しば)っ 蟹(がね)あダルマで 棚(た)ね並(な)るっ [金井一馬] |
三枚目(西) |
手掴(てづか)んで 娘(おご)も精出(はま)った 蟹(がね)ん料理(じゅい) [川村三生] |
四枚目(東) |
蟹籠(がねかご)ん 入口(とぐ)ち塵(ごもっ)が 蓋をしっ [福冨野人] |
四枚目(西) |
でけたてん 豆腐(おかべ)言(ちゅ)おそな 脱殻(だっぴ)蟹(がね) [隈元都城男] |
五枚目(東) |
高価(た)け割(わ)いな まこて食代(くで)が無(ね) 蟹(がね)ん料理(じゅい) [江平光坊] |
五枚目(西) |
汚れ川(が)へ 蟹(がね)は泡(ぶ)く吹(ひ)っ 火の叫(おら)っ [畑山真竹] |
六枚目(東) |
山太郎蟹(やまたろ)ん 時期あ昼(ひ)い寝(ね)っ 終夜(よして)捕(と)っ [津留見酎児] |
六枚目(西) |
蟹鍋(がねなべ)で ひえ臭(く)せ盃(ちょっ)が 廻(まわ)っ来(き)っ [稲留明天] |
七枚目(東) |
高価(たっ)か蟹(がね) 腕(ごて)ん汁(しゅい)ずい しゃぶい切(き)っ [弓場正巳] |
七枚目(西) |
遊(あす)っ道具(ど)き あっこた蟹(がね)い 挟(はす)まれっ [枦山一球] |
八枚目(東) |
歯の無(ね)爺(じ)も 蟹(がね)を吸(す)わぶっ 舌鼓(したつづん) [蔵ノ下夢石] |
八枚目(西) |
美味(う)め蟹(がね)を 手が汚(よご)るっち 食(く)わん娘(おご) [堂園三洋] |
親方吟(東) |
五本箸(ごほんば)す 舐(な)めちゃ食(く)れ付(ち)っ 蟹(がね)ん料理(じゅい) [村田子羊] |
親方吟(西) |
蟹(がね)よっか 所帯(しょ)て合(お)た鰯(いわ)す 買(こ)っ帰(もど)っ [岩崎美知代] |