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薩摩狂句

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薩摩郷句誌「渋柿」 第710号 9月号

雑吟     永徳天真選

一番槍 分限者(ぶげんしゃ)ん 暮(く)らしゅ知(し)たんじ 八十年(はっじゅねん) [佐伯山神]
二番槍 躾(しつ)けんな 誰(だい)が子よ言(ちゅ)っ 恥(は)ずばけっ [原田菊男]
三番槍 将来(やが)ちゃ世話(せ)うぇ なっとも知(し)たじ 嫌(き)ろ介護 [澤津乙名]
四番槍 めし風呂ち 字数(じか)じゃ二十字(にじゅじ)も 無(な)か会話 [石塚律子]
五番槍 女子会ち 言(ゆ)たが写真にゃ 野郎(やろ)も居(お)っ [江口紫朗]
六番槍 年金の 元どま取った 九十(くんじゅ)婆(ばば) [前田あやめ]
七番槍 出世した 友達(どし)い敬語ん クラス会 [おんじょどい]

渋柿集

中村雲海 知(し)たん衆(し)あ 要人物の 犠牲(ぎせ)いなっ
多(う)け買物(けもん) キャッシュカードあ またパンク
こら辛(の)さん 鳥獣害が 我家(わが)へ来(き)っ
百均(ひゃっきん)で 倹(つま)す繰(く)っちょい 安(や)し給料(きゅうりょ)
器用(きよ)貧乏(びんぶ) こん頃(ご)ら木かあ 落(お)て通(ど)えっ
有川南北 辞めたとに 鳩は尖閣(せんか)き 口(く)つ挟(はす)ん
コラち言(ゆ)で 睨(にら)ん付(ち)けたや 巡査どん
朝帰(あさもど)い 猫撫で声で 戸を開(あ)けっ
歯欠(はか)げ婆(ばば) 蛸足(たこあ)す食(く)かて 顎が攣(つ)っ
西瓜割(わ)い つがんね方角(ほが)き 振(ふ)いかぶっ
弓場正己 就(ち)た職(しょっ)も 性(しょ)いな合(お)わんち 最早(もへ)辞(や)めっ
年金日 機械にご礼(れ)を 言(ゆ)て下(お)れっ
時化ん海(う)み 後継(あとつ)ぐ仕込(しこ)ん 鰹船(かつおぶね)
疲(だ)れた時(と)か 学会ち名で 休(やす)ん医者
来た手紙(てがん) 癖字い昔(むか)す 思(お)め出(だ)せっ
堂園三洋 音痴いも おまけじゃろそな 鐘(かね)二(ふた)っ
継続は 力ち止めた 休刊日
羊羹に そやばったいち 飲兵衛(のんべ)客(きゃっ)
女房(かか)も高齢(とし) 優先席(ゆうせんせっ)が 似合(にお)でけっ
ケセラセラ どげんかなろち 飲(の)ん歩(さ)れっ
永徳天真 入道雲(たかたろ)い 負(ま)くいもんかち 桜島(しま)が噴(ひ)っ
好(す)っ好(す)っち 言(ゆ)どん誰(だい)でん 言(ゆ)ちょったろ
あっばっど 毎日(めにっ)ねちねち 叱(が)い課長
ニュース婆(ばば) いしれん話(はな)す 撒(め)っ歩(さ)れっ
休(よ)く通(ど)えっ いっこ捌(さば)けん 日曜(にちよ)大工(でっ)
樋口一風 初心な爺(じ)じゃ 美人(シャン)の秋波(いろめ)い 凄(わ)ぜ赤面(せけ)っ
浮気(うわっ)亭主(てし) 鶏冠(よぼ)しゃ女房(おかた)が 毟(むし)い切(き)っ
言訳(いわけ)しい とろいとろいの 午前様(ごぜんさあ)
里ん川(か)へ 鰻(うな)ぐ獲(と)っなち 厳(きび)し公告(ふれ)
ギャルせえな 丸(まっ)で応(こた)えん 婆(ば)ん説教(せっきょ)

山椒集 題「忙(せわ)し」     有川南北選

大漁で 港も忙(せわ)しゅ 活気ぢっ [米元年輪]
忙(せわ)し言(ちゅ)で 訪(こと)っみったや 本人(ぬ)しゃ昼寝(ひんね) [上山天洲]
忙(せわ)しごっ あった縁談(はなし)も 四十歳(しじゅ)で最後(しめ) [石塚律子]
五客一席 祝(ゆえ)弔(とむ)れ 義理張(ぎいは)い忙(せわ)し 諭吉様(ゆきっさあ) [諸木小春]
五客二席 退職(やめ)てかあ かえっちゃ忙(せわ)し 女房(かか)ん下知(げっ) [萬福平次]
五客三席 忙(せわ)し妻(かか) 俺(お)やまだ食(く)とい 洗(あ)りでけっ [楠八重渓流]
五客四席 忙(せわ)しどん 一向(いっこ)溜(た)まらん 呆(ぼ)え通帳(つうちょ) [津留見一徹]
五客五席 忙(せわ)し時(と)き 饒舌家(ぎたれ)が訪(こと)っ 帰(もど)やせじ [日隈英坊]
選者吟 嫁(き)て三月(みつっ) 孫は未(ま)だかち 忙(せわ)し両親(おや)

龍虎集 「時事吟」     堂園三洋選

万歳ち 富士と三保とが 手を繋(つ)ねっ [花園ちづ]
飛(つ)だ矢どま 目顔(めつら)見(み)らんが 貧暮(ひんぐ)らし [伊地知 孝]
飛(つ)っ球(たま)を 知(し)らんかったち 平然(しれっ)しっ [満吉満秀]
四天王一席 G8(ジーエイト) 作(つく)い笑(わ)れしっ 腹探(はらさぐ)い [有馬純秋]
四天王二席 言(い)わしとん 良(よ)か慰安婦で 墜(お)てた支持 [上薗佳笑]
四天王三席 きし辞(や)めた 後(あと)も混(ま)ぜくい 鳩ポッポ [津留見一徹]
四天王四席 未配達(みはいた)ち 待(ま)っくたびれた ラブレター [満留ぐみ]
選者吟 地方でも コンビニ戦争(せんそ) 激(はげ)しゅなっ

郷句相撲 題「娑婆(しゃば)」

横綱(東) 娑婆い出(で)っ やっと解った 親愛情(おやぼんの) [新地十意]
横綱(西) 初孫(はっまご)が 娑婆ん情けを 独(ひと)い占(じ)め [福冨野人]
大関(東) 健(さか)し態(ふ)で 大(ふ)て産声で 娑婆い出(で)っ [入来創雲]
大関(西) 妻(かか)が郷句(く)で 娑婆い広めた 俺(おい)が欠点(あら) [中囿和風]
関脇(東) 出世欲(しゅっせよ)く 消(け)せたや娑婆が 見(み)えっ来(き)っ [おんじょどい]
関脇(西) 増(いみ)い税 爺婆(じば)ん暮らしにゃ 厳(いみ)し娑婆 [花園ちづ]
小結(東) 辛(つ)れ娑婆も 笑(わ)れでひっ飛(つ)だ 敬老(けいろ)ん日 [西 幸子]
小結(西) 張(は)い切って 職(しょ)きな就(ち)たどん 冷(つん)て娑婆 [弓場正巳]
筆頭(東) 湯治(と)じ浸(つか)っ 良(よ)か娑婆じゃっち 目を瞑(つぶ)っ [北村虎王]
筆頭(西) 温室(おんしっ)で 育った子いな 厳(いみ)し娑婆 [上山天洲]
二枚目(東) 長(な)げ入院(にゅいん) 娑婆ん空気ん 恋(こい)し事(こっ) [諸木小春]
二枚目(西) 二度と来(こ)ん 娑婆じゃも少(ちっ)と 居(お)ろち婆(ばあ) [萬福平次]
三枚目(東) 車(くいま)娑婆 便利ん中(な)けな 隠れ事故 [樋之口墨矢]
三枚目(西) 娑婆ん事(こ)ちゃ 俺(おい)せえ聞けち 万年暦(まんにょん)爺(じ) [原田菊男]
四枚目(東) 夫源病(ふげんびょ)ち 妙(す)だ病(びょ)が娑婆い 流行(はや)い出(で)っ [石塚律子]
四枚目(西) 娑婆暮らしゃ 愛より金(ぜん)ち 言出(ゆで)た女房(かか) [津留見一徹]
五枚目(東) 娑婆ん風(か)ぜ 構(か)めなし婆(ばば)は マイペース [樋渡草団子]
五枚目(西) 飲めば娑婆 家計簿なんだ 気も掛(か)けじ [石野蟹篭]
六枚目(東) 良(よ)か娑婆じゃ 違(ち)ごた御馳走(ごっそ)を 毎日(めにっ)食(く)っ [佐伯山神]
六枚目(西) 年金ぬ 良(よ)か娑婆なあち 拝(おが)ん婆(ばば) [白澤黒猫]
七枚目(東) 軍隊(ぐんた)ゆば 復活すそな 心配(せわ)な娑婆 [澤津乙名]
七枚目(西) 少(すっ)のなっ 鰻(うなっ)も気安(きや)す 食(く)えん娑婆 [米元年輪]
八枚目(東) 高齢(とし)家族(げね)を 容易(めや)す狙(ね)ろちょい 不況(ふきょ)ん娑婆 [畑山真竹]
八枚目(西) 良(よ)か娑婆ち 湯上(ゆあ)がい一杯(いっぺ) ぐつっ飲(や)っ [桜井吹雪]
親方吟(東) 娑婆ん風 五体(ごて)い受け受け 生(い)きい抜(ぬ)っ [満留ぐみ]
親方吟(西) 戦争(いっさ)どま 無(な)か娑婆(しゃ)べ暮(く)れっ 運(ふ)の良(え)こっ [伊地知 孝]

第34回都城大会 兼題「折返(つんげ)し」 石塚律子選

   
全部(ずるっ)婆(ばば) 折返(つんげ)し帰(もど)い 露天風呂 [堂園三洋]
好(す)っ言(ちゅ)たや 折返(つんげ)し貰(も)ろた 肘鉄砲(ひじてっぽ) [入来院彦六]
飲(の)ん方(かた)ち 聞けば折返(つんげ)し すい返答(へんと) [永徳天真]
馬鹿言(ちゅ)たや 折返(つんげ)し阿呆(あほ)ち 吐(か)えた女房(かか) [山元自在鉤]
空港(くうこ)かあ 折返(つんげ)し戻(もど)っ 車(くいま)事故 [安藤香寿子]
軸吟 誤字(ごじ)脱字(だっ)じ 折返(つんげ)し駄目(ぼっ)ち 来た返事

第34回都城大会 兼題「器用(じく)」 堂園三洋選

結婚式(ごぜむけ)い 器用(じく)い着付けた 臨月腹(とつっばら) [安藤香寿子]
暗闇(くらすん)の 交際(つっげ)で出世 器用(じく)な奴(わろ) [蚕エ門]
選挙でな 嘘もぺらぺら 器用(じく)な舌(べろ) [澤津乙名]
器用(じく)が仇(あだ) また職(しょ)く変えた 心配(せわ)な婿 [中村雲海]
日曜(にちよ)大工(でっ) 器用(じく)な旦那は 株(か)ぶ上(あ)げっ [山元自在鉤]
軸吟 器用(じく)な女房(かか) 雛御(ひなじょ)ばっかい 五人産(う)ん

薩摩郷句作品集(薩摩狂句集「ほとくい」より抜粋)

又木菖福 そいじゃまた 言(ちゅ)てかい語(かた)い 長話
一人娘(ひといご)ん 白無垢(しろむっ)姿(すが)て 夫婦(みと)は泣(ね)っ
夏休(なっやす)ん 麦藁(むっがら)帽子(ぼし)が 蜻蛉(ばぶちゃ)捕(と)い
松下純哉 気強(きづ)え女房(かか) 産気(うんい)きしれっ 冗談(わや)く言(ゆ)っ
でけた女房(かか) 能(ぬ)の無(ね)亭主(とと)でん 奉(たてまつ)っ
育児(こおや)しな 拳骨(とっこ)も食(か)すい 女(おなご)世帯(じょて)
松田一雄 盆栽も 瘤(こっ)の格好(かっこ)が 値を決(き)めっ
靡(なび)こそな 匂(かざ)がすっどん 落(お)てんママ
赤提灯(あかぢょちん) 素通(すど)やでけん 匂(かざ)がしっ
丸目苦土 歌(う)て回(まわ)し 猿(よも)ん真似どん して逃(に)げっ
何(ない)が心配(せわ) 言(つ)てん後継者(あとと)い 嫁(き)てが無(の)し
無理(む)ゆしたか させたか女房(かか)ん 歩(あゆ)ん格好(がめ)
蓑手みの虫 粗方(あらかた)ん 造作(ぞさ)か以前(まえ)よか 雨が漏(も)っ
借(か)った限(ぎ)い 目顔(めつら)もみせん 横道(おど)な奴(わろ)
印鑑(はん)ぐれで 役所(やっしょ)あ半日(ひなか) きしつねっ
村田子羊 月給(げっきゅ)せか やれば亭主(とのじょ)い 用事(ゆ)じゃね言(ちゅ)っ
ど暑(ぬ)っさい 刺身(さしん)もぬった ぬったしっ
オール婆(ばば) 期待外れん 露天風呂
村田 勝 紙(かん)一枚(いっめ) 印鑑(はんこ)を押(お)せっ 離婚(わかれ)かた
立秋ち 言(ゆ)どん寝苦(ねぐる)し こん暑(ぬっ)さ
スーパーで 買(こ)た煮染(にし)めをば やれ褒(ほ)めっ
村野兵六 社長様(しゃちょさあ)も 帰(もど)れば孫ん 馬(うん)めなっ
新人な 毎晩(めばん)社訓の 大(ふ)て寝言(ねごっ)
安(や)し品も 着手(きて)が良(よ)かれば 高価(た)こ見(み)えっ
室田珍竹林 六月灯(ろっがっど) ガス灯(と)ん匂(かざ)を 思(お)め出(だ)せっ
禿は得(とっ) 似たような年令(とし)が 席(せ)く空(あ)けっ
包(つつ)ませっ がっつい恥(げん)ね 桁間違(まっげ)
森豊鹿郎 医者(い)しぇ行(い)こち 言(ゆ)えばち治(ゆな)い 子ん病気(やんめ)
誤字ん絵馬(え)め 神(かん)も苦笑(にがわ)れ 受け付(つ)けっ
地獄(じごっ)耳(みん) ネタを仕入(しい)れちゃ 触(ふ)れまわっ

その他の秀句 (順不同)

番犬も 見知(みし)っ尾を振(ふ)い 散歩道(さんぽみっ) [工藤天然]
買(こ)どこいか 小(ちん)け難儀も 呉(く)るごちゃっ [石野蟹篭]
飛車と角(か)く 抱(で)た侭(ない)負けた 涼(すず)ん台 [上薗佳笑]
忙(せわ)し言(ちゅ)が 忙(せわ)した口(くっ)で 身体(ごて)は暇 [原田菊男]
忙(せわ)し娑婆 のんびいすれば うっちょかれ [鎌田小町]
笑(わ)るちょいが 落(お)てたも知(し)たじ 選挙ビラ [上原治男]
目が肥えた 今ならこげな 亭主(て)しな来(こ)じ [長瀬慶子]
黄砂奴(わろ) 日本列島(れっと)で 旅(た)ぶ終(お)えっ [上薗佳笑]
若(わ)け娘(おご)ん 素面にゃ勝(か)てん 厚化粧(あっげしょう) [江口紫朗]
亭主(とと)が先(さ)き 逝(い)っち決め込(く)だ 将来(さっ)の計画(ぐん) [諸木小春]
耳(みん)だけは 形(かた)ちゃ変わらん 肥満(だんべ)女房(かか) [工藤天然]

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