三條風雲児 |
貧乏者(ひんじゃもん) じゃね衆(し)も食(く)ちょい 麦(むっ)の飯(めし) |
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野蒜(のびい)どん 採(と)っちゃつんぐい ハイキング |
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総入歯(がんぶい)で わいわい食(く)ちょい 根筍(ねだけんこ) |
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昨日(きぬ)植えた 茄子(なす)ぶ歯痒(はが)いか 根切虫(ねきいむし) |
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黒豚ち 偽装(ぎそ)をきっせた スターゼン |
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鶏(と)ゆ偽装 農家(のう)け味方じゃ 無(な)か農協(のうきょ) |
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辛(つ)れ病(びょ)をば 色艶(いろひっ)が良(え)ち 人は言(ゆ)っ |
上田 格 |
蚊一匹(いっぴっ) 三味線(しゃんせん)の手を 狂(くる)わせっ |
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祝(ゆえ)ん座は 音痴ん歌で 締め括(くく)っ |
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返事(へし)もせん 墓(は)け後向(うしとむ)き 手どん振(ふ)っ |
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彼岸入(い)い テープんお経(きょ)を 準備(しこ)っ待(ま)っ |
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おじゃすかち 言(ゆ)たとか半端 上(あ)がい込(く)っ |
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負け箸戦(なんこ) 尻(け)つ持(も)っ上(ちゃ)げっ 掛(かか)っ来(き)っ |
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サロンパス 気合いで剥(は)がな 毛をそびっ |
有川南北 |
走(はし)い幼児(こ)い 凧は逆(さか)しめ 地面(じ)をこすっ |
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雛人形(ひな)ん首(く)ぶ 素抜(すに)っ叱(が)らえた 腕白坊主(きかんたろ) |
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親父(とと)ん釣(つ)い 魚篭(び)くいなベラが 二三匹(にさんびっ) |
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道具(しょど)か良(え)が 料理(じゅ)ろそな魚(いお)は 釣(つ)っちゃ来(こ)じ |
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呆(ぼ)え亭主(とと)を 一応(いちお)は横座(よこ)ぜ 奉(たてまつ)っ |
塚田黒柱 |
何(ない)もけん 金(ぜん)に計算(つも)っで 嫌(き)ろわれっ |
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待(ま)たさるい 身いな五分が 待(ま)っ長(な)ごし |
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駄目(だめ)もとち 違反切符を 値切(ねぎ)っみっ |
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マスコミが メダルメダルち 焚(た)っ付(つ)けっ |
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テロを口実(だ)し 戦争(ゆっさ)ん種を ばら撒(め)ちょっ |
村田子羊 |
山歩(やまある)っ 旬の山菜(さんさ)ゆ 只(ただ)で食(く)っ |
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お育(そだ)っが 良(よ)かで食(く)かたも 暇が要(い)っ |
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時間給(じかんきゅ)い すれば僅(わっ)かな 貧乏(びんぶ)農業(ざっ) |
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逝(い)た父(ちゃん)に 手紙(てがん)ぬ書(け)ちょい 児(こ)い涙(なんだ) |
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カルキ臭(く)せ 水(みっ)にも慣れた 都会(まっ)暮らし |
岩崎美知代 |
子い投資(つこ)っ 親んボロ家(え)あ 雨が漏(も)っ |
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空洞(うと)頭(びん)て 親馬鹿金(ぜん)で 裏(う)れ回(まわ)っ |
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嫁(い)っださん 娘(こ)も多(う)けて貰(も)れ ださん青年(にせ) |
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できちゃった 結婚式(ごぜんけ)日取(ひど)や 胎児(こ)が決(き)めっ |
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あん時(とっ)の 小便(しべん)が効(き)たか 蓬(ふっ)が茂(も)っ |
天 |
爪皮(つまかわ)い 蛇の目ん色香(いろか) こぼれでっ [平中小紅] |
地 |
高下駄(さしげた)ん 板前振(ぶ)ゆば 親(お)へ見(み)せっ [長井春江] |
人 |
田舎宿(いなかやど) 玄関(ふんご)み並(な)るだ 煎餅(せんべ)下駄 [棈松睦酔] |
五客一席 |
玄関(ふんごん)の 下駄で躾を 大概(てげ)見抜(みに)っ [泊 白水] |
五客二席 |
女(おなご)世帯(じょて) 下駄を玄関(ふんご)み 見張(みは)らせっ [藤高春風] |
五客三席 |
傾(かた)びたや 下駄を履(ふ)ませた 半端大工(でっ) [佐伯山神] |
五客四席 |
加治木(かじっ)下駄 履(ふ)まじ玄関(ふんご)み 大事(で)し飾(かざ)っ [福原福多] |
五客五席 |
千鳥足(ちどいあし) 下駄は片々(かたかた) 帰(もど)っ来(き)っ [大脇保子] |
選者吟 |
だだ緩(ゆる)し 肉刺(まめ)が破れた 加治木(かじっ)下駄 |
横綱(東) |
知覧街道(けど) 新茶ん匂(かざ)が 鼻(は)ね舞込(めく)っ [棈松睦酔] |
横綱(西) |
鼻ん穴(す)を 新茶(しん)ちぇ拡(ひろ)げた 品評会(ひんぴょかい) [坂元鶴山] |
大関(東) |
ハウス時代(じで) 正月(しょが)ち新茶が 顔(つら)を出(で)っ [田原大黒] |
大関(西) |
新茶摘(つ)ん 小昼(ちゃあが)り婆(ばば)は 粽(ま)きょしこっ [馬迫 蛙] |
関脇(東) |
走(はし)い茶が 最初(まっさ)き届(と)じた 隠居部屋 [樋口一風] |
関脇(西) |
一握(ひとにぎ)い 大事(てせ)ち持(も)っ来た 婆(ば)が新茶 [細山田妙子] |
小結(東) |
詰め放題(ほで)ん 安売(やすう)い新茶 枝も入(へ)っ [福原福多] |
小結(西) |
静岡ん 新茶知覧の 匂(かざ)がしっ [盛満椒平] |
筆頭(東) |
五月晴(さつっば)れ 郷中(ごじゅ)あ新茶ん 匂(かざ)を抱(で)っ [上籠若菜] |
筆頭(西) |
飲(ぬ)だ新茶 目がぱっ開(え)たち 婆(ば)が語(かた)っ [永野寛二] |
二枚目(東) |
茶工場(ちゃこうじょ)ん 新茶ん香(かざ)い 深呼吸 [花牟礼雲雀] |
二枚目(西) |
新茶摘(つ)ん 連休(れんきゅ)を実家(いな)け 擾(こな)されっ [安藤孟宗竹] |
三枚目(東) |
峠(とげ)ん茶屋 新茶ん香(かざ)が 出迎(でむか)えっ [有馬慶成] |
三枚目(西) |
新茶売(う)い 小(こま)んか湯飲(ゆの)む 啜(すす)らせっ [室田粋人] |
四枚目(東) |
目をつぶっ 新茶ん匂(かざ)を 鼻(は)ねすすっ [金井一馬] |
四枚目(西) |
自分(わ)が摘んだ 新茶は色も 匂(かざ)も良(ゆ)し [塚田黒柱] |
五枚目(東) |
特攻(とっこ)ツア 知覧新茶を 土産(みや)げしっ [江平光坊] |
五枚目(西) |
利(き)かん鼻 大事(でし)な新茶は 飲ませ損 [郷田悠々] |
六枚目(東) |
デパートん 新茶試飲が 列(れ)つつくっ [那加野黎子] |
六枚目(西) |
わぜ美味(う)めが 美人(びじん)が摘んだ 新茶じゃろ [堂園三洋] |
七枚目(東) |
値を聞(き)たや 新茶ん急須(ちょか)を しため切(き)っ[川村 明] |
七枚目(西) |
何時(いっ)ずいも 新茶新茶で 客(きゃ)く集(よ)せっ[新地十意] |
八枚目(東) |
美味(う)め新茶 誰(だい)が摘(つ)んでん 美人(シャン)の味(あっ) [中村雲海] |
八枚目(西) |
釜炒(かまい)いの 香(かば)し新茶を 拝(おご)っ飲(の)ん [森山厚香] |
親方吟(東) |
開聞岳(かいもん)ぬ 負(かる)っ賑(にっぎゃ)け 新茶摘(つ)ん [村田子羊] |
親方吟(西) |
良(よ)か急須(ちょか)と 茶碗ぬ準備(しこ)た 高価(た)け新茶 [岩崎美知代] |
も直(じ)きパパ キューピーちゃんで 風呂ん稽古(けこ) [永徳天真] |
髭を剃(そ)っ 爺(じじ)はヘルパん 美人(シャン)ぬ待(ま)っ [佐土原 隆] |
偉(え)ろなろち 一枚(いっめ)じゃ足(た)らん 舌が要(い)っ [植村聴診器] |
シルバじゃち 追越(おいこ)すかけた 娘(おご)ん軽(けい) [安藤孟宗竹] |
不況娑婆(しゃ)べ 三K(ケ)ゆ言(ゆ)えば 職(しご)ちゃ無(の)し [樋之口墨矢] |
禁煙ぬ してかあ煙草のむ 嫌(き)ろっ [平中小紅] |
玉(たま)ん輿(こ)しゅ 妬(しょの)まれたどん 姑(しゅと)い泣(ね)っ [諸木小春] |
飯事(ままんご)で 酔漢(よくれぼ)いない 飲(の)ん平(べ)が子 [隈元都城男] |
飲(の)ん平(べ)友達(どし) 瓶の寝(ね)せんにゃ 立(た)とたせじ [種子田 寛] |
今日(きゅ)ばっかい 前途有望(ぜんとゆうぼ)ん 披露宴 [田中未木] |
嫁ん日も あったはっじゃが 厳(いみ)し姑(しゅと) [津曲とっこ] |
わが嫌(き)ろた 父親(おやっ)の所作を わがもしっ [小森寿星] |
介護ん身 子供(こどん)になった 母(か)け涙(なんだ) [細山田妙子] |
子が遠足(えんこ)明日は晴れち下駄が言(ゆ)っ [岩崎美知代] |
逝(い)た亭主(とと)ん 下駄は玄関(ふんご)み 家(え)を守(まも)っ [江平光坊] |
置(お)っ手紙(てがん) 零(こ)べた涙(なんだ)で 字が滲(にじ)ん [永徳天真] |