| 中村雲海 |
達筆(たっぴっ)の 遺伝子子いな 伝(つた)わらじ |
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言難(ゆに)き事(こ)つ 大将(おしょ)振(ぶ)っ吐(か)やす 背禿爺(せなはげじ) |
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小(ちん)け肚(はら) 大声(うごえ)を出(だ)せっ 威嚇(いか)くしっ |
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神(かん)の手が させた手術(しゅじゅっ)で 命(いのっ)拾(び)れ |
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炊(た)っ立(た)てん 新米(しんめ)ん匂(かざ)い 苦労(くろ)も飛(つ)っ |
| 有川南北 |
盆の疲(だ)れ 墓掃除(はかこしたえ)も ままならじ |
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埒(らっ)も無(な)か 与野党(よやと)に募(つの)い 阿呆らしさ |
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弱腰の 尖閣(せんかっ)騒動(そど)い 腹が立(た)っ |
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罰金も取(と)らじ 小癪(こしゃっ)な奴(と)を 送還(も)でっ |
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チビ玉ん 可愛(む)ぜ芸(げ)い婆(ばば)が 包(つつ)だ祝儀(はな) |
| 弓場正己 |
我(わ)が家(や)いも 活断層(かっだんそう)が 牙を研(て)っ |
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尖閣(せんかっ)じゃ 足(た)らじ琉球(りゅうきゅ)を 盗(と)ろ言出(ちゅで)っ |
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病名が 付(ち)たや落(お)て着(ち)っ 飲(の)ん直(な)えっ |
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札(さ)つ入(い)れっ 釣(つ)ゆばやれ言(ちゅ)た 募金箱 |
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営業を 辞(や)めたや人と 会(お)ごちゃ無(の)し |
| 堂園三洋 |
新米(にかごめ)は 呆(ぼ)え副食物(おかず)でん ずうず減(へ)っ |
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登山道(とざんど)い 花が咲(せ)たよな 山ガール |
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都会(よそ)ん孫 大人(おせ)ん声(こ)へなっ 帰(もど)っ来(き)っ |
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胃拡張(いかくちょ)が 出番ち励(はま)い バイキング |
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本棚(ほんだ)ねな 用事(ゆ)じゃ無(ね)が欲(ほ)しか 焼酎(しょちゅ)ん棚 |
| 永徳天真 |
其処ずいち 出たが何処(ど)け行(い)た 鉄砲玉(てっぽだま) |
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雨も良(よ)か 大接近の 相合傘(あいえがさ) |
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覚えが無(ね) 言(ちゅ)われっ寂(さび)し 同窓会(どうそかい) |
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気分良(ゆ)う 晩酌(だいやめ)じゃて 金(ぜん)の事(こっ) |
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買(こ)た箒(ほっ)で すいすい楽(たの)し 庭掃(にわはわ)っ |
| 樋口一風 |
夫婦(みと)喧嘩 兵糧攻めで 亭主(て)しゃ陥落(おて)っ |
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カーナビい 逆(さか)ろっ運転(まく)い へそ曲(まが)い |
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露天風呂(ぶ)れ 極楽(ごくらっ)言(ちゅ)そな 顔(つら)が浮(う)っ |
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気いせんち 言(ゆ)どん薬(くす)ゆば 頭(びん)て塗(ぬ)っ |
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世話人も 七十歳(ななじゅ)を過ぎた 敬老会(けいろかい) |
| 天 |
若(わ)け肌を うっ出(だ)せかぎい 夏(なっ)のギャル [樋口一風] |
| 地 |
つるっつる 本当(まこ)っ青年(にせ)かよ 美事(みご)て肌 [諸木小春] |
| 人 |
透け透けん 肌着を睨(ねぎ)い 亭主(て)す抓(つま)ん [入来創雲] |
| 五客一席 |
若(わ)け肌ち 婆(ばば)いビキニを 売(う)いつけっ [中囿和風] |
| 五客二席 |
温泉(おゆ)上(あ)がい 搗(つ)ったて餅(もっ)の よな素肌 [今井夢紫] |
| 五客三席 |
餅肌(もっはだ)も 家(やど)ん女房(かか)んた 粟ん餅(もっ) [郷田悠々] |
| 五客四席 |
餅肌(もっはだ)も 年(と)す重(かさ)ぬれば 梅干し婆(ば) [樋之口墨矢] |
| 五客五席 |
土石流(どせっりゅ)が 美事(みご)て山肌(やまは)で 傷(き)ず残(の)けっ [米元年輪] |
| 選者吟 |
脚(あし)の長(な)げ 美事(みご)て若(わ)け肌(は)で グラッきっ |
| 横綱(東) |
○ |
払(は)る終(と)った 頃(こ)れな我(わ)が家(え)あ また造作(ぞさっ) [伊地知 孝] |
| 横綱(西) |
● |
此処たいち 草を払(は)るわにゃ 見(み)えん野菜(やせ) [今井夢紫] |
| 大関(東) |
● |
蒸暑(ほめ)っ晩 やぜろし亭主(てし)の 手を払(は)るっ [入来創雲] |
| 大関(西) |
○ |
奢(おご)ったて さいもが払(は)るち 故郷(さと)ん友達(どし) [湯田青秋] |
| 関脇(東) |
● |
黄金波(こがねなん) 朝露(あさち)を払(は)るっ 入(い)るい鎌 [郷田悠々] |
| 関脇(西) |
○ |
払(は)るた程(ひこ) 食(たも)ろち慌(せし)こ バイキング [満吉満秀] |
| 小結(東) |
○ |
鮨の代金(こい) 払(は)るたや財布(ふぞ)は 硬貨(どろ)一枚(いっめ) [満留ぐみ] |
| 小結(西) |
● |
女将(ママ)ん酌(しゃ)く 久(な)ご振(ぶ)い貰(も)ろた 払(は)るた請求(つけ) [津留見一徹] |
| 筆頭(東) |
● |
年末(ねんま)ちな 払(は)るで言(ちゅ)た奴(と)が ドロンしっ [山元自在鉤] |
| 筆頭(西) |
○ |
厄払(やっば)れん 焼酎(しょつ)で掛(うた)った 取締(といしま)い [石野蟹篭] |
| 二枚目(東) |
○ |
払(は)るわんて 税の使(つ)こ道(み)ち やれ吠(ほ)えっ [おんじょどい] |
| 二枚目(西) |
● |
貰(も)れは無(の)し 払(は)るばっかいの 保険料 [桑元行水] |
| 三枚目(東) |
● |
こいでもか 何度払(は)るてん 繁茂(ほこ)い雑草(くさ) [樋渡草団子] |
| 三枚目(西) |
○ |
払(は)る終(と)らん ローンの最中(さな)け 事故車(じこ)しぇなっ [福原福多] |
| 四枚目(東) |
● |
孫ん守(も)い 按摩ん賃(ちん)ぬ 払(は)るえ言(ちゅ)っ [西ノ園ひらり] |
| 四枚目(西) |
○ |
食(く)て飲んで 払(は)る時(と)きなれば 居(お)らん奴(わろ) [楠八重渓流] |
| 五枚目(東) |
○ |
食事代(しょくじだ)ゆ どしこ払(は)るたか 青年(にせ)が見合(みえ) [北村虎王] |
| 五枚目(西) |
● |
今月(こんげっ)も 払(は)る事(こっ)が多(う)け 年金日 [折田さくら] |
| 六枚目(東) |
○ |
払(は)る前は 天引(てんび)きさるい 高齢者(としなもん) [佐伯山神] |
| 六枚目(西) |
● |
他人(ひと)ん目も 構(か)めなし触(さわ)い 手を払(は)るっ [上薗佳笑] |
| 七枚目(東) |
○ |
田の神(かん)も 薮(やぼ)を払(は)るたや ニコッしっ [二見愚楽満] |
| 七枚目(西) |
● |
定年(やめ)たなら あっとっ払(ば)れは 駄目(ぼっ)言(ちゅ)女将(ママ) [中囿和風] |
| 八枚目(東) |
● |
結婚(といえ)祝(ゆえ) 板敷(いたしっ)払(ば)れで 盛(も)い上(あ)がっ [有馬純秋] |
| 八枚目(西) |
○ |
蜘蛛(こっ)の巣を 片手で払(は)るっ 石蕗(つわ)を採(と)っ[入来義徳] |
| 親方吟(東) |
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高(た)け月謝 払(は)るた歌言(ちゅ)が 鐘一(ひと)っ [石塚律子] |
| 親方吟(西) |
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払(は)る段(だん)に なって惜(てこ)なか 二次会費 [吉岡道場] |
| 堂園三洋 |
恋敵(こいがた)き 脚の長さで ひん負(ま)けっ |
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不安(せわ)不安(せわ)で カルテを覗(み)たが 読(よ)まならじ |
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退職(やめ)たなあ 裸踊(はだかおど)いも すい校長(こうちょ) |
| 徳田白馬 |
でけた孫 俺(お)い似た素性(すじょ)ち 爺(じ)は吐(か)えっ |
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ジャンボ籤(く)じ 濡れ手で粟ん 夢を追(う)っ |
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一目惚(ひとめぼ)れ 一代(いっで)不作(ふさっ)ち 今じゃ後悔(くけ) |
| 泊 光秀 |
禿ち字を 禿い聞(き)たなあ 叱(く)るわれっ |
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鯉幟(こいのぼ)や 尻尾(しいぼ)で屋根ん 灰(へ)を払(は)るっ |
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同窓会(どうそか)い 秘書が秘書が言(ちゅ) 成(な)い上(や)がい |
| 富山竜士 |
惚れた娘(こ)ん 心を開(あ)くい 鍵(か)ぐ持(も)たじ |
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教育(きょいっ)ママ 新(に)け先生(せんせ)ゆば 手玉(てだ)め取(と)っ |
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イベントで すったい疲(だ)れた 村興し |
| 長井春江 |
寺造作(てらぞさっ) 極楽(ごくら)きやっち 寄付が来(き)っ |
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牛(べぶ)ん市(いっ) 算盤(かんじょ)が合(お)わじ 引(ひ)て帰(もど)っ |
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写真撮(と)い そろいとブスん 傍(そば)い立(た)っ |
| 中里飯語 |
下戸奴(げこわろ)が 隣(つっ)の飲(の)ん平(べ)ん 料理(じゅ)ゆ狙(ね)ろっ |
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慣(な)れっきっ 姑御(しゅとじょ)ん機嫌(ごっ)も 取(と)い習(な)るっ |
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当選(あが)ったや 俺(おい)よか上は 居(お)らん顔(つら) |
| 永(な)ごも無(ね)て 焼酎(しょちゅ)も煙草も 取(と)い上(あ)げっ [石野蟹篭] |
| 三択(さんたっ)で 家事分担ぬ やらされっ [諸木小春] |
| 親友(どし)じゃいが 女将(ママ)ん店でな 恋敵(こいがたっ) [工藤天然] |
| 若社長(わかしゃちょ)ん 襁褓(おしめ)も替えた 古狸(ふるだぬっ) [津留見一徹] |
| 塗(ぬ)い過(す)ぎっ 背中(せな)け流れた 禿薬(はげぐすい) [堂園三洋] |
| 惚(ぼ)け言(ちゅ)どん 目付(めつ)きゃやっぱい 姑御(しゅとじょ)ん目 [黒岩涙月] |
| 恋占(こいうら)ね 孫(ま)げ毟(むし)られた 大事(でし)な菊(きっ) [永徳天真] |
| 碌(ど)き素性(すじょ)も 知(し)たん鰻(うなっ)で 夏(な)つ越(こ)せっ [石塚律子] |
| 転婆(いなば)かあ まだも叱(が)らるい クラス会 [永徳天真] |
| 郷句(く)を作(つく)っ 合点(がてん)ぬしたた 字数(じかし)だけ [前村泰山] |
| 育(おや)し終(と)っ まだも孫子(まごこ)い 金(ぜん)の都合(つご) [花園ちづ] |
