三條風雲児 |
多(うわ)か人数(に)じ 御礼(ごれ)も言果(ゆう)せん 祝賀会 |
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癒(ゆ)もならん 病院通(が)えも 年(と)しゅ越(こ)せっ |
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病(びょ)をば抱(で)っ 屠蘇を飲(の)ん気も せん正月(しょがっ) |
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歯痒(はが)いどん 仕事(しごっ)が大儀(てそ)か 日が増(ふ)えっ |
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過疎じゃまだ 旧の正月(しょが)ちも 餅(も)つば搗(ち)っ |
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浅(あさ)か春(は)い もう目覚(おず)んじょい 猫柳(ねこやなっ) |
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折角(せっかっ)の 吊柿(ついが)か暖(ぬっ)せ 腐(けっ)されっ |
上田 格 |
手抜(てぬ)くした 家(え)じゃろ二年で ずん垂(だ)れっ |
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晦日(みそか)そば 今年ずいじゃち 婆(ば)が手打(てう)っ |
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早(は)えもんじゃ まだ霜じゃって 水着ショー |
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祝(ゆえ)ん座ん 酌(しゃ)か回(まわ)っ来(こ)ん 横(よん)ご杵(ぎね) |
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年男 じゃれば豆撒(まめま)く 頼(たの)まれっ |
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入試前 通夜んよな態(ふ)で 飯(め)しゅ食(たも)っ |
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お年玉 中身(なか)ま大(ふ)と小(こ)む 印(しる)しゅしっ |
有川南北 |
賤(いや)しごろ いっきな金銭(ぜん)に きし積(つも)っ |
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風水の 財布(ふぞ)をば硬貨(どろ)で ふくらけっ |
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告(ま)ねごろを 送別会(そうべっかい)の 晩殴打(どえ)っ |
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駅伝も 早(は)えとが居(お)らな 気が入(い)らじ |
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詳(くわ)す報道(ゆ)で 愚(ばか)ふと者(もん)が 直(じ)き真似(まね)っ |
塚田黒柱 |
上戸(じょご)と下戸 どっちも相手(えて)ん 気が知(し)れじ |
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飲(の)まんでん 飲(の)んでん扱(あっ)け 難(に)き亭主(とのじょ) |
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水(み)ず飲(ぬ)でん 空気を吸(す)てん 肥(こ)ゆい性質(たっ) |
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子育(こおや)しが 終(お)わっボインぬ 持(も)て余(あ)めっ |
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金持(ぜんもっ)じゃ 無(ね)や選挙いも 出馬(で)やならじ |
参考作品 |
百叩(ひゃったた)く 女房(おかた)い食(く)ろた 朝帰(あさもど)い [郷田悠々] |
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ぺこぺこち すっ癖が付(ち)た 予算貰(も)れ [小森寿星] |
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走(はし)い込(く)だ 便所(まなか)で紐が 解(ほど)けんじ [佐伯山神] |
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床(と)け餅(も)つば 飾って晦日(みそ)け ハワい発(た)っ [崎山典子] |
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派手好(ごの)ん 直(いっ)きよからん 虫がちっ [坂口橘風] |
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早(は)よ逃(に)げち 謎は拳骨(げんこ)ち 息(い)くかけっ [坂元鶴山] |
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鼻は高(た)こ したが短足(たんそ)きゃ 長(な)ご出来(でけ)じ [佐土原 隆] |
横綱(東) |
浜競馬 騎手を落(お)とけっ 一等(い)つ走(はし)っ |
横綱(西) |
損な事(こ)ちゃ 馬(うんま)ん耳(みん)で 聞(き)っ流(な)げっ |
大関(東) |
出稼(でかせ)っも 馬踊(うんまおど)ゆば 観(み)け帰省(もど)っ |
大関(西) |
長(なん)か顔(つら) 見れば見(み)いしこ 馬(うん)め似(に)っ |
関脇(東) |
豊作(ほうさ)くば 希(ね)ごて矢を射(い)い 馬(うんま)ん背 |
関脇(西) |
可哀相(ぐら)しこっ そこずいでちょん 当て馬(うんま) |
小結(東) |
美人(シャン)の客(きゃ)か 馬(うんま)も嬉(うれ)し 態(ふ)で乗(の)せっ |
小結(西) |
頼(たの)んでち 子馬ん買手(けて)ん 手を握(にぎ)っ |
筆頭(東) |
鼻ん差い サラブレッドは 勝負(しょ)ぶかけっ |
筆頭(西) |
機械農業(ざっ) 馬(うんま)ん仕事(しご)つ 取(と)い上(あ)げっ |
二枚目(東) |
ダービーで 勝った馬(うん)めな 褒美(ほう)びゃ無(の)し |
二枚目(西) |
ダービーで 負けた馬券が 空(そ)れおどっ |
三枚目(東) |
小休止(ひとやすん) 馬(うん)め真先(まっさ)き 水(み)ず呉(く)れっ |
三枚目(西) |
初午祭(はつうんま) 鞍ん諭吉(ゆきっ)も やれ跳(は)ねっ |
四枚目(東) |
乗(の)っみたや クッションの悪(わ)り 痩馬(やせうんま) |
四枚目(西) |
別(べ)ち言(ゆ)こちゃ 無(ね)どん気いない 馬面(うんまづら) |
五枚目(東) |
荷が重(お)びち 思(お)もどん頑張(きば)れ 痩馬(やせうんま) |
五枚目(西) |
文化祭 馬(うんま)ん脚(あし)の 役(や)く貰(も)ろっ |
六枚目(東) |
馬(うんま)せか 食(く)きらんしこん 爺(じ)の薬(くすい) |
六枚目(西) |
荒馬を 容易(もや)す捌(さ)べちょい 木強嫁(ぼっけよめ) |
七枚目(東) |
踊(おど)い馬(うま) 下手な歌手(うとて)にゃ 尻(し)ゆ向(む)けっ |
七枚目(西) |
隼人路い 馬(うんま)が躍(おど)っ 春(は)ゆ告(つ)げっ |
八枚目(東) |
山車(だしごろ)い 競馬馬(うんま)は 役(や)き立(た)たじ |
八枚目(西) |
地響(じひび)っで 走(はし)い抜けちょい 草競馬 |
親方吟(東) |
籤(く)じ賭けた 夢は馬(うんま)い 切(き)い替(か)えっ [大和 渚] |
親方吟(西) |
旗手上(あ)がい 馬(うんま)を撫(な)でちゃ 独語(ひといごっ) [松元清流] |
聞(き)っ流(なが)す 笊耳(しょけみん)じゃっで 円満(ま)る暮(く)れっ [大和 渚] |
三才児(みっつご)が 罪(つん)の無(ね)顔(かお)で 可愛(む)ぜ悪口 [山下明良] |
早熟(わせ)ん筋(すっ) 背丈(せ)よっか胸が 大人(おせ)いなっ [弓場正巳] |
バスガイド 発車(で)い度(かし)顎で 人数(に)ずあたっ [入来創雲] |
過保護犬(いん) 鶏(とい)の骨どま 噛(か)まならじ [三條風雲児] |
亭主(とのじょ)家(げ)へ 帰(もど)れば嫁で 実家(さと)じゃ客(きゃっ) [埀野剣付鶏] |
老骨(おんじょぼね) 草取(くさと)いギーギ 音がしっ [崎山典子] |
長患(ながねお)い 息(い)くばしちょいか 耳(み)む当(あ)てっ [盛満椒平] |
立小便(たっしべん) 待(ま)たじ発進(は)っでた 歯痒(はが)いバス [鈴木一泉] |
巨人好(す)か ルールじゃ知(し)たん 奴(と)が多(う)こし [江口紫朗] |
ダイエット つん折(ご)るいそな 娘(おご)が五体(ごて) [松元清流] |
増えた人数(に)じ 女房(かか)は刺身(さしん)ぬ 薄(う)す小切(こぎ)っ [上村牛歩] |
祖父(じい)ちゃんも 義理(ぎい)チョコん人数(に)じ 計算(つも)られっ [大和 渚] |
人数(にし)の中(な)け わがは積(つも)らじ 合(お)わん言(ちゅ)っ [川辺睡蓮] |
農業(さっ)の嫁 人数(にし)が足(た)らんち 国際化 [瀬戸口捨緑] |
間(か)け合(お)わじ 冷(つん)て体い 取(と)いすがっ [栫 路人] |
餅(もっ)が海老(え)ぶ 離(はな)さじ慌(せし)こ 吸物椀(すもんわん) [ひろ子] |
母ん日も 母(はほ)はやっぱい 先(さ)き目覚(おず)ん [瀬戸口抱洋] |
赤(あ)け襦袢(じばん) 眠(ねぶ)った亭主(て)すば 目覚(おず)ませっ [平中小紅] |
美人(シャン)言(ちゅ)てん 骸骨(さねこ)ちなれば 同(ひと)っこっ [郷田悠々] |
いけんすも 今日(きゅ)かあ独(ひと)いち 遺骨(こ)つば抱(で)っ [上籠若菜] |
罪(つん)な女将(ママ) 三度(さん)で一度(いっど)は 触(かか)らせっ [村田子羊] |
割勘(わいかん)の 請求書(つけ)あ課長(かちょ)かあ 先(さ)き見(み)せっ [西 幸子] |
逝(い)た女房(かか)ん 匂(かざ)がたんすん 底(そ)け残(のこ)っ [有馬凡骨] |
シャネル5ん 匂(かざ)どま知(し)たじ 子を育(お)えっ [塚田黒柱] |