三條風雲児 |
田植え疲(だ)れ 亭主(とと)が一人(ひとい)で まっ被(かぶ)っ |
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出(で)しゃばいが 餌(え)で恵(のさ)っちょい 燕ん雛(こ) |
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雨ん日い 開(ひ)れた南瓜(かぼちゃ)ん 運(ふ)の悪(わい)さ |
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貧乏性(びんぶしょ)ん 蜂(はっ)か夜(よ)の入(へ)い 花を飛(つ)っ |
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相当(じょじょ)ん暇 蝸牛(つんぐらめ)どん 日半(ひはん)観(み)っ |
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裃(かんしも)を 着(き)すれば似合(にお) そな蟇(ごんぜ) |
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何(な)ゆばすい 気根(ぎろ)も気力(あや)も無(ね) 日が続(つじ)っ |
上田 格 |
ザーマスは 歩(あゆ)ん振(つっ)かあ 気品(ひん)があっ |
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連休(れんきゅ)明け 飼犬(けいん)もかった ずん垂(だ)れっ |
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台所(おすえ)ずい キッチンち名で 椅子(い)す準備(しこ)っ |
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爺様(じさま)ん代(で) 横杵(よんご)が原因(もと)で 道路(み)ちゃ曲(ま)がっ |
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必勝ち 鉢巻(はちま)き書(け)たが 寝呆(ねとぼ)けっ |
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送別会(そべっかい) ためならん衆(と)も 沢山(ずばっ)集(き)っ |
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背は低(ひ)きが 帯(おっ)が似合(によ)どち 褒(ほ)められっ |
有川南北 |
葉桜い なっかあ過ぎた 春(は)ゆ悔(く)やん |
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東大ち 聞(き)たや大法螺(うぼら)が 黙(だま)い込(く)っ |
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繰(く)いの悪(わ)り 店じゃろ直(いっ)き 集金(と)いけ来(き)っ |
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大工(でっ)の見習(こ)も いま風(ふ)い言えば エンジニア |
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カタカナで 言えば格好(かっこ)良(え) フリーター |
塚田黒柱 |
誰(だい)が子か 子供(こど)まねっから 禿(は)げちゃこじ |
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恥(は)ず恥(はっ)ち 思(おも)わん連中(し)どが すい政治 |
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素夫婦(すみ)てなっ うんとうんにゃで 用事(ゆし)が足(た)っ |
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輸入野菜(やせ) 国内産ぬ 追散(うち)らけっ |
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医者よっか テレビが言(ゆ)こつ 鵜呑(ぐの)みしっ |
参考作品 |
赤札を オバタリアンな まだ値切(ねぎ)っ [樋之口墨矢] |
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出来(でけ)ん子を 出来(でけ)ん親父(おやっ)が やれ叱(く)ろっ [中馬美丈夫] |
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豆腐屋(おかべや)を 一日(ひして)で辞(や)めた 朝寝奴(あさねごろ) [塚田黒柱] |
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奪合(ばこ)しこん 帯(おっ)じゃなかった 形見(かたん)分け [津留見一徹] |
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金(ぜん)相談(そだん) 化粧(けしょ)が過ぎたで 借(か)いださじ [津留見酎児] |
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七草(ななくさ)を 嫁はスーパい 摘(つ)み行(い)たっ [藤後一碧] |
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聴診器 ペチャパや直(いっ)き 異常なし [堂園三洋] |
天 |
潮時(しおどっ)ち 免許を返上(もで)た 喜寿ん爺(じじ) [有馬慶成] |
地 |
三次会 潮時(しおど)く狙(ね)ろっ 座を抜(ぬ)けっ [棈松睦酔] |
人 |
次(つっ)の客(きゃ)き よか潮時(しおどっ)ち 帰(もど)い通夜 [福山吉連] |
五客一席 |
座礁(ざしょ)ん船 潮時(しおど)く睨(にら)ん 引張(そび)っでっ [米元年輪] |
五客二席 |
定年ぬ 潮時(しおど)き管巻(じじ)れ 幕(ま)く下(お)れっ [坂元鶴山] |
五客三席 |
潮時(しおどっ)ち 騒動(そど)しっ婆様(ばさま) 湯を沸(わ)けっ [大脇保子] |
五客四席 |
新(に)け世紀(せい)き 良(よ)か潮時(しおどっ)ち 退(ひ)た会長(かいちょ) [大和 渚] |
五客五席 |
潮時(しおどっ)か 議長(ぎちょ)が一声 決(け)つば取(と)っ [弓場正巳] |
選者吟 |
潮時(しおどっ)ち 見たか仲人(なかだ)ちゃ 焼酎(しょちゅ)ち言(ゆ)っ |
横綱(東) |
風呂上(あ)がい 公卿さあ言(ちゅ)よな 女房(かか)が眉毛(めげ) [野間口鈴女] |
横綱(西) |
西郷(せご)どんに 眉毛(めげ)は似(に)ちょいが 小(ちん)け肝 [米元年輪] |
大関(東) |
描(け)た眉毛(めげ)が 田舎芝居(しば)ゆば 盛(も)い上(あ)げっ [畑山真竹] |
大関(西) |
見たぶんで 助平じゃろそな 下(さ)がい眉毛(めげ) [棈松睦酔] |
関脇(東) |
機密費い 世間の眉毛(めげ)が つい上(や)がっ [鈴木一泉] |
関脇(西) |
女房(かか)ん眉毛(めげ) 喜怒哀楽(きどあいらっ)で 波(なん)ぬ打(う)っ [津留見酎児] |
小結(東) |
垂れかけた 眉毛尻(めげじ)ゆぴんち 剃(そ)い上(あ)げっ [大和 渚] |
小結(西) |
厳(いみ)したろ 眉毛(めげ)どま年中(ねんじゅ) 吊(つ)い上(あ)げっ [樋口一風] |
筆頭(東) |
朝帰(あさもど)ゆ 逆(ぎゃっ)八(はっ)の字ん 眉毛(めげ)が待(ま)っ [郷田悠々] |
筆頭(西) |
腕白坊(あまいばっ) ポスタん眉毛(めげ)い 悪戯(わやく)しっ [上山天洲] |
二枚目(東) |
不器用(ぶちほ)女房(かか) 眉毛(めげ)を片々(かたかた) 墨(すん)ぬ引(ひ)っ [北山如無] |
二枚目(西) |
午前様(ごぜんさ)へ 眉毛(めげ)が逆立(さかた)つ しちょい女房(かか) [津曲とっこ] |
三枚目(東) |
西郷(せご)どんの よな大(ふ)て眉毛(めげ)で 臆病者(ひっかぶい) [佐土原 隆] |
三枚目(西) |
剃(そ)い落(お)てっ そん日そん日ん 眉毛(めげ)をけっ [平中小紅] |
四枚目(東) |
四面楚歌 総理ん眉毛(めげ)も ずん垂(だ)れっ [坂元鶴山] |
四枚目(西) |
またヒスが 出(で)い前眉毛(めげ)が 波(なん)ぬ打(う)っ [塚田黒柱] |
五枚目(東) |
腕白坊主(われこっぼ) 昼寝(ひんね)ん姉ん 眉毛(めげ)を剃(そ)っ [山内成泰] |
五枚目(西) |
立腹(はら)けてん 笑(わ)るっおいよな 下(さ)がい眉毛(めげ) [倉元天鶴] |
六枚目(東) |
子をば叱(が)い 女房(かか)は眉毛(めげ)ずい 吊(つ)い上(あ)がっ [野瀬曲尺] |
六枚目(西) |
モンタージュ 案(あん)の定(じゅ)眉毛(めげ)で 御用(ごゆ)いなっ [中村雲海] |
七枚目(東) |
毛虫(ほじょ)んよな 眉毛(めげ)が爺様(じさま)ん 日よけなっ [石野洋々] |
七枚目(西) |
機嫌(ごっ)の悪(わ)り 時(と)き描(け)た眉毛(めげ)あ 吊(つ)い上(あ)がっ [永徳天真] |
八枚目(東) |
白(し)れ眉毛(めげ)い 孫はサンタち きし吐(か)えっ [堂園三洋] |
八枚目(西) |
禿頭(はげびんた) 栄養(えいよ)はずるい 眉毛(めげ)がとっ [栫 路人] |
親方吟(東) |
眉毛(め)げ怖(お)じっ 抱(だ)かるおたせん 可愛(むぞ)か孫 [安藤孟宗竹] |
親方吟(西) |
病気(やん)あがい 眉毛(めげ)を引かせた 春日和(はいびよい) [有馬凡骨] |