逆引き辞典「き」
「き」
聞いた:きた 「考(かん)げ付(ち)た 嘘は三度も 聞(き)たち女房(かか) [米玉利乗康]」
聞いたら:きいたや・きたや 「唐芋語(かいもご)を 都電で聞(き)たや 仲間(なか)めなっ [新地十意]」
聞いてない:きいちょらん・きちょらん 「言(ゆ)うたどが うんにゃ聞(き)ちょらん 夫婦(みと)喧嘩(げんか)
[木原幹子]」
聞いてる:きちょい 「ずんね文句(ぐぜ) 大概大概(てげてげ)聞(き)ちょい 亭主(とと)ん耳(みん) [かぼす]」
聞いてると:きちょれば 「管巻(やまいも)も 毎日(めにっ)聞(き)ちょれば 子守唄(こもいうた) [ゆめ路]」
聞かされる:きかさるっ・きかされっ 「結婚(といえ)当初(はな) 犬(いん)も惚気(のろけ)を 聞(き)かされっ
[塚田黒柱]」
聞かない:きかん 「尻(し)ゆ向(む)けっ 言(ゆ)こっも聞(き)かん 横道(おど)な犬(いん) [澤津乙名]」
聞きたい:きこごちゃっ
聞きたくない:きこごちゃなか・きこごちゃね
「言難(ゆに)き事(こ)ちゃ 聞(き)こごちゃ無(な)かち 冷(つん)て奴(わろ)
[小瀬一峻]」
聞き違い:きっそこね
聞き直す:きっなえっ 「疎(う)て奴(わろ)が 冗談(わや)くいちいち 聞(き)っ直(な)えっ [永徳天真]」
聞き耳:きっみん 「聞っ耳(みん)ぬ
立てた便所(まなか)ん 痺(しび)れ足 [津留見一徹]」
聞き分ける:きっわくっ・きっわけっ 「
女房(かか)ん機嫌(ごっ) 俎板(まねた)ん音(おと)で 聞(き)っ分(わ)けっ [湧声]」
聞く:きっ 「出来(でけ)た嫁 姑(しゅと)ん悪口(あっご)も 笑(わ)るて聞(き)っ [満留ぐみ]」
聞こえてる:きこえちょっ 「禿(はげ)かいの 電話じゃっどち 聞(き)こえちょっ [押領司翠里]」
聞こえない:きこえん 「聞(き)こゆって 聞こえん真似も のさん姑(しゅと) [樋口一風]」
聞こえる:きこゆい・きこゆっ 「爺(じ)あ子守(こも)い 懐(つく)れ聞(き)こゆい 可愛(も)ぜ寝息(ねいっ)
[大重爆笑]」
黄色い:きい・きいか・きいろか・きか
黄色く:きゆ 「置手紙(おってが)み 青黄(あおき)ゆなった 朝帰(あさもど)い [永田酒楽]」
黄色っぽく:きぎっと
消える:きえっ・きゆい・きゆっ・けきゆい・けきゆっ・ひっきゆい・ひっきゆっ 「給付金 あっち言(ゆ)う
間(こ)め 玉(た)め消(き)えっ [坂元竜馬]」
消え失せる:きしくらめ・けうすい・けうすっ
祇園祭:おぎおんさあ・おっぎょんさあ
機会がない:とっまらん・とっまらじ 「故郷(さと)帰(もど)い 何事(ないごっ)か無(ね) やとっまらじ
[西ノ園ひらり]」
気が狂う:でよ
気が小さい:きもがこまんか・きもんこまんか
気が動転する:まぐるっ
気が長い:きがなげ・きもがなげ
気が短い:きがみしけ・きもがみしけ・きもがみじけ
気が向く:きがみっ
気位:けん 「美人(シャン)の上(うえ) 胸も見事(みご)てて 難(なん)な気位(けん) [楠八重渓流]」
気位が高い:けんがたけ・けんがたっか・けんだけ 「気位(けん)高(だ)け娘(こ) 高望(たかのぞ)むして
嫁(い)きゃならじ [谷村まさゑ]」
気絶:けまぐれ
気絶する:けまぐるっ
気忙しい:きぜからし・きぜらし・きぜわし・きぜわしか
気付かず:きづかじ・きぢかじ 「
挨拶(えさっ)茶(じゃ)ち 気付(きづ)かじ婆(ばば)あ 腰(こ)す据(す)えっ [棈松睦酔]」
気付く:きぢっ 「美味(うん)も食(く)っ 後(あと)かあ気付(きぢ)た 期限切れ [おんじょどい]」
気付かない:きぢかん
気取り:きどい 「海外旅行(たっ)の親父(とと) スター気取(きど)いの サングラス [太田土管]」
気取り屋:きどいごろ 「気取(きど)い奴(ごろ) 監視カメれも 意識しっ [永田酒楽]」
気に入らず:きいいらじ 「そっくいに
撮(と)れた写真(しゃしん)が気(き)い入(い)らじ[栫 路人]」
気にかかる:きいかかっ 「縁遠(えんど)え娘(こ) 賞味期限が 気(き)いかかっ [樋口一風]」
気にする:きいすい 「メタボをば 気(き)いすい態(ふ)も無(ね) 今日(きゅ)も間食(はざぐ) [尾崎若狭]」
気の毒:きのどっ
気のない:きのね 「気の無(ね)相槌(え)へ 怒(はら)けた妻(かか)が 吠(ほ)えでけっ [澤津一心]」
気の病:きのびょ
気晴らし:きほじ
気分:あや 「褒め上(あ)げっ
気力(あや)ん無(ね)亭主(とと)い 効(き)けたキス [稲田切株]」
気細い:きぼせ 「風邪気味ち
二次会(にじか)ゆ蹴った 気細(きぼ)せ財布(ふぞ) [津留見酎児]」
気前がいい:きもがきるっ
気前よくする:きもをきっ 「正月(しょがっ)どま 墓も生花(せいか)ち 肝(きも)を切(き)っ [有馬純秋]」
気味:きぞ・きっ
気味が悪い:きぞがわり・きぞんわり 「借(か)い相談(そだん) 気味(きぞ)が悪(わ)りごっ 世辞(め)す吐(か)えっ
[松元清流]」
気安い:きやし・ここいやし 「気安(きや)しどん 頓着(とんじゃっ)が無(ね)で 当(あ)てならじ [下栗志乃]」
気安く:きやす 「下校(げこ)ん子(こ)い気安(きや)す物言(ものゆ)も出来(でけ)ん娑婆(しゃば)」
気楽:あんき・きだっ 「女房(おかた)つは そげん気楽(きだっ)け また肥(こ)えっ [上薗佳笑]」
気楽な:きだき・きだっな
気楽に:きだき 「助手席(じょしゅせっ)の
飲兵衛(のんべ)は気楽(きだ)き 栓ぬ抜(に)っ [山田竜生]」
気力:あや 「補聴器じゃ 気力(あや)もけ失(う)せた 夫婦(みと)喧嘩 [盛満椒平]」
気力がない:あやがなか・あやんね 「
将来(さ)きゃ頼(たの)ん 言(つ)たや気力(あや)んね 欠伸(あく)ぶしっ [中囿和風]」
気力のない者:むでごろ 「怠惰者(むでごろ)が すごちゃい職(しょっ)が 無(ね)ち吐(か)えっ [安田踊い子]」
気力をつける:せをつくい・せをつくっ
気力をなくする:あやがきるい・あやがきる 「放蕩(なぐれ)亭主(て)し 気力(あや)が切れたち 荷を結(きび)っ
[入来院彦六]」
気を失う:まぐるっ
利かん坊:きかんたろ・きかんたれ・きかんぼ 「
肩叩(たた)っ賃(ちん) 消費税もち 悪戯坊(きかんたれ) [中囿和風]」
機嫌:ごっ 「女房(かか)ん機嫌(ごっ)
俎板(まねた)ん音(おと)で 聞(き)っ分(わ)けっ [湧声]」
機嫌が悪い:ごっがわり・ごっのわり 「機嫌(ごっ)の悪(わ)り 晩な煩(うぜら)し 秋(あっ)の虫 [片平桜子]」
機嫌取り:ごっとい・めすとい 「機嫌(ごっ)取(と)いの 笊(しょけ)かあ逃(に)ぐい マニフェスト [西 幸子]」
汽車:おかじょっ
傷:きし・きっ 「自動車(くいま)事故 角(かど)ん地蔵様(じぞさあ) 傷(きし)だらけ [西迫順風]」
煙管:きせい
汚い:きさなか・きっさね・きたなか・きっさんか・みとんなか・みとんね 「左手(ひだいて)で 書(か)こが変(か)わらん
汚(きっさ)ね字 [鶴田昌憙]」
貴重である:たしね・たしなか 「貴重(たし)ね銭(ぜ)ぬ 隠(か)きた所(とこ)よば け忘(わす)れっ [上池酔人]」
貴重品:たしねむん・たしねもん
きちんと:きちんきちん・ちんと 「砂糖(さと)焼酎(じょちゅ)で 婆(ば)と金婚ぬ ちんと祝(ゆ)え [鈴木一泉]」
きつい:しんどか・みごえ 「出立祝(でたっゆえ) 難儀(みご)え仕事(しごっ)も 励(はま)れ言(ちゅ)っ [那加野黎子]」
木槌:きづっ・どんじ 「昨夜(ゆべ)ん酔漢(とら) 今朝は青黄(あおき)ゆ 蟹(が)ね木槌(どんじ) [中囿和風]」
祈祷師:うらかた・ほしゃ・ほしゃどん 「縋(すが)ろいも 祈祷師(うらかた)どんも 病人顔(びょにんづら) [津留見一徹]」
奇特な:きどっな
奇特な事:きどっなこっ
奇特に:きどき
きのう・昨日:きぬ・きの 「株価(かぶか)
高(だか) 昨日(きぬ)泣(ね)た奴(わろ)が 反(そ)い返(かえ)っ [今釜三岳]」
厳しい:いみし・きびし・きびしか・いね・やかまし 「嫁(よめ)ん日(ひ)も
あったはっじゃが 厳(いみ)し姑(しゅと) [津曲とっこ]」
厳しい顔:いねつら
キビナゴ・黍魚子:きっなご・ざこ 「キッナゴを 刺身(さしん)に頼(たの)ん 女房(かか)ん度胸(どきょ)
[亀甲万年]」
決まる:きまい・きまっ 「怠惰(ずぼら)かあ 先(さ)き窓際(まどぎわ)ん 席(せ)か決(き)まっ [凡骨]」
決まり:きまい
決めて:きめっ 「唇(すば)迄(ず)やち 覚悟(かっご)を決めっ 初デート [楠八重渓流]」
決める:きむい・きむっ・きめっ 「風邪ち言(ゆ)な 俺(おい)が決(き)むっち 医者が言(ゆ)っ [中囿和風]」
決め付ける:きめつくい・きめつくっ・きめつけっ 「他人(ひと)ん癖 血液型(けつえっがた)で
決(き)め付(つ)けっ [有川八味]」
君:あっこ・はん 「先生(せんせい)に 君(はん)な誰(だい)けち クラス会(かい)」
君たち:あっこたっ・あっこどん
奇妙な:すだ 「安物(やすもん)が
似合(によ)でよかねち 妙(す)だ褒め様(よ)[郷田悠々]」
着物:いしょ・きいむん・きいもん・きもん・べんじょ・べんべん 「泣っかたで 良(よ)か着物(いしょ)を取い
形見(かたん)分け [尾崎若狭]」「
着物の裾を端折る:つぶっ 「尻(し)ゆ端折(つぶ)っ 貝(け)掘(ほ)い励(はま)った 健(さか)し婆(ばば)
[久永桂心]」
虐待する:こなす 「苛(こな)された 嫁が尻(し)ゆ取(と)い 二度童子(わらし) [中村雲海]」
灸:えつ 「厳(いみ)し爺(じ)を 返報(へんぽ)ち灸(えつ)で 叫(おら)ばせっ [山田竜生]」
休日:やすん・よくいひ・よくいび
急須:きびしょ・きびす・ちゃぢょか・ちょか 「ひと急須(ちょか)あ 直(いっ)き空(か)れない 語(かた)い好(ず)っ
[吉岡道場]」
九十歳:くんじゅ・くんず 「婆(ば)は九十歳(くんじゅ) 亭主(て)しゃ青年(にせ)んまま 額(が)きはまっ
[入来院彦六]」
キュウリ・胡瓜:きうい・きゆい・きゅい 「
胡瓜(きゅう)や旬(しゅん)生(な)れば生(な)ったで貰手(もろ)て心配(せわ)[坂口橘風]」
器用:きゆ・じく 「器用(きゆ)な指(ゆっ) モニタで内臓(ぞわ)て メす入(い)れっ [坂元うなっ]」
今日:きゅ 「今日(きゅ)はキッス
次(つ)ぐ考(かん)ぐれば 寝(ね)やならじ [石塚律子]」
今日こそ:きゅくさ
今日まで:きゅずい 「今日(きゅ)ずいじゃち 縁のば切って 遺産分け [吉村伝波]」
境界:さけ 「見事(みご)て禿 帽子(ぼし)で
決まった 顔(つら)ん境(さけ)[山下矢絣]」
境界争い:さけいさけ 「厳(い)ね婆(ばば)が 隣(つっ)の爺(じ)と今日(きゅ)も 境界(さけ)諍(いさ)け
[上池酔人]」
境界の垣根:さけやね
境界を示す木:さけぎ
行儀:いずらめ
行儀が悪い:いずらめがわり・いずらめんわり 「
行儀(いずらめ)ん 悪(わ)り手を女将(ママ)あ そっ外(は)じっ [小森寿星]」
行司:ぎょし
行商:ものうい
行商人:かたげうい
行水:あれ・みっちゃびい・ゆあいびい 「野良(はい)帰(もど)い 行水(あれ)もせんうち 好(す)っな焼酎(そつ)
[前田あやめ]」
狂人:きちげ・きっげ・しんけい
競争:ぐら・ぐらご 「徒競走(はしいぐら) 凄(わっ)ぜか速(はや)か 短躯(こじっくい) [上池酔人]」
兄弟:きょで 「ざまな兄弟(きょで)
親ん介護で肚 探(はらさぐ)い [今釜三岳]」
去年:けねん
嫌い:きれ 「犬(いん)嫌(ぎ)れが 紐(よま)ん長さを 読(よ)ん訪(こと)っ [上山天州]」
嫌う:きろ 「わが嫌(き)ろた 父親(おやっ)の所作を わがもしっ [小森寿星]」
嫌った:きろた 「わが嫌(き)ろた 父親(おやっ)の所作を わがもしっ [小森寿星]」
義理:ぎい 「倍返(ばいがえ)す狙(ね)
ろっばら撒(め)た義理(ぎい)のチョコ [村田子羊]」
義理堅い:ぎいがて
義理の交際:ぎいはい 「義理交際(ぎいはい)も 無(な)かや寂(とぜ)んね 婆(ば)と二人(ふたい) [深道好之]」
器量:めめ
器量のよい:めめんよか
きりりと:はしと 「はしとせち 狂句で惚けを 蹴散(けち)らけっ [田中栄泉]」
切り替える:きいかえっ・きいかゆっ 「年(と)しゅ食(く)たや 仕事(しご)ちゃ参詣(ものめ)い 切(き)い替(か)えっ
[畑山真竹]」
切り捨てる:きいすてっ 「歳暮(せぼ)吟味(ぎんみ) とぼれん課長(かちょ)は 切(き)い捨(す)てっ [岩崎美知代]」
切り倒す:きいとくっ
切り散らす:きいたくっ
切りつける:きいちくっ
切り離す:きいはねっ 「倦怠期 ダブル毛布(ケット)を 切(き)い離(は)ねっ [金井一馬]」
切る:きい・きっ 「子分限者
(こぶげんしゃ) ケーき定規を 当(あ)てっ切(き)っ [山下矢絣]」
切れる:きるい・きるっ・ひっきるい・ひっきるっ
綺麗:きれ
綺麗好き:きれごんしゃ 「人(ひと)ん家(げ)へ 来(き)てん片付(こば)むい 綺麗好(きれごんしゃ) [枦山一球]」
綺麗な:みごて・みごてか・めめんよか 「女房(かか)よっか 綺麗(みご)て人(と)が多(う)け ニューハーフ [塚田黒柱]」
筋骨逞しい:ごったまし
金策:ぜんかい
金銭:ぜんかね
金蝿:きんべ 「屈(かご)んだや 直(いっ)き
金蝿(きんべ)が 偵察(みい)け来(き)っ [垂野剣付鶏]」
近所:といもい・わがえあたい
近所交際:きんじょつっけ