おんじょどいの小屋

薩摩狂句誌「にがごい」

第31号

  • 仏壇(にょうさん)に 尻(しい)どん向(む)けっ クリスマス [津留見一徹]
  • 歳暮(せぼ)吟味(ぎんみ) とぼれん課長(かちょ)は 切い捨てっ [岩崎美知代]
  • 我(わ)が口(く)ちな 入(い)らんよ品(と)を 人(ひ)て贈(おく)っ [北森第九]
  • 女房(か)け抗(む)こた 犬(いん)にそろいと 餌(えど)をやっ [林 夢太郎]
  • 除夜(じょや)ん鐘(か)ね 今一度(まいっど)魂(たま)す 入(い)れ替(か)えっ [倉元天鶴]
  • 広(ひ)れ宇宙(うちゅ)ん 小(こ)まんか地球(ほし)で 夫婦(みと)喧嘩(げんか) [片平桜子]
  • 標識(ひょうしっ)通(ど)い 正直(しょじ)き運転(まく)れば 数珠繋(じゅずつな)っ [津曲とっこ]
  • お中元 じゃろそな品(しな)が 歳暮(せぼ)い来(き)っ [日高山伏]
  • 長生(ながい)っも 迷惑(めわっ)じゃろそな 世ん流れ [西 幸子]
  • 昼(ひい)過(す)ぎな 髭が生(お)え始(で)た ニューハーフ [石田霜降]
  • 賀状(がじょ)よっか 電話が安(や)しち 利口(じく)な女房(かか) [古川利恵]
  • 子供(こどん)ずい 隠(かく)れおった 角隠(つのかく)し [濱川白馬]
  • 喋(しゃべ)い奴(ご)れ 誰(だ)いも言(ゆ)なち 故意(わざ)き言(ゆ)っ [塚田黒柱]
  • 退職(やめ)た亭主(て)しゃ 直(いっ)き分別(ぶんべ)ち 詳(くわ)すなっ [蔵ノ下夢石]
  • 何(な)ゆ言(ゆ)たか 社長(しゃちょ)も分からん 諄(く)で訓示 [柳村遊月]
  • 諄(く)で注文(ちゅもん) 下手(へた)な床屋い 坊主(ぼ)じされっ [福永四球]
  • 病院(びょいん)食(しょ)き ごろいと醤油(しょ)ゆば 買(こ)け走(はし)っ [前田一天]
  • 塗(ぬ)いの箸(は)す 薄(う)しか鰒(ふぐ)刺身(さ)しゃ 擦(す)い抜(ぬ)けっ [池上黒ぢょか]
  • 爺(じ)の法螺(おぎら) 五割引(ごわいび)くしっ 相槌(えは)を打(う)っ [西 萌]